著者はパーソナルファイナンスの取材を7年間続けてきた。
Kathleen Elkins
私の仕事は、成功者たちを取材し、彼らのお金の管理方法について聞くことだ。
ニューヨーク証券取引所の最年少女性トレーダーとして歴史に名を残した女性は、美術品や高級ハンドバッグなどの代替資産に投資をしているという。3人の子どもを持つシングルファーザーで、大人になってからはその日暮らしばかりしていたという男性は、長期保有を目的とした不動産投資によって経済的自立を達成した方法を話してくれた。
私は7年もの間、早期退職者や自力で財を成した人、「超倹約家」たちに、どのように富を築いたのかを聞いてきた。そして、彼らにはいくつかの共通点があることが分かった。成功者たちが授けてくれた数々のアドバイスのうちいくつかを、私はより多くの現金を手にするために日々の生活の中で実践している。
そして2023年は、物事をシンプルに保ち、多くの決め事に圧倒されてしまわないように、蓄財のための戦略を2つだけ選んで試してみることにした。
1. 収入源を増やし、受動的所得を安定して得られる手段を最低でも1つは持つ
私がこれまでインタビューしてきた成功者たちのほとんどは収入アップに取り組んでいた。彼らが揃って口にするのは、節約できる額には限度があるが、稼げる額には限度がない、ということだ。
借金を返す、家を購入する、早期退職をするなど、財政面での目標が何であれ、より多くのお金を稼ぐ方法を見つけることで、その実現はより早まるだろう。
私は2015年に自分のキャリアをスタートさせて以来ずっと、副業かアルバイトをしてきた。最初の副業は、ニューヨーク市内のテニスショップでラケットのガットを張ることだった。この仕事は、生活のために仕方なくやっていたという面が大きい。当時、私はインターンとして時給をもらっていたに過ぎず、世界でもとりわけ生活費のかかる都市に住んでいたからだ。
しかし、時が経つにつれ、私は会社からそれなりの給料をもらえるようになり、昇給も何度か経験した。すると、副業をすることの目的も進化した。副業は、生活のために行うことではなく、選択肢になった。そして私は、副業を続けることを選択したのだ。
「節約できる額には限度があるが、稼げる額には限度がない」
つまり、2023年の私の目標は単に副業をすることではない。もっと受動的にお金を得る方法を副業として見つけることで、より多くの時間とエネルギーを自由に使えるようにすることこそが目標だ。私の現在の副業はテニスのコーチで、これは生徒と直接向き合う仕事であり、立ちっぱなしの時間も長く、体力を必要とする。
では、これから何をすればいいのだろうか。受動的に所得を得るにはどうすればいいのだろうか。
そこで私は、多くの成功者たちから聞いてきたもう1つの価値ある金言に従うことにした。それは、興味のあることから始め、自分がすでに知識を持っている分野に力を入れるということだ。
私にとって、それは不動産だ。普通の仕事に就いている一般の投資家たちがいかに不動産物件の購入と賃貸によって副収入を得ているかについて、私はたくさんの記事を書いてきた。また、特に2023年は物件を購入するのにはうってつけの年になるかもしれないと、不動産を保有する投資家たちの多くが教えてくれた。そうした経験もあって、私は先人たちの戦略に倣って、自分も不動産投資をしてみようと思っている。
誤解してほしくないのだが、不動産投資は多くの先行投資が必要だ。そして、投資を始めてすぐに受動的所得が得られることなどない。物件を購入して賃貸し始めたとしても、管理は自分の手で行わなければいけない場合がある(管理人を雇わないのであれば、なおさらだ)。しかし、不動産投資は私の現在の副業よりも持続可能で、多くの収益を得られる可能性があると私は考えている。現在の副業は時給制で、その時給もほとんど上がる見込みがないのだから。
2. 具体的な目標を設定する
お金の管理に関しては、私はなるべく自分であれこれする必要がないようにしている。
私は毎月、収入から一定の額が複数の預金口座や投資口座へと直接振り込まれるようにしている。自分の意志にかかわらずお金が貯まっていくという素晴らしい仕組みだ。私のお金は自動的に当座預金口座または給与支払小切手から差し引かれるため、私はそのお金を目にすることすらない。そもそも目にすることがなければ、そのお金がなくても困ったりはしない。
このような自動的な仕組みに任せてしまうことには欠点が一つある。それは、自己満足に陥りかねないということだ。私は毎年、あるいは昇給のたびに、貯蓄用口座へ振り込む額を増やそうと考えている。しかし、最後にその額を増やしたのがいつだったのか、思い出せない。これは、蓄財についてなるべく自分であれこれ考えないようにしているためでもあり、具体的な目標を設定していなかったせいでもある。私は収入からかなりの額を貯蓄し、投資に回している。これまではその事実だけで十分だったのだ。
2023年には、自分のお金に関してさらなる計画を立てたいと考えている。
成功した投資家たちから聞いたのは、方向を定めなければどこにも辿り着けないということだ。成功者の多くは、何年までにどれだけの物件を所有するのか、副業から毎月いくらの収入を得るのかといった、とても具体的な目標を持っている。そのうえで目標達成のための計画を練るのだ。
ここまで述べたことを踏まえた私の2023年の目標は次のようになる。投資用物件を購入して、賃貸料を得られるようにし、それによってローンの支払い以上の収入を得ること。その目標を達成するためには具体的な貯蓄額を設定しなければならない。頭金や契約手数料などのコストを支払うための十分な資金を前もって用意しておくためだ。そのためには月毎に口座に振り込む金額もおそらく増やさなければならないだろう。
最後にもう1つ、私が成功者たちから教わったアドバイスを教えよう。実は、そのアドバイスを私はこの記事を執筆しているまさにこの瞬間に実行に移している。それは、目標を書くということだ。目標を記録に残し、頻繁にその目標を見る。そして、目標達成に近づくための習慣を形作り、日々の決断をしていくのだ。