2022年12月19日、ベラルーシ・ミンスクの独立宮殿で記者会見に臨むロシアのウラジーミル・プーチン大統領。。
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- プーチン大統領は、ロシアがウクライナで「極めて困難な」状況に直面していると述べた。
- ウクライナでの戦争が計画通りに進んでいないことを認めるのは珍しいことだ。
- 一方、ゼレンスキー大統領は、ロシアが何カ月も攻略しようとして失敗している都市にいるウクライナ軍を訪問した。
ロシアのウラジミール・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2022年12月20日、ウクライナ占領地の状況は「極めて困難」であり、戦争がロシア軍にとって計画通りに進んでいないことを珍しく認めた。
ロイター通信によると、プーチンはビデオ演説で「ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国、ケルソン地方とザポリージャ地方の状況は極めて困難だ」 と述べた。プーチンは、9月に不法に併合したウクライナの4つの地域に言及したが、当時もロシアはこれらの地域を完全に占領していたわけではない。ロシア軍はその後、これらの地域で地勢を失い、11月には、ロシアが2月末に侵攻を開始してから最初に占領した主要都市であるヘルソン(ケルソン)から撤退した。
プーチンは、この戦争がどのように進んでいるかについて概して楽観的で、紛争の初期には、ロシア軍への批判を事実上犯罪とする法律に署名した。自国の軍に関する「フェイクニュース」を広めたロシア人は、最長で15年間、投獄される可能性がある。
プーチンがこの戦争の困難を指摘したその日に、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy)大統領は、ドネツク州の約7万人の都市バフムトの前線にいる部隊を訪問した。ロシア軍は数カ月にわたってバフムトの攻略を試みているが成功していない。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナに対するロシアの地上戦の震源地であり、戦闘が完全に地獄と化している東部最前線の都市バフムトを予告なしに訪問した。 勇敢な行動であり、彼が国家勲章を授与した軍隊の士気を大きく高めたことは間違いない
ウクライナでの戦争はロシア軍にとって悲惨なものであり、10万人の死傷者が出たと推定されている。1年も戦っていないことを考えると、驚くべき数字だ。アメリカとその同盟国は、このいわれのない侵略に対して破壊的な制裁を加え、モスクワは政治的、経済的に孤立している。
イギリス軍のトップであるトニー・ラダキン(Tony Radakin)提督は12月14日、「ロシアは(ウクライナで)負けている」と発言した。ラダキンはさらに、戦況は「ロシアにとって悪くなる一方だ」とし、「砲弾が決定的に不足している」と指摘した。
ラダキン提督は、「ロシアの銃はもう300日近く撃ち続けている」と言い、「食器棚はからっぽだ」としている。