TikTokの親会社はアプリを利用しているアメリカ人をスパイしているという報道を一貫して否定している。
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- ティックトックの所有者であるバイトダンスは、従業員がアメリカのジャーナリストや民間人のユーザーデータにアクセスしたことを認めたと、ニューヨーク・タイムズが報じた。
- バイトダンスは今回のデータ収集は社内のリーク元を追跡するため試みの一部であると述べている。
- この発表は、ティックトックが以前に発表した、このアプリはジャーナリストを「ターゲット」にしたものではないとする声明と矛盾するものだ。
ニューヨーク・タイムズ(NYT)が2022年12月22日に報じたところによると、ティックトック(TikTok)の親会社バイトダンス(ByteDance)は、一部のスタッフが2人のジャーナリストを含むアメリカ市民のユーザーデータに不適切にアクセスしたと従業員に通知した。
プライバシーに関する懸念でアメリカの議員から監視の目を向けられている中国のバイトダンスは、NYTが入手した電子メールで、報道機関への内部リークを追跡する試みの一環としてデータが収集されたことが調査の結果で分かったと従業員に伝えたという。
NYTによると、この試みに参加したアメリカ在住の社員2名と中国在住の社員2名が解雇され、リークした者の摘発には失敗したという。
TikTokアカウントからIPアドレスなどの機密情報などのデータが収集された2人の記者はバズフィード(Buzzfeed)のエミリー・ベイカー-ホワイト(Emily Baker-White)とフィナンシャルタイムズ(Financial Times)のクリスティーナ・クリドル(Cristina Criddle)だという。NYTによると、2人の記者に関連する他のアメリカ人も標的にされたという。
バイトダンスは、監査とリスクチームの活動を制限し、今後、同チームからアメリカのデータへのアクセスを禁止するとしている。
バイトダンスの梁汝波(Liang Rubo)CEOは、従業員に宛てた電子メールで「我々が多大な努力を払って築き上げてきた国民の信頼は、数人の個人の不正行為によって大きく損なわれるだろう」と述べたと伝えられている。
ティックトックの親会社であるバイトダンスは、Insider からのコメント要請にまだ回答していない。
中国政府がアメリカ市民をスパイしたり影響を与えたりするためのツールとしてティックトックが使用される可能性があると懸念している議員からの圧力が高まっていた。
先週、アメリカで、超党派の議員団が「中国、ロシア、その他いくつかの懸念される外国にある、またはその影響下にあるソーシャルメディア企業との取引をすべて禁止する」という法案を提出した。
また、上院は最近、ティックトックを政府のすべてのデバイスから削除することを決議した。ティックトックはInsiderへの声明の中で、この法案を「アメリカの国家安全保障上の利益を何も促進しない提案」と呼んだ。
ティックトックは、同社のアプリケーションを使用してアメリカ人を追跡しているという報道を一貫して否定している。
バイトダンスがTikTokアプリを使用して特定のアメリカ人の位置を追跡することを計画しているという10月のフォーブス(Forbes)の報道に対してティックトックは、「アメリカの政府のメンバー、活動家、公人、ジャーナリストを『ターゲット』にしたことはなく、他のユーザーと異なるコンテンツ体験を彼らに提供したこともない」とツイートした。