ユタ州のグレートソルト湖に浮かぶボート(2021年8月2日、アメリカ)。
Justin Sullivan/Getty Images
- アメリカのユタ州にあるグレートソルト湖では水位が大幅に低下したことで、沈没船が姿を現した。
- 「W.E.マーシュ4号」は1936年に不可解な状況で沈没した。
- グレート・ソルト・レイク州立公園の責任者デイブ・シアラー(Dave Shearer)氏は「歴史の一部を目にすることができて、ワクワクしています」と話している。
ユタ州にあるグレートソルト湖の水位が大幅に低下したことで、120年前に建造された沈没船が姿を現したとグレート・ソルト・レイク州立公園が発表した。
ABC4によると、水位が低下したことで湖の大きさはもとの大きさの約半分にまで縮んでいて、沈没船「W.E.マーシュ4号」が損傷のない完全な状態で姿を見せたという。
ユタ州自然資源局によると、この船はもともとサザン・パシフィック鉄道の船隊に属していて、全長102マイル(約164キロメートル)のルーシン短絡線を建設する労働者を運んでいたという。
この船はさまざまな役目を果たすために湖を行き来していたと、グレート・ソルト・レイク州立公園の責任者デイブ・シアラー氏はABC4に話している。
「この船は1902年にトレッスルを建設するために最初にここへやって来た船の1つで、人を乗せて作業現場との間を往復していました。はしけを運んだり、押したりするのにも使われていました」とシアラー氏は語っている。
1936年には、全長40フィート(約12メートル)のこの船は「子どもたちに船の技術を教えたり、地域のボートレースやその他のプログラムのために」シースカウトに寄贈されたものの、その後、不可解な状況で沈没したと同氏はABC4に話した。
「グレートソルト湖ではさまざまな残骸が姿を見せ始めています。出かけて行って、そうした残骸を見るのは本当に興味深いです」とシアラー氏は地元メディアKTVXに語った。
同氏は「ここには豊かな歴史があります」と話していて、州立公園では人々に現地を見に来るよう勧めている。
「実際に来て見ることのできる歴史の一部を目にすることができてワクワクしていますが、湖の水位がこれほど低下してしまったのは悲しいです」とシアラー氏はABC4に語った。
「問題が起きています。複数の問題が」と同氏は警鐘を鳴らしている。
西半球最大の塩水湖であるグレートソルト湖は、大規模な干ばつのせいで干上がりつつあるとPBSは報じている。干ばつの影響は、気候変動による降水量の減少や人々の水の使い過ぎによって悪化している。
グレートソルト湖の現状について、ユタ州選出のミット・ロムニー上院議員は「グレートソルト湖の縮小はユタ州やその隣接州に大きな脅威を与えている」と話した。
「湖を救うにはユタ州や西部での水の使用料を大幅に減らす必要がある」という。
また、湖の「有害な」粉塵はユタ州だけでなく、アメリカ各地の人々の健康に害を及ぼす可能性があるとロムニー上院議員は警鐘を鳴らしている。