わずか1分×3回の運動でも効果あり…日常生活の中で心拍数を上げると寿命が伸びる

階段を上る女性

短時間でも階段を上ると、長時間の運動と同様のメリットが得られる可能性があることが最新の研究でわかった。

Westend61/Getty Images

  • 1日数分間でも心拍数を上げることは、病気や早期の死亡を回避することに役立つ可能性がある。
  • 階段の上り下りのような短時間の活動は、ジムでの運動と似た効果につながることが最新の研究で示唆された。
  • 定期的な運動はがんや心臓病による死亡リスクを減らすので、一分一秒を大切にしよう。

ジムに行く時間がなくても、わずか1日数分の運動でも同じ効果が得られるかもしれないことが、最新の研究で示唆された。

ネイチャーメディシン(Nature Medicine)に12月8日に発表された研究によると、パワーウォーキング(早足の歩行)、自宅の掃除、子どもやペットと遊ぶといった日常的な短時間の活発な運動は、がんや心臓病の死亡リスクを大幅に減らす可能性がある。

シドニー大学の研究者は、生活習慣とその影響について調べるため、「運動しない」と自己申告したイギリスの2万5241人を7年間追跡調査した。

その結果、一部の被験者はジムに行かなくても、バスに乗り遅れないように走ったり、階段を使ったり、エネルギー消費の高い家事をしたりと、激しい活動を毎日行っていることがわかった。

わずか1、2分の運動にもかかわらず、もっと体系的な運動と似たような健康効果につながるという。一般的に推奨されているのは、週に150分から300分の中程度の運動か、75分から150分の激しい運動だ。

だが、1日4分から6分の激しい運動(3回に分けて行う)は、心臓病の死亡リスクを最大49%、その他の病気による死亡リスクを最大40%も下げるという。

研究者はより多くの活動を行うことがより好ましいとコメントしている。短時間の激しい運動を1日11回行うと、何も行わなかった人と比べて、循環器疾患の死亡リスクを65%、がんの死亡リスクを49%下げるという。

この研究では、短時間の爆発的な活動が直接的に健康効果をもたらすことを示しているわけではなく、関連性示しているということに留意する必要がある。研究者によると、さらなる研究が必要だが、今回の研究結果は、たとえジムに通うことができなくても、日常生活の中でより多くの運動をすることが、健康増進に役立つ戦略である可能性を示唆しているという。

「1日合計で3分から4分のごく短時間の運動を行えば、長生きできる可能性があり、1分程度心拍数を上げるために行える日々の活動は数多くある」と、この研究の筆頭著者で、シドニー大学で身体活動や生活、公衆衛生の教授を務めるエマニュエル・スタマタキス(Emmanuel Stamatakis)は述べている。

運動は健康になるための最良の方法の一つで、わずかな時間も重要

広範囲におよぶこれまでの研究で、運動によって、メンタルヘルスの向上、病気リスクの低減、加齢に伴う身体機能や認知機能低下の抑制などの健康効果を得られることがわかっている。有酸素運動とウエイトトレーニングのどちらも、健康をより高めるという。

特にジム以外での短時間の運動についての研究は、ワークアウトに時間やお金をかけられない人にもフィットネスの恩恵をもたらすことに役立つだろうと研究者は述べている。

「日常の活動の強度を上げるには、時間も、準備も、ジムの会員になることも、特別なスキルも必要ない。ウォーキングや家事を行っているとき、ペースを上げたり、わずかに多くのエネルギーを使ったりするだけでいい」とスタマタキスは言う。

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