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Z世代が支持するメディアプラットフォームとしてはTikTok(ティックトック)が抜きん出ていることが、ザ・ニュー・コンシューマーとコエフィシェント・キャピタルが実施した最新のオンライン調査から明らかになった。
TikTokのユーザー数はコロナ禍以降、爆発的に増加した。パンデミックの外出制限中、何百万人もの人々がソーシャルメディアに娯楽を求めるようになったからだ。
人気が高まったおかげでTikTokクリエイターが一大ブームとなり、彼らの中にはアフィリエイトマーケティングやブランドとのタイアップなどの収入源から6ケタの年収を稼ぎ出す者も現れている。
メディアバイイングのエージェンシー、グループM(GroupM)は12月に発表したレポートの中で、メタ(Meta)やスナップ(Snap)など他のSNS企業では広告の引き合いが減少するものの、TikTokは「2022年に収益がほぼ倍増する」だろうと予測している。
ビジネス系出版社ザ・ニュー・コンシューマーと投資会社コエフィシェント・キャピタルは、「2023年の消費者動向」と題する調査を共同で実施した。この調査はメディア調査会社トルーナ(Toluna)の協力のもと、アメリカの15歳以上3273人を対象に10月に行われ、結果が11月に発表された。
それによると、調査対象となったZ世代とミレニアル世代のユーザーのほとんどが、テレビよりもTikTokを選ぶと答えている。またTikTokは、その名が広く普及するきっかけとなった音楽やダンスに限らず、広くトレンドを牽引していることも分かった。
Insiderの取材に応じたザ・ニュー・コンシューマーの創業者兼編集長のダン・フロマー(Dan Frommer)は、次のように語る。
「TikTokが特に若い視聴者の間でいかに大きく成長したかは、いくら強調してもしきれません。私の見る限り、上の世代が『絵に描いたように完璧な』Instagram(インスタグラム)に親しんできたのに対して、若い世代にとってはTikTokのフォーマットや色調や美的感覚のほうが自然に感じられるんです」
以降では、TikTokの台頭を示すレポート「2023年の消費者動向」から、特に注目すべき4つのポイントを紹介する。
1. TikTokはZ世代にとって必須のプラットフォーム
もし無人島に取り残され、余暇の楽しみに一つだけソーシャルメディアにアクセスできるとしたら?という仮定では、Z世代の回答者の26%が「それなしに生きていけない」アプリとしてTikTokを挙げた。
また、Z世代の66%が、従来のテレビやストリーミングよりTikTokを選ぶと答えている。
ただし、Z世代は全調査対象者の中の少数派にすぎない。ミレニアル世代以上の回答者は同じ質問に対してFacebook(フェイスブック)を選んでいる。
2. TikTokの主要目的は気晴らしとコミックリリーフ
多くのTikTokクリエイターにとって、TikTokは「本業」だ。彼らはTikTok上でブランド各社にダイレクトメッセージを送ってコラボレーションの機会を求め、クリエイター収益化機能を通して収入を得、同業界の他のプロたちとつながっている。
しかし今回の調査から、TikTokユーザーの多くが“逃避手段”としてTikTokを選んでいることが分かった。回答者の43%が気晴らしを求めてTikTokを使っており、41%がコミックリリーフ(訳注:緊張をほぐすような笑いのこと)を求めていると答えている。
一方、ブランドの動きや学びの面で後れをとらないようにするためという回答は最も少なかった。
The New Consumer and Coefficient Capital「the 2023 Consumer Trends Survey」より抜粋。
3. TikTokは音楽以外の新トレンドも牽引
TikTokは音楽を見つける際に真っ先に使うプラットフォームとして定評があるが、それに限らず、ユーザーはTikTokを通じて料理に新たに興味を持ったり、興味を掘り下げたりもできる。調査対象者の35%がTikTok動画を利用して、例えば2021年にネットで流行ったベイクド・フェタチーズ・パスタなどを作っている。
「ごく初期には音楽やダンスが主流でしたが、今では非常に多岐にわたっています」とフロマーは言う。
The New Consumer and Coefficient Capital「the 2023 Consumer Trends Survey」より抜粋。
4. TikTokは毎日開くソーシャルメディアのトップ3
約3000の回答に加えて、今回の調査ではセンサー・タワー・コンシューマー・インテリジェンス(Sensor Tower Consumer Intelligence)のデータも引用された。この機関は、Androidユーザーによる各アプリの世界的使用量を測る消費者情報のプラットフォームだ。
そのデータによると、アクティブユーザーの41%が毎日Instagramを開け、FacebookとTikTokについては29%であった。