「神ジューデン」対応端末第1弾としてXiaomi 12T Proがソフトバンクから販売開始。ゲストにはテレビCMにも登場する俳優の吉沢亮さんと杉咲花さん。
撮影:小山安博
ソフトバンクとXiaomi(シャオミ)は12月8日、新型スマートフォン「Xiaomi 12T Pro」の国内発売を発表した。
Xiaomi 12T Proは、グローバルではすでに発表されていたが、おサイフケータイ(FeliCa)など日本仕様に対応した上で、国内でも販売される。
携帯キャリア4社の中ではソフトバンク独占という形だが、IIJや各種ECサイトでの取り扱いも予定されている。
ソフトバンク版(8GBメモリー/256GBストレージ)の価格は14万3280円(税込)。IIJ(8GBメモリー/128GBストレージ)での販売価格は9万8820円(税込)。いずれも12月16日発売予定。
「19分で100%」の急速充電性能
Xiaomi 12T Pro。カラーはブラックとブルーの2色。
撮影:小山安博
Xiaomi 12T Proの最大の特徴となっているのが充電性能だ。
各社とも省電力性能や高速充電の開発を強化しているが、Xiaomi 12T Proはバッテリー残量2%から100%までわずか19分で充電できる120Wの充電性能を備える。
ソフトバンクはこれを「神ジューデン」としてブランド化。12T Proを「神ジューデン」の第1弾製品として位置づけた。
画面は6.7インチAMOLED DotDisplayを採用。本体サイズは163(H)×76(W)×8.8(D)mm、205g。
撮影:小山安博
ディスプレイは側面のカーブがなくフラットな形状。
撮影:小山安博
背面には大型のメインカメラと超広角カメラ、マクロカメラを装備。FeliCaも内蔵しておサイフケータイに対応する。
撮影:小山安博
19分で充電できる急速充電を「神ジューデン」と名付けている。
撮影:小山安博
ソフトバンクでは、2023年には第2弾製品を発売するなど、今後も「神ジューデン」の製品ラインナップを拡充していく意向。
シャオミに限らず、複数のデバイスメーカーの製品を想定し、まずは「20分以内に100%」という基準で神ジューデン製品を拡充していくという。
ただし、現時点で次のメーカーは決まっていない。
今後も神ジューデン対応製品を投入していく。ハイエンドだけでなくミドルからロークラスでも製品を検討していく。
撮影:小山安博
12T Proでは、120Wの充電器を同梱して購入者であれば神ジューデンを体感できる。
充電器やバッテリーなどには42の安全機能を盛り込み、120Wという高電力ながら、長年の研究と改良によって高い安全性を実現しているとする。
120Wの充電器を同梱。24カ月無料のバッテリー交換サービスは自信の表れだという。
撮影:小山安博
こうした説明をしたシャオミジャパン代表取締役のスティーブン・ワン氏は、「バッテリー性能に自信がある」として、24カ月の無料バッテリー交換サービスを提供することも紹介。
劣化を抑えて2年間、バッテリー性能が維持できると胸を張る。
2億画素カメラと最新の最上位チップセットを搭載
こうした充電性能以外にも、12T Proはソフトバンクのシャオミ製品としては初のハイエンド端末として、充実した性能を備えている。
特にシャオミがアピールするのは、カメラと性能だ。
カメラは国内初の2億画素センサーを搭載。センサーサイズは1/1.22型と大型な部類に入る。
複数の画素を1画素として使うことでピクセルピッチ(画素の大きさ)を大型化する「ピクセルビニング」では、4×4=16画素を1画素として扱うことで、1250万画素・ピクセルピッチ2.56μmで撮影ができる。
2種類のピクセルビニングによって幅広いシーンをカバーする。
撮影:小山安博
その結果、2億画素ながらダイナミックレンジ(暗部から明部までの色表現)の広い画像が得られる。
フルの2億画素で撮影する場合は、日中の屋外で光の状況がいい場合に有効で、特に一部を拡大しても精細な描写ができる点をアピールする。
夜景の作例。
撮影:小山安博(発表会のスライドを撮影)
2億画素で撮影した風景写真。
撮影:小山安博(発表会のスライドを撮影)
一部を拡大しても細かな部分まで描写できているとしている。
撮影:小山安博(発表会のスライドを撮影)
街中の作例。拡大した部分が潰れずに描写されている。
撮影:小山安博
特に複数の人物を撮影する場合に便利な「ProCut」機能も搭載。
2億画素で撮影すると、AIが構図と人物を認識し、複数のアスペクト比の写真とそれぞれの人物を切り出した画像を生成してくれる。
これによって、構図に悩まず、しかもそれぞれの人物を主役にした写真が撮影できる。
その他のカメラ機能。自動的にアスペクト比や人物を認識して切り抜いてくれるProCutや動体撮影に便利なProFocusなどを搭載。
撮影:小山安博
動体撮影時に便利な高速なAF機能「ProFocus」、夜景撮影にも対応した8Kビデオ、8枚構成のレンズによるシャープな描写など、カメラ機能を重視した製品となっている。
2億画素のメインカメラに加え、800万画素の超広角カメラ、200万画素のマクロカメラも搭載している。
全般的な性能については、現時点で最新チップセットであるクアルコム製「Snapdragon 8+ Gen 1」を搭載する。
Snapdragon 8+ Gen 1では、同8 Gen 1に対し消費電力が削減されている。
撮影:小山安博
Snapdragon 8+ Gen 1は、4nmプロセスによる最新のチップセットによって高い性能と省電力性能を特徴としている。前モデル比でCPU性能は16.7%、GPU性能は11%向上したにもかかわらず、電力効率はそれぞれ33%、30%と改善したという。
「スマートフォンは画一的なものが増えている」
シャオミのスティーブン・ワン氏(左)とソフトバンクの菅野圭吾氏(右)。
撮影:小山安博
カメラ機能、最新のチップセット、ハイパーチャージ(高速充電)の3つが「12T Proのイノベーション」だとスティーブン・ワン氏はアピールする。
販売元であるソフトバンクの常務執行役員・菅野圭吾氏は「スマートフォンは画一的なものが増えているので、何かしら訴求できるもの、課題を解決できるもの、何かしらの特徴ある端末が出せないか」と話す。
そこでシャオミ側と話し合い、ユーザーニーズが高かった充電にフォーカスして12T Proを採用した。
ソフトバンクはこれまでも、カメラにフォーカスしてドイツのカメラメーカー・ライカと協業したLeitz Phoneシリーズを独占販売するなど、個性的な端末を取りそろえることに力を入れている。
菅野氏は「独占販売ではたまに失敗もある」と正直に吐露しつつ、今後も「できるだけ幅広い層を狙っていきたい」とした。