半導体チップ不足は何年も自動車業界の停滞を招いたが、まもなく終わる可能性がある。
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- 半導体チップ不足は、2年以上も自動車業界に打撃を与えてきた。
- だが最新の予測で、これが改善する可能性がある。
- 自動車を購入しようとしている人に、まもなく幸運がやってくるかもしれない。
2023年には、ここ2年間で自動車の在庫を激減させた半導体チップ不足について明るい兆しが見え、疲れきった自動車購入希望者にとってよいニュースがもたらされるかもしれない。
半導体チップ不足は自動車業界に何年も影響を与え、販売店の在庫を減らし、新車と中古車の価格を押し上げてきた。だが、AutoForecast Solutionsの専門家は2022年末の半導体不足は昨年ほど深刻ではないだろうと述べた。もっといいことには、2023年はさらによくなるかもしれない。
2020年以来、自動車メーカーは生産レベルとシートヒーターなどの価値ある機能を犠牲にして、儲かる車の製造を優先してきた。
2021年は、半導体チップ不足のため、北米での自動車メーカーの生産量は予測より323万台も少なかった。AutoForecast Solutions が先日発表した予測値によると、2022年は150万台の減少にとどまるとみられている。
半導体チップメーカーは、スマートフォンや家電製品、最新技術が搭載された未来の自動車の生産にとって重要なこの部品の生産拡大を急いでいる。半導体チップはガソリン車よりも技術的に進んでいる電気自動車(EV)にとって特に重要だ。自動車メーカーはすでにEV用バッテリーの供給不足に悩まされており、これ以上の制約を受けることはできない。
リヴィアン(Rivian)は「供給ベースでの数量増加についてだけでなく、半導体分野に関しては数多くの課題が見られた」と、2022年第2四半期の収支報告で同社のRJ・スカリンジ(RJ Scaringe)CEOが述べていた。
EVの有利な点は、古い自動車向けの時代遅れで利益の低いチップとは異なり、半導体チップメーカーが熱心に製造している複雑なチップを必要とすることだ。
2023年に半導体チップ不足が解消することよって、在庫レベルが元に戻り、価格が下がることになれば、購入希望者に安堵をもたらす可能性がある。
しかし、自動車メーカーは依然として油断なく、生産量の削減を続けており、コンサルティング会社のAlvarez and Marsalの専門家は、業界が危機を脱したとは思わないと話している。