下北線路街 NANSEI PLUS。ドラマ「silent」のクリスマスツリーにはたくさん人が集まっていた。
撮影:高橋真紀
世の中の気分はもう年末やお正月に向いているだろう。
だが、24〜25日に下北沢で行われたクリスマスイベント「小径(こみち)のノエル」が、人とのつながりや温かみを感じられる素敵な空間だったのでぜひ紹介させてほしい。
小さなお店が集まって明かりを灯す
創業1972年の老舗ロックバー「MOTHER」の入り口。
撮影:高橋真紀
「小径のノエル」は、2022年で13年目を迎えるイベントだ。
クリスマスイベントというと、大手の商業施設や自治体が主導するケースが多いように思われる。
だが、このイベントではローカルの個人経営店などが中心となってお店の入り口や店内にキャンドルを灯す。
撮影:高橋真紀
イルミネーションのライトアップではなく、温かみのあるキャンドルがそこここに置かれた姿は、ローカル感漂う下北沢の街ならでは。
下北沢駅東口側の「下北線路街 空き地」では、ステージが用意され、ライブパフォーマンスも行われていた。
撮影:高橋真紀
やわらかな明かりで街全体が包まれ、下北沢を愛する人たちが訪れる。
個が寄り集まって生まれたクリスマスの風物詩だ。
撮影:高橋真紀
2022年は、レストランやバー、雑貨屋など26のショップが参加。
日本各地から11人のキャンドルアーティストが色とりどりのキャンドルを提供し、聖なる夜を華やかに彩った。
訪れた子どもが、キャンドルを吹き消して遊んでいた。
撮影:高橋真紀
ボランティアの方が、消えてしまったキャンドルに火を灯す。
撮影:高橋真紀
ニュー&オールドな下北沢らしいクリスマス
撮影:高橋真紀
「小径のノエル」が始まったのは2010年の秋。きっかけは下北沢の雑貨屋の店先で、あるキャンドルアーティストの作品を灯す企画が持ち上がったことからだと言う。
そこから、クリスマスに行う今のかたちが始まり、次第に他のお店やアーティストも参加するようなったそうだ。
気に入った作家さんのキャンドルは購入することも可能。
撮影:高橋真紀
下北沢では再開発が進んでいる。私のような一訪問者からすれば、再開発による新しさと、下北ならではの空気感は絶妙に混ざり合っているように見える。
しかし、昔からある市場や建物が取り壊されたり、大手資本が入ってきたことで家賃が上昇するなど、個人経営のお店は成立しづらい状況に置かれているのも事実だ。
撮影:高橋真紀
ただ、あらゆることが目まぐるしく変わりゆくなかで、下北沢は昔からの住民に愛されると同時に、新しく訪れた人も受け入れている。
その懐の深さは、公式サイトに書いてあった文章に集約されていると感じた。
下北沢のお店は、何十年もやっている老舗でも、出来たばかりの新しいお店でも、みんなこの街が好き、この街を大切にしたい、という意識が強いと思います。
それだけのことがつながって街を素敵なものにしていけたらいいな、と思います。
(小径のノエル 公式サイトより)
来年のクリスマスには是非、訪れてみてほしい。