EVを安く作ろうとするとテスラの戦略を追随することになる…大手各社は垂直統合へ

自動車メーカーは、バッテリーの調達に関してテスラの戦略を追いかける必要があるかもしれない。写真は「ハマーEV」にバッテリーを搭載しているところ。

自動車メーカーは、バッテリーの調達に関してテスラの戦略を追いかける必要があるかもしれない。写真は「ハマーEV」にバッテリーを搭載しているところ。

Mandel Ngan/Getty Images

  • 自動車メーカーはEVのバッテリー供給をこれまで以上に必要としているが、そのコストは大きく増えている。
  • 価格と地元産の材料を使うという圧力から、自動車メーカーは自社製バッテリーに投資している。
  • この動きはテスラが何年にもわたって行ってきたことと同じだ。

電気自動車(EV)のバッテリーのコストが上昇しているため、自動車メーカー各社は今後数年で電気自動車を大衆向けにより手頃な価格で提供できるように、あらゆる手を尽くしている。

それを実現するためには、サプライチェーンについて1世紀以上にわたって学んできた多くのことを忘れ、テスラ(Tesla)の戦略を追いかける必要があるかもしれない。

自動車メーカー各社は、従来のリチウムイオン電池のような需要の高い材料への依存を減らすために、さまざまな種類のバッテリーを開発することで今日の電気自動車の問題を回避しようとしている。またバッテリーのリサイクルにも力を入れておりリチウムニッケル、コバルトなどをサプライチェーン戻す取り組みも行っている。

これらの解決策には、少なくとも短期的には、時期や費用の面で課題が伴う。つまり、各自動車メーカーは代替手段を探していて、アメリカ国内でのバッテリー供給を確保するために競争をしているということなのだ。

これは、バッテリーの材料の調達や生産などに投資し、業界がパンデミックによって被った世界的なサプライチェーンの混乱を減らすことを意味している。

「ほぼすべての大手企業は、まさにそのような理由で投資を行っている。垂直統合を進め、サプライチェーンをよりコントロールできるようにするためだ」と、インフォア(Infor)の自動車産業主席アナリストであるピーター・マイテル(Peter Maithel)は述べている。

フォルクスワーゲンは、グループ独自のバッテリーセルの大規模生産を計画しており、ドイツのザルツギッターに工場を建設している。

フォルクスワーゲンは、グループ独自のバッテリーセルの大規模生産を計画しており、ドイツのザルツギッターに工場を建設している。

Julian Stratenschulte/picture alliance via Getty Images

各自動車メーカーが急いで進めていることとは?

これまで自動車メーカーは、自動車を作る各部品を多くのサプライヤーに依存しながらサプライチェーンを世界中に拡大してきた。重要なパーツのいくつかはアメリカ製かもしれないが、その他の部品はヨーロッパやアジアから調達していたかもしれない。

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