筋肉をつけるのには時間がかかるが、継続的な努力をすれば短時間でのトレーニングも結果につながる。
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- 一流のトレーナーによると、健康な体を手に入れるには何時間もハードな運動をする必要はないという。
- 週に数回ジム通うだけでも、短時間で集中的に運動をすることで筋肉をつけることができる。
- 最高の結果を得るためには、筋肉の緊張を最大化するような複合的な動きとエキセントリック運動に重点を置くのがいいという。
結果を出すために、ジムで長時間過ごす必要はない。
最近の研究によると、1日5分程度の運動で、より多くのエネルギー、より良い気分、病気のリスクの低下などの健康上の利益を得ることができるという。
筋肉をつけ、それを維持するにはもう少し戦略が必要だが、パーソナルトレーナーやストレングスコーチによれば、週に数時間でも結果を出すのは可能だという。
最短の時間で最大の結果を得るには、目標に合った量(レップ数)、強度と運動に集中することが大切だ。
必要以上の運動「ジャンク・ボリューム」をしない
運動量を増やしても、必ずしも効果が上がるとは限らない。むしろ、逆効果になることもある。「ジャンク・ボリューム(Junk volume)」とは、ジムで行う運動のうち、筋肉や体力を向上させるために必要量以上のことをしてしまうことを指す。2017年の研究では、筋力の増強は、体の一つの部位ごとに、週に約4セット程度で実現することが分かっている。
筋肉を増やすためには、週に2日ジムに通い、筋肉群ごとに10回を3セット程度行うことを目標にするといいとストレングス&コンディショニングコーチのマイク・ボイル(Mike Boyle)は以前Insiderに語っている。
「もし、1時間以上ウェートを上げている人がいたら、おそらく必要以上の量をやってしまっていることになる」
初心者でも45分のセッションで十分だと、パワーリフティングの世界記録を持つクリス・ダフィン(Chris Duffin)は以前Insiderに語っている。
より多くのワークアウトを行うと、実際には筋肉の回復を困難にし、トレーニングをやり過ぎている場合は、時間の経過とともに進歩が遅くなることもある。
少ない回数を、時間をかけて徐々に強度を上げていけば、成果を上げ続けることが容易になる。これは漸進的過負荷と呼ばれるフィットネスの基本的な概念だ。
適切なエクササイズを選ぶ
アームカール、レッグエクステンションなどのエクササイズは、1つの筋肉群を分離して、1つの部位を集中的に鍛えるため、筋肉を増強したいときによく使われる。
しかし、パーソナルトレーナーらは、最も効果的なエクササイズとして、複数の筋肉群を一度に鍛える複合的なエクササイズを推奨している。
筋肉を増やすための複合運動の例としては、デッドリフト、懸垂、ショルダープレス、スクワットなどが挙げられる。
「エキセントリック運動」を優先する
収縮している状態の筋肉を伸ばすエキセントリック運動(Eccentric exercise)は、成長に必要な刺激である筋肉の緊張を多く生み出すため、成果を得るには理想的なものだ。
元プロレスラーの「ロック様(The Rock)」こと、俳優のドウェイン・ジョンソン(Dwayne Johnson)のジムセッションを参考にしてエキセントリック運動のワークアウトを行っていこう。
ドウェイン・ジョンソンのストレングス&コンディショニングコーチ、デイブ・リエンジ(Dave Rienzi)は、筋肉をつけるためには、ネガティブレップ法(下ろす動作を重視して反復するトレーニング法)やテンポ(動作を遅くする)を加えるなどのテクニックを推奨している。
2×2の法則を試してみる
ジムにいる時間がないけれど体力を落としたくないという人には、1回のワークアウトに2つのエクササイズを2セットだけ行う「2×2ルール」を、ファンクショナル・ボディビルディング(Functional Bodybuilding)のマーカス・フィリー(Marcus Filly)は勧めている。
このテクニックは「最小の時間」で「最大の結果」につながると、フィリーは自身のYouTubeで語っている。
重要なのは、短期間で効果を得るためには、筋力が低下した状態(良いフォームで次のレップを行うことが物理的に不可能になる状態)に近付く必要があるということだという。
タンパク質や睡眠十分にとる
筋肉を増やそうとする人が犯す最大の間違いの一つは、十分な休息と食事をとらないことだとパーソナルトレーナーやスポーツ栄養士たちは以前Insiderに語っている。
ワークアウトは筋肉を分解するため、十分な休息とカロリーを取っていなければ、体を大きく強くするための運動をいくら行っても、ジムでの時間は無駄になる。
また、筋肉などの組織の修復と成長を助ける特定の多量栄養素であるタンパク質も十分に摂取する必要がある。1日に体重1ポンド(約0.45キログラム)あたり約0.7グラムの摂取が理想的だという研究結果がある。