無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


世界で最も物価の高い都市トップ11[2022年版]

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表した2022年「最も物価の高い都市ランキング」で、第1位はシンガポールとニューヨークだった。

エコノミスト・インテリジェンス・ユニットが発表した2022年「最も物価の高い都市ランキング」で、第1位はシンガポールとニューヨークだった。

Alexander Spatari/Getty Images

  • エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が2022年版「世界生活費調査」の結果を発表した。
  • 172都市を分析した結果、シンガポールとニューヨークが最も物価の高い都市だった。
  • EIUのアナリストは、食料品やパーソナルケアなどの価格が高いことが、ニューヨークがランクインした大きな理由の1つだと述べている。

アメリカ西海岸のロサンゼルスやヨーロッパの中心地であるスイスのジュネーブなど、さまざまな都市で市民は生活費の高騰を痛感している。

エコノミスト誌の調査部門であるエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が発表した「世界生計費調査」によると、ニューヨークとシンガポールに住む人々は特にそう感じているようだ。

この2つの都市が、EIUによる「最も物価の高い都市ランキング」の同率1位になった。この調査は2022年8月16日から9月16日にかけて172都市を対象に行われ、衣料、交通、食品など200以上の商品とサービスの価格を比較している。ウクライナのキーウは、ロシアの侵攻のため、今回の調査には含まれていない。

「価格データを収集するために、研究者はスーパーマーケット、中価格帯の店舗、高価格帯の専門店など、さまざまな店舗やサービス提供者を調査した」と報告書は調査方法を説明し、「報告された価格は、メーカー希望小売価格やメーカーのコストではなく、実際の販売価格」だとしている。

2022年は物価変動に関してかなり特殊な年だったと、EIUのシニアアナリスト、コディ・フェルドマン(Cody Feldman)はInsiderに語っている。「2022年は、前年から続くインフレが目立った」と述べ、パンデミックからの景気回復とロシアとのウクライナ侵攻による供給の制約が、世界の大都市における物価高騰の2大要因となったとしている。

ニューヨークがランキングトップになった理由として、フェルドマンは「食料品、パーソナルケア、家事代行サービス、ファッションなどが高価格であることが原因だと考えられる」としている。

シンガポールがニューヨークと同率で1位となった。報告書に記されているように「ランキングは対ドルでの為替レートにも左右される」ことも、ニューヨークとシンガポールがトップになった理由の1つとされている。

「通貨高とインフレ率の上昇により、2021年のランキングトップだったテルアビブ(イスラエル)はこの2都市に抜かれ、2022年は3位に下がった」という。

フェルドマンは、シンガポールがトップになったのは「交通費、衣料品、食料品の価格が高いことに加え、シンガポール・ドルが他の通貨に比べて米ドルに対する為替レートがかなり安定していることが主な原因」だとしている。シンガポールは2021年のランキングでは同率2位で、過去10年を見てもほぼ上位を占めている。

アメリカではカリフォルニア州のロサンゼルスとサンフランシスコも物価の高い都市だった。ロサンゼルスは香港と同率の4位、サンフランシスコは8位だった。さらに、このランキングで「最も順位が変動した10都市」にはサンディエゴやボストンを含むアメリカの6都市が入っている。

2022年におけるアメリカのインフレ率は全体的に上昇傾向にあったが、消費者物価指数(CPI)は10月に前年同月比7.7%となり、9月の同8.2%を下回っている。

またランキングには、スイスの2都市がトップ10に入っており、チューリッヒが6位、ジュネーブが7位だった。

フェルドマンは今回のランキング結果で特筆すべきこととして次のように述べた。

「2022年は地政学的な緊張が続き、主要なインフレ率が上昇したことによって特徴づけられるが、最近ではインフレ率が低下し始めたことから、今後はこれらの圧力が緩和されていくだろう」

報告書によると「過去1年における世界の大都市の物価は、現地通貨建てで平均8.1%上昇」しており、これは「少なくとも過去20年間で最も高い上昇率であり、ウクライナ戦争や中国の『ゼロコロナ政策』の規制によって引き起こされた世界的な生活費高騰危機を反映している」という。

以下に2022年の「最も物価の高い都市ランキング」を紹介する。トップになったニューヨークを100とした場合の各都市の物価指標も併記した。


同率10位 シドニー(オーストラリア)

同率10位 オーストラリア、シドニー

Vijay Anand/Getty Images

物価指標:83


同率10位 コペンハーゲン(デンマーク)

同率10位 デンマーク、コペンハーゲン

Scott E Barbour/Getty Images

物価指標:83


9位 パリ(フランス)

9位 フランス、パリ

Alexander Spatari/Getty Images

物価指標:84


8位 サンフランシスコ(アメリカ)

8位 アメリカ、サンフランシスコ

Steve Proehl/Getty Images

物価指標:85


7位 ジュネーブ(スイス)

7位 スイス、ジュネーブ

Allan Baxter/Getty Images

物価指標:91


6位 チューリッヒ(スイス)

6位 スイス、チューリッヒ

Allan Baxter/Getty Images

物価指標:94


同率4位 ロサンゼルス(アメリカ)

同率4位 アメリカ、ロスアンゼルス

halbergman/Getty Images

物価指標:98


同率4位 香港

同率4位 香港

Kanok Sulaiman/Getty Images

物価指標:98


3位 テルアビブ(イスラエル)

3位 イスラエル、テルアビブ

Ilan Shacham/Getty Images

物価指標:99


同率1位 ニューヨーク(アメリカ)

同率1位 アメリカ、ニューヨーク

Alexander Spatari/Getty Images

物価指標:100


同率1位 シンガポール

同率1位 シンガポール

Martin Puddy/Getty Images

物価指標:100

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み