撮影:高橋真紀
ドイツやオーストラリアなど海外の環境先進国では、「バルクショップ」と呼ばれる量り売りのお店が増えている。これらの店は、フードロスや脱プラなどの観点から注目を集めているようだ。
日本でも少しずつ見かけるようになったバルクショップだが、なんと「醤油」を量り売りできるお店が東京にあるらしい。
酵母菌が生きている搾りたての醤油
ヤマロク醤油の生揚げ醤油「搾ったまんまの鶴醤」50ml・327円(税込)
撮影:高橋真紀
銀座のデパート・松屋銀座にある醤油専門店「職人醤油」では、かつての日本のように量り売りで醤油を購入することが出来る。その理由はエコなだけではないようだ。
量り売りで用意されているのは「生揚げ醤油」と言って、スーパーで見かけるようなお馴染みのものとは一味違うものらしい。
一般的に流通している醤油は長期保存のために熱処理・保存料が加えられているが、生揚げ醤油はその名の通り、醤油もろみから搾ったままだ。酵母菌や乳酸菌も生きている。
卵かけご飯で実食
醤油の色は濃く、香りも強い。
撮影:高橋真紀
店員さんによると、強い香りや味わいを活かすために、食べ物にそのままかけたり、つけたりするのがオススメらしい。
ということで、卵かけご飯にかけていただいてみた。
卵の上に垂らすと、少しとろみがある。ひと口含むと、硬めのお煎餅に塗られているような濃い醤油の香りと味わいが広がった。だが、味は意外とまろやかだ。
あたたかい汁物に少しを垂らすのも香りが立って合うらしい。鍋が美味しい冬本番、水炊きの味変にもよさそうだ。
保存期間は短いけど......
撮影:高橋真紀
保存期間は1カ月が目安。火入れをしていない微生物が生きている醤油なので、そのままにしておくと発酵が進み白カビが発生することもあるらしい。
だが、冷蔵庫に入れておけば問題ないそうだ。
新鮮な醤油を必要な分だけ買える
左から、50ml、100ml、180ml、300ml。この瓶以外にも持参した容器にリフィルしてくれる。
撮影:高橋真紀
何より量り売りは、欲しい物を欲しい分だけ買えるのが嬉しい。
職人醤油が取り扱う生揚げ醤油は、濃口が2種類と再仕込が1種類の合計3種類。50mlサイズであれば、いずれも価格は300円ほどだ(うち150円は瓶代)。
密閉式であれば、持参した容器にリフィルしてくれるし、なければ瓶を一緒に購入することも可能だ。2回目以降からは、瓶を持参すれば1mlからから好きな量だけリフィルしてもらえる。
推し蔵元を探す楽しさも
職人醤油公式サイトよりキャプチャ
また、店舗には生揚げ醤油以外にも日本全国から集められた90種類以上の醤油が並んでいた。全て代表の高橋万太郎さんが各地の醤油蔵に訪れ、自らセレクトしているらしい。
公式サイトには、高橋さんの以下のような言葉も書いてあった。
「もし、気に入った醤油が見つかって、『我が家の定番用に大きなサイズがほしい』という場合は、ぜひ蔵元に直接連絡をしてみてください」
もし、今の醤油がなくなったら、リフィルついでに、90種類の中から選んでみたい。推しの蔵元とか、見つかったら渋い!
[職人醤油]