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「稼ぐ力」重視で、なんとかなる。転職・自己投資に賭ける30代女性のマネープラン

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一般的な投資よりも自己投資の方が、リターンは大きいかもしれない。

Five/Getty Images

  • 都内在住の会社員であるシオリさんのマネープランは、何よりも「稼ぐ力」を重視している。
  • 貯蓄や投資より自己投資にリソースを注ぎ、いくつかの転職を繰り返して着実にキャリアアップを図ってきた。
  • こうして築いてきたマネープランに、シオリさんは自信をつけつつある。だが不安もないわけではない。

「自己投資」だって立派な投資だ。特に若いうちは。

むしろ現在のような不確実な時代おいては、一般的な投資よりも自己投資の方がリターンは大きいかもしれない。

世の中が不安定だと、一般的な投資ならば資産は減りがちになる。だが、自己投資を続けていればどんなときでも自分の力で稼ぐことはできるからだ。

シリーズ連載「ミレニアル世代の家計診断」の第3回【前編】では、そんな「稼ぐ力」を重視する、都内在住の会社員、シオリさん(仮名:36歳)の家計に迫る。彼女が自己投資に賭ける理由、そしてそれゆえに生じる課題とは?

「まずはちゃんと稼げるように」

14年前の大学卒業後、シオリさんが1社目に入社したのはグローバルに展開する国内有数の大手メーカーだ。一昔前なら、そこに入社しただけで一生安泰というイメージがあったが、その頃にはすでに時代は大きく変わっていた。

「最初に就職したのが、ちょうどリーマン・ショックあたり。なので、そのころから『何が起こるか分からない』という感覚は常にある」と、淡々としながらも意思を感じさせる口調でシオリさんは語る。「だから、一つの会社にずっと在籍するのはちょっと……と思ってきた

2000年以降に社会人となったミレニアル世代は、物心がついた頃からずっと先の見えない不安を味わっている。2001年のアメリカ同時多発テロに始まり、2008年のリーマン・ショック、そして2011年の東日本大震災と、大きな混乱が立て続けに起きたからだ。

「やりたいことを仕事にしたいと、当初は思っていたところもある。だけど大きな会社とは言え、倒産のリスクがないとは言えないとも感じていた」とシオリさんは続ける。「だったらやりたいことを追求するのではなく、まずは自分でちゃんと稼げるようになりたいと考えた」

転職するにも方向性を見定めて

現在社会人14年目になるシオリさんは、4社目の会社で働いている。これまで勤めたところは、老舗大手からベンチャーまで多様だが、どれもその業界内ではそれなり以上に知られた存在だ。

どの会社に移っても、シオリさんの職務は大きく変わらない。主にコーポレート・コミュニケーションの分野である。そのように軸を持って転職してきたことに自身の強みを見出してきた

さらに、海外勤務は経験したことはないものの英語力も絶えず高めている。転職時の条件交渉において、TOEICのスコアをもとに希望の職務を勝ち取ってきたほどだ。

「一つの会社に頼り切りになるのはとてもリスキーだと思う。そのため自分のキャリアを考えながら転職や自己投資を行ってきた」

これまで3回経験した転職も、それぞれ方向性を見定めて決断している

最初の転職のときは、会社に頼らない生き方ができるように。2度目は、より気持ちよく働ける環境を求めて。3度目は、これまでの経験を踏まえて積極的に貢献できるところを……といった塩梅に、着実にステップアップしてきた。

「自分には、とりたてて『こうなりたい』とか『これを達成したい』といった強い願望はない。だから、直近の転職では今自分のできることで貢献できて、お給料をもらうことができればそれに越したことはないと思った」

「何とかなる」という気持ちに

最初の転職から6年が経って、今はもう所属企業がたとえ倒産しても「何とかなる」という気持ちにはなっている。それは、結婚も意識し始めた自ら事業を興している現在のパートナーの影響も大きい。

すると新たな欲というのか、目標のようなものも生まれた。

「ただ会社の仕事だけをするのではなく、同時に何か他のこともしたいという気持ちも芽生えている」

実際2度目の転職から、働きやすさを求めてきた。残業があまりなく、時間の融通が利きそうな点も企業選びのポイントとしてきたのだ。そのため今は自分の時間も確保できるようになっている。

「自分はすごく食が好きなので、食にまつわる仕事というか、趣味と仕事の合間というか、延長線みたいな時間を作れたらいいと思っている。そうすることで人に喜んでもらえたり、楽しんでもらえたりしたら、普段の仕事の方も気持ち良くこなせて良い循環ができるのではないか」

「スキルを備えておくことが重要」

とはいえ、不安がないわけではない。

「経済観念が希薄な方なのであればあるだけ使ってしまう。今の貯蓄は100万しかないので、もっとあった方がいいとは思っている。生活防衛資金などもどのくらい貯めればいいのか分からない。保険についても入ったほうがいいのだろうと漠然と考えているが、手を付けられていないのが気がかり」

そうこう言っても貯蓄は使えば減ってしまう。保険だって入ったとしても自分に適切なものなのか分からない。

「だから、やっぱりお金を貯蓄して備えるというよりはスキルを備えておくことの方が重要だと思う」と、シオリさんは確信している。「稼げるスキルがあれば、貯蓄が減っても増やすことができるはず」

シリーズ連載「ミレニアル世代の家計診断」の第3回【後編】では、シオリさんの家計をファイナンシャルプランナーの西山美紀氏に診断してもらう。

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