値上げラッシュの日本で、ディスカウントストアが売上を伸ばしている。
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ドンキ・ホーテなど国内ディスカウントストアの売上高の合計が、初めて4兆円規模に達する見込みになることが帝国データバンクの調べでわかった。日用品、衣料品、電気代……あらゆる物の値段が上がる「値上げラッシュ」の日本で、消費者から熱い視線を注がれている。
コロナ需要から「物価高」需要へ
ディスカウント店市場の推移。今年10月には6700品目に上る食品や日用品の値上げがピークを迎えた。
出典:帝国データバンク
帝国データバンクによると、「ドン・キホーテ」やイオン傘下の「Big-A」、そして「業務スーパー」などの国内ディスカウントショップ大手10社の店舗数は2022年3月時点で2900店超。
その市場規模が2022年度、初めて4兆円に達する見込みとなった。
背景にあるのは、消費者の「低価格志向」だ。
2021年度はコロナ禍の巣ごもり需要が落ち着いたこともありディスカウント店の成長率は伸び悩んでいたが(2021年度の市場規模は3兆7930億円)、2022年夏以降の値上げラッシュで再びニーズが高まったという。
「プライベートブランド」が人気を底上げ
ドン・キホーテはPB商品への「ダメ出し」を募集し、改良を続けている。
出典:ドン・キホーテ(パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)HP
メーカーの商品を通常より安値で売ることで人気のディスカウントストアだが、昨今はさらに安い自社のプライベートブランドも展開しており、こうしたことも業績を押し上げた。
帝国データバンクが調査した2023年に値上げを予定している食品は4000品目を超えている(2022年11月末時点)。飲料やティッシュ、トイレットペーパーなどの生活用品が2月にかけて再び一斉値上げ予定ともなっており、ディスカウントストアの需要はまだまだ続きそうだ。