痩せるために、パンなどの炭水化物を抜く必要はない。
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- 脂肪を落とすことを必要以上に複雑にしてしまう、ダイエット神話は多い。
- 肥満の専門家、スペンサー・ナドルスキーと、栄養士のカーラ・モックラーが、特にひどい神話を教えてくれた。
- 有酸素運動は不要、炭水化物や夕食を抜くことも不要だという。
ダイエットは理論上は簡単だが、必ずしも上手くいくとは限らない。
流行のダイエットや専門家と言われる人々のアドバイスには相反するものもあり、健康的に痩せるためにはどうすれば良いのか、判断するのは難しい。
ダイエットを長期的に成功させるために、肥満の専門家と登録栄養士に、特にひどい神話を教えてもらった。
神話その1. ダイエットは意思の強さがすべて
スペンサー・ナドルスキー(Spencer Nadolsky)博士は肥満の専門家で、意思の強さだけに頼っているなら、そのダイエットは恐らく成功しないだろう、と述べた。
「ダイエットは、環境や身体との戦いだ」とナドルスキーは述べた。
「始めるためにはそれなりの意思が要るかもしれないが、長く続けるためには、習慣として取り組んだり、薬や手術などによる治療が必要な人もいるかもしれない」
神話その2. 痩せるためには炭水化物を抜かなければならない
「この神話が昔からあるのは、炭水化物が体内でインスリンの分泌を引き起こすということ、そしてインスリンは脂肪を蓄積するホルモンだからだ」とナドルスキーは述べた。
ダイエットは要するに、持続的に摂取カロリーを減らすか、燃焼するカロリー以上に食べないということだ。
「インスリンが分泌されるとしても、炭水化物を取りながら痩せることは必ずできる」とナドルスキーは述べた。
「これについては詳細な研究がなされていて、やはり摂取カロリーを減らすということに行き着く」
神話その3. 痩せるためにはハードな運動が必要
運動でカロリーを消費することで、より痩せることができると人々が思うのも無理はない。だがナドルスキーによると、それには思うような効果はなく、形式的な運動が1日のカロリー消費量に占める割合がごくわずかだということが主な原因だという。それで大幅に痩せることを期待するとがっかりすることになると彼は付け加えた。
「体が食欲や代謝の他の構成要素にどのように適応するかと関係している」とナドルスキーは述べた。
「かなり頑張っても、そんなには減らない」
だが健康と身体の構成を改善するために運動はすべきだ。筋トレは、脂肪を燃焼しつつ筋肉を維持することができるのだから。
「運動は止めずに、期待することを変えること」だとナドルスキーは述べた。
神話その4. 夜に食べると太る、または痩せにくくなる
栄養士のカーラ・モックラー(Kara Mockler)はInsiderに対し、ダイエットとはつまるところ、1日の総摂取カロリーだと語った。いつ摂取するかは関係ない。
「夜遅くの間食でカロリー・オーバーになるようならば、それはダイエットの妨げになる」とモックラーは述べた。
神話その5. ファスティング(断食)をすると痩せやすくなる
ダイエット目的で断食(毎日の食事制限や5:2ダイエットなど)をする人は多いが、摂取カロリー減らすという以外に、何のメリットもない。
「摂取カロリーが同じなら、ファスティングが減量を促進することはない」とモックラーは述べた。
「1日の総摂取カロリーを自分に合った方法で分散させることでも、大きな効果が期待できる」
神話その6. 痩せるためには有酸素運動が必要
有酸素運動には多くの健康上のメリットがあるが、ダイエットに絶対必要というわけではない。
「体重を左右する最大の原動力は食べる量であり、それを抑えることが第一だ」とモックラーは述べた。
「健康のため新たに有酸素運動をルーティンに加えるのは、おまけのようなもの」
神話その7. おいしい物は食べない方が良い
ダイエットは、好きな食べ物を食べてはいけない、という意味ではない。
「ダイエットに好きな食べ物をどう取り入れるかを考えれば、その食べ方を長期的に続けることができ、良い結果が得られる可能性は高い」とモックラーは述べた。
モックラーによると、もしピザやクッキー、ケーキなどが好きで、それを食べてはいけないと自分に言い聞かせると、余計に食べたくなり、最終的に食べ過ぎてしまう可能性が高いという。
「好きな食べ物は少しだけ、そして気を付けて食べること」とモックラーは述べた。
神話その8. 砂糖はダイエットの敵
砂糖は栄養価が高く、お腹を満たすことがない(つまり食べすぎやすい)かもしれないが、完全に絶つ必要はない。
「総摂取カロリーを抑えられるのであれば、砂糖が入っている食べ物がダイエットの妨げになることはない」とモックラーは述べた。
「食物繊維を十分取るようにして、時にはおいしいおやつを食べても、 罪の意識を感じなくて良い」