20歳になったら身につけたい、20の「投資」に関する基礎知識

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少しでも余裕があれば誰でも投資できる。

Benoist/Shutterstock

  • 若い人ほど、投資を始めたほうがいい。たとえ少額の投資であっても、複利の効果で、のちのち大きな力になるからだ。
  • しかし、とかくお金の話や投資の話は、敬遠されがちだ。社会経験の少ない若者ならば、その傾向はなおさら強いだろう。
  • そこで、20歳なら誰でも知っておきたい、投資に関する20の事柄を、読みやすく箇条書きにまとめてみた。

投資を始めるのに、若すぎることなんてない。

とはいえ、投資は難しいと思う人もいるだろう。それはその通りかもしれない。実際、金融の専門家は難解な言葉を使っている。だが、誰もがその道を究める必要はないのだ。

投資家といっても、ほとんどの人は退職後の貯蓄を増やすため、副業でもう少し追加収入を得るため、あるいは単にインフレに打ち勝つために(それについては後ほど説明)投資しているにすぎない。

本記事では、20歳なら誰でも知っておきたい、投資に関する20の事柄を紹介しよう。ここに書いてあることを全部知っていなければダメか? 無論そんなことはないが、力強い第一歩になることは確かだ。

コンセプトについて

1.預金口座は投資ではないが、確定拠出年金は投資だ

預金口座に入れておけば金利はつくが、普通は1%未満で、お金は銀行口座に放置されたままだ。現金の置き場所としてもっと良い場所を探しているなら、ネット銀行などには「高金利」と言われる口座も用意されている。ただし、金利は時間が経つにつれて変わるので注意しよう。

一方、もしiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や企業DC(企業型確定拠出年金)のような確定拠出年金に加入していれば、それに対する拠出金は投資に回る。だだし、確定拠出年金の場合、基本60歳まで引き出せないので、特に若い人は使い方に注意が必要だ。そういった面で、もっと使いやすい、NISA(少額投資非課税制度)という投資手段もある。

2.投資は物価上昇についていく唯一の方法

2022年は物価上昇でお金の価値が低下した。アメリカの場合、平均して7.7%も低下している。つまり、インフレ率を上回る早さでお金を増やさなければならない。ほとんどの人にとって、こうした高い利回りを手にできる唯一の方法が投資なのだ。

3.投資にリスクはつきもの

投資でお金が増えることもあれば減ることもある。日本の場合、銀行預金は1000万円まで預金保険機構によって保護されるが、投資はその対象外だ。つまり、永遠にお金が返ってこない可能性もあるということ。

投資用語について

4.「証券」とは金融商品のこと

「証券」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。これは株式、債券、譲渡性預金証書(CD)などを指す包括的な言葉だ。証券は、負債証券(国債のような投資家からの借入)と持分証券(株式のような投資家が実際に所有する価値)に分けられる。

5.「株式」は会社の持分

株式を買うということは、実在する会社のごく一部を買うことだ。もちろん大量にではないが、それでも所有には変わらない。株式は債券よりも価格が大きく変動するので、債券よりも利益や損失が大きくなることがある。

6.「株式市場」は株式のパフォーマンスに連動

株式は「取引所」で取引されており、市場全体を構成する。米国の主要株式市場は、ニューヨーク証券取引所(NYSE)とナスダック(NASDAQ)だ。また、株価はS&P500種株価指数やダウ工業株30種平均といった指数に連動する。

自分の個別投資の状況を確認しなくても、株式市場の動向をモニタリングしていれば、ポートフォリオの運用成績がわかる。

7. 「債券」は貸付

債券を買うということは、例えば米国政府のような事業体にごくわずかなお金を貸し付けていることにほかならない。そしてお金を借りた事業体は一定期間の後、金利をつけて返済しなければならない。債券の取引方法は株式と異なり店頭で売買されるので、債券取引所のような場所があるわけではない。

8.「分散」とは、異なる種類の投資商品に資金を広く振り向けること

投資ポートフォリオをどの程度分散するかについては意見が分かれるところだ。だが、1つのバスケットに卵を全部入れるのがいかに危険かは、誰でも納得できることだろう。

プロセスについて

9.通常手数料がかかる

投資はタダではない。ファイナンシャルアドバイザーのような投資のプロを雇えば、ポートフォリオの一定割合か、あるいは定額手数料を払わなければならない。

また、オンライン投資プラットフォームやロボアドバイザーであっても、それぞれ独自の手数料体系を設定している。投資信託やETF(上場投資信託)にも手数料は必要だ。こうした手数料は各社で違うので、調べれば手数料を抑えられる。

10. 1つずつ銘柄を選ぶ必要はない

投資信託では、投資のプロが証券をまとめて選んでくれる。こうした投資信託を利用すれば、個別の株式や債券を自分で選ばなくても資産を分散できる。インデックスファンドは、S&P500種株価指数のような特定の株式指数を反映するよう選別された投資信託だ。

11. 税金もかかるが、優遇措置もある

米国政府は投資で得た利益をタダで獲得させてくれない。現金化したときに、キャピタルゲイン課税と呼ばれる税金がかかる。日本でも譲渡益には20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、住民税5%)が課せられる。

ただし、確定拠出年金やNISAなどの制度を利用すれば、運用益にかかる税金が非課税となる。また、確定拠出年金だと所得税も控除されるので、さらにお得だ。しかし、年金資産は60歳まで受給ができないので、計画性が必要になる。

12. 時には失敗することもある

残念ながら、誰でも花形投資家になれないことも事実だ。大成功する人もいれば、残念な結果に終わる人もいる。そして時にあなたが、その「残念な人」になるかもしれない。

戦略について

13.早く始めることは大きな武器

20代、いや30代であっても最大の武器は時間だ。退職貯蓄を始めたばかりだとしても、複利の効果に匹敵するものはない。それに、もし市場で損をしたとしても、お金が必要になるまでに取り返す時間は十分にある。

14. 人気銘柄は必要ない

どんなときも話題の銘柄はあるが、それがお金持ちになるための近道である保証はない。流行の株式に闇雲に乗るのではなく、企業を調査し、自分で判断して買う方が良い。

15. 長期戦略は、今朝のニュースと無関係

大部分の投資家は、テレビでニュースになった時に、それに関連する銘柄を売ったり買ったりすべきではない。戦略的に株式を売り買いするアクティブ投資は、ほとんどの人に向いていないからだ。それよりも、投資信託などを購入し、あとはほったらかしにしておくことがベターだ。

16.個別銘柄に固執しすぎるのは危険

感情的な理由や過去のパフォーマンスから、特定の銘柄に固執しているなら、アドバイザーや投資のプロに言われてもその銘柄を売れないだろう。個別株に手を出すなら、現状のパフォーマンス次第で、ぱっとしない銘柄を手放す覚悟が必要だ。

17.常にチェックする必要はない

マーケットニュースなどを見れば、相場が毎日上がったり下がったりしているのはわかる。それは個別銘柄も同じだ。だが、長期投資が目的で、投資のプロではないのならば、パソコン上で株価を常にチェックして一喜一憂する必要はない。

18.近々必要なお金を投資するな

近い将来現金が必要ならば、株式市場に投資しない方が良い。今から5年以内に必要なお金なら投資すべきでないと言うマネーのプロもいる。相場が下がれば、その資金を回収する十分な時間がないからだ。

冷静さを保つ

19.市場を確実に予想できる人はいない

とにかく予想は不可能だ。投資のプロは経験に基づいて推測できるが、相場の予想とは将来の予想であり、誰もそんなことはできない。

同じく、過去の市場動向が、将来どうなるかを確実に示すわけではない。繰り返しになるが、未来を予想することは不可能なのだ。予測不能の出来事を意味する「ブラックスワン」によって、未来は想定外の方向に進むこともある。

20.自分でやろうとする必要はない

自分が一般的に賢く、有能な人間だからといって、専門家だと思い上がるのは大きな間違いだ。株式市場について学ぶべきことは、いつだって数多くある。

言い換えれば、投資の専門家になる必要はないのだ。ファイナンシャルプランナーもいれば、ウェルスアドバイザー、自動オンライン投資プラットフォーム(ロボアドバイザー)もある。どれも、あなたを投資の世界に導いてくれるだろう。

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