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ユーグレナ、マレーシアにバイオ燃料商業プラント建設検討を発表…「売上高1000億円」計画に一歩

商業プラント建設候補地に隣接する、Pengerang Integrated Complexの様子。

商業プラント建設候補地に隣接する、Pengerang Integrated Complexの様子。

画像:ペトロナス

ユーグレナが、マレーシア・エネルギー大手Petroliam Nasional Berhad(以下、ペトロナス)、ヨーロッパを拠点とした次世代バイオディーゼル燃料製造メーカーとして知られているイタリアのエネルギー大手Eni(エニ)と組み、マレーシアでバイオ燃料製造プラントを建設・運営する計画を共同で検討していることを12月14日、発表した。

エニは売上高10兆円。ペトロナスも同6.8兆円と、それぞれヨーロッパとアジアを代表するエネルギー企業だ。いずれも2050年までにカーボンニュートラルを実現すると宣言している。

「当社のバイオ燃料原料としての微細藻類大規模培養のポテンシャル、日本における実証プラント建設・運転実績、将来的に拡大できる日本のバイオ燃料市場、等を評価いただいたと考えています」(ユーグレナ・広報)

ユーグレナの広報は、ペトロナス、エニら大手と協業を検討することになった背景をこう語る。

2025年に完成。事業規模は10億ドル。JV設立でシェア30%

ユーグレナが製造したSAF。

ユーグレナが製造したSAF。

撮影:三ツ村崇志

ユーグレナはかねてより、2025年にバイオ燃料の商業プラントを完成させるべく準備を進めていた。ただ、建設予定地や協議しているパートナー企業を明らかにしたのは今回が初めてだ。

現在の計画でプラントの建設地となっているのはシンガポールが目と鼻の先にあるマレーシア・マレー半島最南部のジョホール州。ペトロナスはここに東南アジア最大級の製油所・石油化学コンプレックス(いわゆる石油コンビナート)「Pengerang Integrated Complex」(以下「PIC」)を保有しており、その施設に隣接した場所に建設する計画だ。

ユーグレナは、Business Insider Japanの取材に対して、

「建設候補地は国内外でさまざまな先を検討していました。ペトロナスの石油精製&石油化学コンプレックス内に建設することで土地やユーティリティなどが活用できる点、および、マレー半島南端で主要な国際航路やアジアのハブ空港にアクセスしやすく、バイオ燃料の原料調達・製品販売の両面で拡大が見込まれるアジア市場に近いという戦略的な立地をメリットと感じています」

と、立地の利点を語る。

今回建設を検討している商業プラントでは、SAFと次世代バイオディーゼルを製造。

製造規模は、1日あたり最大で1万2500バレルで、年間に換算すると約72.5万キロリットルになる見込みだ。SAFと次世代バイオディーゼルの製造量のバランスは柔軟に調整することになる。

事業規模は約10億ドルを見込む。このうちユーグレナは30%のシェア獲得を目標として、現在3社で技術的・経済的な実現可能性評価を実施している。

順調に進めば、2025年の完成に向けて、2023年中に最終的な投資決定が行われることになる。

ユーグレナはすでに商業プラントの基本設計を進めており。3社間による投資決定後、本格設計・建設がスタートすることになるという。

なお、ユーグレナによると運営などはJV(ジョイント・ベンチャー)を設立して進めていくことになる見込みだ。

売上高1000億企業へ現実味

ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント。2018年秋に横浜市鶴見区に建設された。

ユーグレナのバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラント。2018年秋に横浜市鶴見区に建設された。

画像:ユーグレナ

ユーグレナは2018年、横浜市鶴見区にバイオジェット・ディーゼル燃料製造実証プラントを竣工すると、2020年春からはバスやタンクローリーなどにバイオディーゼル燃料の供給をスタート。2021年にはバイオジェット燃料を完成させて、初めて航空機でのフライトも実現するなど、着実にバイオ燃料の供給を進めてきた。

ただ、現在ユーグレナが保有するプラントは、そもそも「実証」が目的であることから生産規模が年間で125キロリットルと小さく、販売できる量にも限りがあった。プラントの規模が小さいと、廃食油やミドリムシなどをバイオ燃料として加工するコストも高くなってしまうため、バイオ燃料事業を事業として成長させていくには、大規模に製造できる商業プラントの建設が不可欠だった。

ユーグレナの出雲充社長は、2022年2月に実施された2021年12月期通期決算説明会で「2026年には、(売上高)1000億円を目指していく」語っていた

これは、バイオ燃料の商業プラントの完成後、本格稼働する2026年には自社の持ち分で年間で25万キロリットル・500億円相当の売り上げを想定していたためだ。

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