残された時間はわずか… がんと闘う婚約者のために、男性は家族や病院と協力して12時間で結婚式を実現させた

ノリーナ・ナバロさんとレイ・ナバロさん

ノリーナ・ナバロさんとレイ・ナバロさん。

Courtesy of Memorial Hermann

  • ノリーナ・ナバロさんとレイ・ナバロさんは5年前から付き合っていた。
  • 2人は結婚するつもりだったが、ノリーナさんががん闘病中だったこともあり、計画を遅らせていた。
  • 医師から残された時間は限られていると告げられたレイさんは、結婚式を企画した。

ぼくたちは今日、結婚する —— 11月29日の朝、レイ・ナバロさんはこの言葉が何度も聞こえた気がして目が覚めた。入院しているパートナーのノリーナさんのベッドに近付き、キスをすると、「ぼくたちは今日、結婚する」と言い残して病室を出て行った。

「わたしは『え? 今?』と言ったんです」とノリーナさんはInsiderに語った。

「そうしたら彼は『また戻ってくるよ』と」

12時間後、病院スタッフが押す車いすに乗って病院のチャペルに現れたノリーナさんを見て、レイさんは驚いた。髪をアップにして、華やかな白いドレスを着たノリーナさんは、まさに美しい花嫁だった。

「ぼくたちの愛は永遠だと、彼女に誓いたかったんです」とレイさんは語った。

「結婚するなら急いだ方がいい」

ふたりは前日、ノリーナさんの主治医らと面談していた。良い知らせではなかった。ノリーナさんは数字にあまり気を取られたくなかった —— がんと「とことん」戦い続けたかった。しかし、主治医らのメッセージははっきりしていた。結婚するなら急いだ方がいい、と。

ふたりは結婚式の準備を進めていた。ドレスも指輪も、結婚証明書ももう用意してあった。ただ、ノリーナさんは教会で式を挙げたいと望んでいたし、レイさんも彼女の希望を叶えたかった。そこは残念だったと、レイさんは話している。

主治医らとの面談の後、レイさんは自分が行動しなければならないと思った。この日、レイさんはノリーナさんの病院のベッドでうとうとしながら夜を過ごした。

「ぼくは彼女の交際相手や婚約者以上の存在にならなくちゃいけないと思いました」

周囲の協力で、幸せな1日に

朝、病院を出たレイさんは電話をかけ始めた。州内に住む家族らに電話をすると、彼らはノリーナさんが治療を受けているテキサス州ヒューストンにあるメモリアル・ハーマン病院まで、車で何時間もかけて集まり始めた。

病院では集中治療室(ICU)のチームがノリーナさんの病室をすでに飾り付けていた。看護師からチャペルで式を挙げたいと相談を受け、スタッフはドアを通れるベッドがないか院内を探し回った。主治医や牧師たちがノリーナさんに結婚に同意する認知能力があることを確認すると、ノリーナさんはワクワクしていると彼らに話した。

看護師たちはノリーナさんがドレスを着るのを手伝い、お祝いのためにカップケーキも用意した。友人の友人が花を準備し、レイさんの兄弟も勤め先の郵便局が協力しておくれたおかげで、急遽休みを取ることができた。ノリーナさんの髪やメイクも友人が来てやってくれた(本人の強い希望で最後の仕上げはノリーナさんがやった)。

「素晴らしかったです。皆さんの愛に包まれて、本当に幸せな1日になりました」とノリーナさんは語った。

死が二人を分かつまで

午後6時半頃 —— レイさんがノリーナさんに結婚式を挙げようと伝えてから12時間が経っていた —— 、ふたりは病院のチャペルで家族や友人、病院関係者ら30人ほどに囲まれながら誓いを交わした。伝統的な結婚の誓いの中で、「死が二人を分かつまで」レイさんを愛し、慈しむと約束したノリーナさんの声は震えていたという。

「わたしたちの誓いにはものすごく大きな意味があったんです」とノリーナさんは語った。

「彼に誓いを立てられたこと、そして彼がどれほど真剣にわたしに誓いを立ててくれたか知れたこと… それがこの日一番素晴らしいことでした。厳粛な誓いはわたしにとって本当に大切なことでした」

結婚式を終えたノリーナさんはものすごく疲れていたものの、なんとか大切な人たちとカップケーキをシェアすることはできたという。

「披露宴とまではいきませんが、わたしたちにできる範囲でそれに近いものができました」

「夫」と「妻」に

結婚式の後まもなく、病院スタッフはノリーナさんをホスピスケアに移した。ノリーナさんは1日1日が奇跡だと考えている。困難な時ではあるものの、夫婦になれたことがレイさんとノリーナさんに安らぎを与えている。

「彼女と結婚できて、本当に幸せです」とレイさんは話している。

「わたしたちは手をつないで一緒に寝ます。お互いを『夫』『妻』と呼んでいます。まだ慣れませんが、ずっと待ち望んでいたことです」

ノリーナさんは、がん治療が大変な中でも結婚式が励みになったと話している。

「(結婚式と同じくらい)貴重なことが起こるというのがとても大切なんです」

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