テック系スタートアップでZ世代グロースマーケティングを担当しているダニエル・ファラージ。
courtesy of Farage
- Z世代の多くは、自分の仕事が重要であることを望み、そうした仕事を探している。
- アメリカの医務総監は、職場におけるウェルネスの柱として「仕事で重要視されること」を挙げている。
- ここでは、価値観の確立や人とのつながりなど、Z世代が仕事で意義を見出す方法を紹介する。
ダニエル・ファラージ(Danielle Farage)は、テック系スタートアップでZ世代グロースマーケティングを担当している。彼女が新しい仕事を探していたときに優先したのは、上司や同僚から理解されていると感じられること、自分のメンタルヘルスをサポートしてくれるスケジュールであること、そして仕事にワクワクできることだった。
多くのZ世代と同じように、彼女は意義のある仕事をすることを望んでいた。学生向け求人サイト、ハンドシェイク(Handshake)が18歳から25歳の学生を対象に行った調査(2022年6月にレポートを発表)によると、仕事のモチベーションを最も高める要因として「有意義な仕事」と回答したのは、ノンバイナリー(生物学的な性の枠組みを当てはめようとしないセクリュアリティ)で最も多く、女子では2番目に多かった。
もちろん、意義のある仕事をすることを望むのはZ世代だけではない。アメリカの医務総監が最近発表した報告書では、職場におけるウェルネスに不可欠な5つの柱の1つを「仕事で重要視されること」としている。
カナダのヨーク大学の心理学教授で『The Psychology of Mattering』の著者であるゴードン・フレット(Gordon Flett)は、ウォール・ストリート・ジャーナルに次のように述べている。
「自分が重要な存在であると感じられると、他者と意義のある強いつながりがあって、この人生を1人で歩むのではないという安心感が得られる」
ここでは有意義なキャリアを築きたいと願う若い労働者に向けて、同じZ世代の仲間や専門家が提案する、自分の価値観を確立するところから飛躍するところまで、情熱を持って仕事に取り組むための方法を紹介する。
価値観を確立する
Z世代の多くは、自分がすばらしいと感じるミッションをサポートしてくれる企業で働くことを望んでいる。
そのためには、まず価値観を確立することから始めよう。そうすることで自分の信念に合った企業やポジションを見つけ、仕事の意義を見出すのに役立つだろう。
正式なトレーニングを受けていなくても、気候テクノロジーやDEI(多様性、公平性、包括性)など、あなたが情熱を注ぐ価値観に焦点を当てた職務に就くことは可能だ。ネットワーク、ニュースレター、オンライン学習プラットフォームを利用して、ミッション主導型のコミュニティやキャリア機会について学ぶことができると業界の専門家はInsiderに語っている。
自分なりの仕事を形作る
職務記述書(職務内容を具体的にまとめた文書)がすべてを網羅していることはほとんどないので、自分がワクワクするような仕事を率先して作り上げよう。ハーバード・ビジネス・レビュー(HBR)によると、「ジョブ・シェイピング(自分のスキルに合わせて仕事を形作ること)」をすることで、あなたが関心のある職務を引き受けられるようにすることにつながり、仕事に対する熱意が湧いてくるという。
「組織でのあなたの存在がより有意義に感じられるような新たな貢献」の方法を探してほしいと、トルコのバチェシェヒル大学組織管理学部教授であるハティージェ・ネクラ・ケレシュ(Hatice Necla Keleş)はHBRに語っている。
人事部や上司にあなたのアイディアを提案し、認めてもらえるかどうか確認してみよう。
周囲の人とつながる
ダニエル・ファラージは、同僚や仲間とのつながりが、Z世代の労働者としての彼女のインスピレーションをかき立て、モチベーションを高めるのに役立っていると言う。
courtesy of Farage
有意義な仕事の経験を積むにあたって、親密なつながりの重要性を無視することはできない。ファラージによると、悩んでいるときや、やる気を引き出さなくてはいけないとき、仲間はアカウンタビリティー・パートナー(やると決めたことに向かって前進するのを助けてくれる、信頼できる相手)になってくれるという。
「他の人たちとの接点を持ち、アカウンタビリティを持つことは本当に重要なこと」と彼女は言う。
「創造性が湧き上がるのを感じても、もし1人だとしたら、他の人と一緒に取り組むほどモチベーションは上がらないだろう」
また、同僚に感謝の気持ちを表すことで、仕事や人生におけるネガティブな感情や不安感を打ち消すことができるとHBRは報じている。
不満の原因を見極める
価値観を確立し、人とのつながりを作り、将来の目標を設定したとしても、まだ仕事に不満がある場合は、仕事の各側面を分解して根本的な原因を見極めるべきだとHBRは提案している。
例えば、ストレスや不安を引き起こす原因や、サポートしてくれないと感じる人を特定できれば、次の行動をうまく決められるようになる。それはマインドセットの変化や内面的な変化なのだろう。
「1つの会社の中でも、さまざまなことに意味を見出すことができる」とファラージは述べ、上司や社内のリソースを活用して新たな機会や役割を見つけるべきだと付け加えた。
それでも「あまり充実感を得られず、やっていることが退屈で、仕事に刺激を感じられない」のであれば、思い切って新しいことに挑戦してみることをファラージは提案している。