2022年12月7日、ドイツ警察当局はベルリンで家宅捜索を行った。
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- ドイツ警察当局は12月7日、極右グループの容疑者と支持者に対して家宅捜索を行った。
- 報道によると、25人がドイツ政府に対する暴力的な攻撃を企てたとして逮捕された。
- 検察官は、このグループがアメリカのQアノンの陰謀論に影響されていたと述べている。
検察当局が政府転覆を企てたと告発したドイツの極右テロ集団のメンバーや支持者が、根拠のないアメリカのQアノン(QAnon)陰謀論に影響されていたことが明らかになった。
CNNがドイツ連邦検察庁の声明を引用して報じたところによると、ドイツ警察当局は2022年12月7日に全国で一斉捜査を行い、2021年11月以前に設立された右翼過激派グループ、ライヒスビュルガー(帝国の市民)運動に関係する25人を逮捕した。
CNNによると、連邦検察庁は声明で「グループのメンバーは、ライヒスビュルガーやQアノンのイデオロギーのストーリーからなる陰謀神話に従っている」と述べている。
さらに「被告人たちは、ドイツ連邦共和国の国家機関と自由民主的な基本秩序に対する深い拒絶反応によって結束しており、その結果、時間をかけて、その暴力的排除に参加し、そのための具体的な準備行為に従事することを決意した」と述べている。
ワシントン・ポストによると、マルコ・ブッシュマン(Marco Buschmann)法相は「憲法上の組織に対する武力攻撃が計画された疑いがある」とツイートした。
そのほかにも、このグループの支持者の可能性があるとして、別の27人が家宅捜索の対象となったが、彼らは逮捕されなかったという。
アメリカのQアノンの陰謀論は何年も前からドイツに根付いており、この思想のヨーロッパの信奉者のほとんどがドイツに住んでいる。
COVID-19のパンデミックの最初の年、ドイツではロックダウンに反対するデモ隊がこのグループのシンボルである「Q」の旗を振っていた。一方、欧米の政府関係者は、ドイツがQアノン運動の宿主になることを懸念しているという。
フランス24によると、ドイツは近年、Qアノンだけでなく、兵士による著名政治家やユダヤ人人権活動家の襲撃計画など、極右過激派の台頭に苦慮している。
極右政党 「ドイツのための選択肢 (AfD) 」 の影響力が増していることもその一例で、同党にはナチスやネオナチのシンパがいると批判されている。
ドイツの情報機関は2021年、AfDが過激派と関係しているとして監視下に置いた。