9歳までに済ませておきたい、「お金の習慣」を身につけさせる4つの方法。早いうちに教えることがカギ

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お金に関する習慣の多くは9歳までに身につく。

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  • 研究によると、お金に関する習慣のほとんどは9歳までに確立される。つまり、早いうちに子どもに教えることがカギになる。
  • 意外かもしれないが、子どもにお金を使わせ、今のうちにお金の失敗をさせておくことが、後でいい効果を生む。
  • 子どもにお金を使わせることで、貯金をすることや、楽しみを後に取っておくことの価値を教えられる。

たいていの親は、子どもが自分より「賢い人生」を送るためにはどう育てればいいかと悩むものだ。私個人としては、息子にお金の扱い方を教えることが親としての最重要事項のひとつだと確信している。賛同する人もきっと多いだろう。

責任を持ってお金を扱うことを幼いうちに教えておけば、よい習慣やお金との正しい関わり方が身につく。そうすれば、大人になり、もっと重要な意思決定を迫られるようになってからも堅実な判断を下すことができる。

子どもへのお金教育、いつから始めるべき?

書籍『「おカネの天才」の育て方/一生おカネに困らないために、親が子供に伝えるべき「おカネの話」』[原題:Make Your Kid a Money Genius (Even If You're Not)]の中で、著者のベス・コブリナー氏は、3歳の子どもでも基本的なお金の概念を学ぶことができるという研究結果を紹介している。筆者の2歳の息子も、店でお金と品物を交換できることや、「買い物リスト」にないものは購入しないといった、基本的な考え方をある程度は理解しているようだ。

子どもは観察を通して世界について学んでいく。親や、周囲にいる他の大人や年長の子どもたちの行動をまねようとする。息子は常に、私たちのしていることを見て、聞いている。つまり私たちには、お金のことを教える機会が常にあるということだ。

お金に関する習慣が身につくのは、7歳から9歳頃まで

ここがポイントだ! デイビッド・ホワイトブレッド博士とスー・ビングハム博士の研究によると、大人になっても続く習慣、とりわけお金に関する習慣の多くは7歳までに確立されるという。「事前に計画を立てる」「予算を組む」「楽しみを後に取っておく」「借りたものを返す」などの習慣は、子どもの頃に身につければ大人になってからも続いていく。

ありがたいことに、2014年のブラウン大学の研究では年齢の幅が少し広がった。たとえば「責任を持って行動する」などの習慣は9歳までに確立されると同研究は指摘している。責任を持って行動する習慣や、気乗りしないことでも主体的に実行する能力は、お金を管理するうえで必ず身につけておくべきものだ。

子どもによいお金の習慣を身につけさせるには?

私たちは、家庭や地域社会や仕事のなかで、子どもたちにお金の習慣を身につけさせる手伝いができる。正式なレッスンを行うのもいいが、それ以上に、子どもが実際にお金を使って学べる機会を作ることが重要になる。お金の教育を始めるタイミングは、子どもがお金を口に入れないと確信できたときだ。すぐに実践できる方法をいくつか紹介しよう。

1. 少額のお金を扱う練習をさせる

レストランでの会計時、お金を数えて店員に渡す作業を子どもに手伝わせる。買い物に行くときは、子どもにお金を持たせて支払いをさせる。もちろん、何を買うか(何が買えるか)を考えるのは手伝ってもいいが、お金の扱いと購入の意思決定はあくまでも子どもに任せよう。

2. お小遣い制を検討する

これは、子どもとお金に関する議論のなかでも特に意見が分かれるトピックに違いない。無条件で渡すにせよ、報酬として渡すにせよ、お小遣いの目的は、子どもに少額のお金を自分で扱う経験をさせることにある。お金に対する意思決定権と「失敗する機会」を子どもに与えるのだ。今のうちに少額のお金で失敗しておけば、大人になるまでなかなか学べない貴重な教訓を早いうちに得ることができる。

3. 貯金意欲をかき立てる

子どもに貯金をさせたいなら、まずはお金を使わせよう。矛盾しているように思えるかもしれないが、子どもに貯金を命じれば、お金を取り上げられたと感じてしまう。特に、いずれ車を買うためとか、大学に行くためとか、老後のためといった長期的な目標のために貯金させる場合はなおさらだ。

子どもの貯金意欲をかき立てるには、まず支出をさせよう。欲しいものを決めさせ、自分のお金で買わせる。いずれ必ず、手元にある金額より高いものを欲しがるようになる。そのタイミングで、目標に向けて貯金する方法を教えるのだ。「楽しみは後に取っておく」、つまり後でご褒美を手に入れるために、いまは我慢することを学ばせよう。

その後、より高価で、より長期的な貯金を必要とするものへと目標を引き上げていく。手元にあるお金を、当面の支出と、欲しいけれど今は手が届かないものを買うための貯金とに分けさせる。こうしたプロセスを経験すれば、貯金に対する前向きな感情と、支出に対する健全な理解が醸成されるはずだ。

4. 子どもが何かを買おうとしたら、ほかの選択肢もあることを伝える

ただし、家族ルールに違反する行為だったり、明らかに危険な行為だったりする場合でないのなら、子どもが何かを買うのを止めてはならない。

子どもには、「機会費用」の概念を教えてあげるといい。いま使おうとしているお金でできることを思いつくかぎり挙げてから、「ひとつを選択したら残りのすべてを諦めなければならない」と認識させるのだ。親の仕事はそこまでだ。

あとは、1日で壊れてしまうおもちゃでも、1時間で消えてなくなるお菓子でも、好きなものを買わせればいい。いま我慢しておけば、後でよりよい結果が得られるということを学習するはずだ。

子どもによいお金の習慣を身につけさせるには、親が手本となる行動を示し、家庭内で子どもの年齢に応じたお金の会話を持ち出し、日常生活や遊びを通じてお金を扱う練習をさせることが大切だ。これらの方法を実践すれば、将来、責任ある資金管理者になってくれるに違いない。

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