開発者向けカンファレンス「Meta Connect」でマーク・ザッカーバーグはメタバースの進化したアバターを披露した。
- オックスフォード英語辞典は2022年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」として、2月に流行した「ゴブリンモード」を選出した。
- 「メタバース」は最終候補にまで残ったが敗退した。
- メタのマーク・ザッカーバーグCEOは、メタバースをメインストリームに押し上げようと全力を注いでいる。
「メタバース(Metaverse)」は「ゴブリンモード(goblin mode)」にかなわなかった。
オックスフォード英語辞典を発行するオックスフォード・ランゲージズ(Oxford Languages)は、「ゴブリンモード」を2022年の「ワード・オブ・ザ・イヤー」に選出した。11月半ばにこのコンテスト史上初となる一般投票が行われ、他の2つの最終候補だった「メタバース」と「#IStandWith」を抑えての受賞となった。
オックスフォードは、ワード・オブ・ザ・イヤーを「過去12カ月間の価値観、雰囲気、関心事を反映した言葉や表現で、文化的に永続的な意味を持つ可能性があるもの」と定義している。2021年は「Vax(「vaccine(ワクチン)」の省略語)」が受賞した。
オックスフォード大学出版局によると、ワード・オブ・ザ・イヤーに選ばれても、その言葉がオックスフォード英語辞典に追加される保証があるわけではないというが、その可能性はある。
ゴブリンモードとは「社会的な規範や期待を拒否するような形で、悪びれもせず、勝手気ままに、怠惰、ずぼら、貪欲に行動すること」だという。
この言葉は10年以上前に生まれたが、今年2月にこの言葉を使ったフェイクニュースがツイッター(Twitter)でシェアされたことで話題になった。
ボリウッドのニュースサイトPinkvillaが、カニエ・ウェスト(Kanye West)と女優でモデルのジュリア・フォックス(Julia Fox)の破局を伝える記事を公開すると、あるツイッターユーザーがその見出しを「私がゴブリンモードになると彼が嫌がった」と書き換えてフェイクニュースを作り、ツイートしたのだ。
オックスフォードは「ゴブリンモード」について、「多くの国でCOVID-19によるロックダウンの規制が緩和され、人々が定期的に外出するようになると、この言葉の人気が上昇した」と記している。
「『普通の生活』に戻ることを拒否したり、ソーシャルメディアでシェアされる達成できそうもない美の基準や持続可能ではないライフスタイルに反発したりするムードが人々の間で広がり、それを捉えた言葉になったのだろう」
2位には「メタバース」が選ばれた。オックスフォードは「仮想通貨コミュニティや出版業界によって票が伸びた」と記している。
「バーチャルリアリティ空間でのハイブリッドな働き方といった比較的新しい概念に取り組む中で、完全にオンラインとなった未来における倫理と実現可能性について議論するには、メタバースが特に適している」
マーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)は、自身の会社をフェイスブック(Facebook)からメタ(Meta)に改名して以来、メタバースをメインストリームに導く最大の推進者の1人になっている。彼はメタバースがインターネットの次の段階だと見ており、メタは彼が情熱を注ぐプロジェクトに何十億ドルも投資してきた。
同社は今年、他のハイテク企業と同様に経済的な逆風に直面し、大規模な人員削減を行った。その間、メタバースへの莫大な投資を一部の投資家に批判されたほか、この分野のソフトウェアへの取り組みが数々の障害にぶつかっていることが報じられている。
「メタバース」は「ゴブリンモード」を超えられなかったが、ワード・オブ・ザ・イヤーの候補になるほど支持を得たことに、ザッカーバーグは慰められていることだろう。