スタンド付きの「32SQ730S-W」。
撮影:小林優多郎
LGエレクトロニクスは12月9日、PCモニターとして使える「チューナーレス」テレビ「LG Smart Monitor」シリーズを日本で発表した。
同シリーズは11月にグローバルで発表。日本では、12月22日から2023年1月22日まで、応援購入サイトのMakuakeで先行販売される。
価格は購入するタイミングによって異なるが、最初の50名分は定価の約20%引きとなり、「32SQ730S-W(スタンド付き)」が5万9500円、「32SQ780S-W(モニターアーム付き)」が6万8000円(それぞれ税込)となる。液晶の解像度はいずれも解像度は4K(3840×2160ドット)だ。
LGとしても新ジャンル「スマートモニター」がどのような製品か、実機ファーストインプレッションをお届けする。
「“チューナーレス”でも機能はスマートテレビ」のメリット
起動できるサービスやアプリの並ぶホーム画面。
撮影:小林優多郎
スマートモニターはテレビとPCモニターの間と呼べる特徴を持つ製品だ。
その中枢をになっているのが、搭載されている「webOS 22」だ。webOS 22はLG製スマートテレビに搭載されているOSだが、液晶モニターに搭載されるのは本機種が初めて。
webOS搭載によりスマートテレビのような機能が利用できる。具体的には「YouTube」「Netflix」「Disney+」「Amazon Prime Video」「AppleTV」「U-NEXT」「Hulu」などを視聴できる。
AirPlay2に対応するのでiPhoneやiPad、Macからの画面転送に対応する。
撮影:小林優多郎
また、「Apple AirPlay2」「Miracast」の映像転送機能や、GoogleアシスタントやAmazon Alexa、Apple HomeKit経由での遠隔操作が可能(Googleのキャスト機能は非対応)。
それでいて、本機はチューナー機能を搭載していない。つまり、地上波などのテレビ番組にはあえて非対応としている。
モニターアームつきモデルの場合、縦表示にも対応する(接続しているOS側で表示向きは切り替える必要がある)。
撮影:小林優多郎
ディスプレイはテレビよりは小柄でディスプレイとしてはやや大きめの31.5インチ、前出のとおり解像度は4K(3840×2160ドット)。表面は反射を抑えたノングレア(アンチグレア)仕様になっている。
背面のインターフェース。HDMI1はARC/eARCにも対応する。
撮影:小林優多郎
右側面にはUSB Type-A端子が2基ある。
撮影:小林優多郎
インターフェースとしては背面に、HDMI入力2基、USB Type-C、有線LAN、USB Type-A。右側面にUSB Type-A 2基を搭載している。
対応するType-Cケーブルが1本あれば、PCの機能を一気に拡張できるのは便利だ。
撮影:小林優多郎
USB Type-C 1本で最大65WのPD充電から画面出力、USBハブ機能が使える点などは、まさに便利なPC向けディスプレイといった装備になっている。
画質は申し分なし、ただし日本向けサービスに一部非対応
モニターアーム付きの「32SQ780S-W」。モニターアームも本体に合わせて真っ白。
撮影:小林優多郎
使ってみるとディスプレイメーカーらしく画面の鮮明さは非常によい。PCとつないで使っても、またwebOSの機能でモニター単体でネットフリックスなどを視聴しても快適だ。
テレビを見ない人であれば、部屋に置く1人用の仕事用PCディスプレイ兼インターネットテレビ視聴の用途にピッタリだ。
実際、本機のメインターゲットについてLGの担当者は「25〜30代後半」「一人暮らし」をターゲットにしているという。
「若者のテレビ離れ」が取り沙汰される一方で、スマートフォンやタブレットなどでの動画視聴は日常の風景となっている。そんな現代のトレンドに最適な製品と言えるだろう。
主な対応サービス。
撮影:小林優多郎
あえて、不足している点を指摘するなら、日本に馴染みのあるビデオサービスの一部に非対応であると言う点だ。
Amazon Prime VideoやApple TV、YouTubeなどといったグローバルサービスは使えるが、AbemaやTVerといった一部の日本独自のサービスには対応していない。
TBS系の「Paravi(パラビ)」や「U-NEXT」など対応する国内サービスもあるのだが、この辺りはwebOSを開発するLG自身がサービスを提供する一社一社に声をかける必要があり、国内メーカーやGoogle TV(Android TV)を搭載するテレビなどと比べるとおくれをとっていると言える。
LGとしては、今回のMakuakeでの販売をテストマーケティングとし、日本でスマートモニターがどのように受けいられるか見定めたい方針。
LG担当者によるとグローバル的には「今後も(同じコンセプトの商品は)増える」意向とのことで、日本での売れ行きや反応などが良ければ、対応アプリ等を含めた日本への注力具合も変わってくる可能性はある。