エアコンをつけて設定温度も25度以上なのに、足元だけは寒い……。
僕は数年前までずっとこの悩みを抱えていた。
特に夜がひどく、ベッドに入る頃にはつま先が氷のように冷たくなっていることもザラだった。
航空力学の応用で空気を循環
ボルネード「サーキュレーター・クラシック ジュニア」税込1万1000円
撮影:野田翔
4年前、そうして買ってみたのがボルネードのサーキュレーターだった。
最近ではニトリやアイリスオーヤマのようなメーカーが出したことで知られるようになってきたが、そもそもサーキュレーターの役割は扇風機とは大きく異なる。
空気を体に当てるのではなく、壁や天井に当てることで、冬なら暖かい空気を、夏なら冷たい空気を部屋中に循環させるのだ。
ボルネードのサーキュレーターの空気循環イメージ図。竜巻状の気流が真っ直ぐ飛んでいる。
Amazon商品ページより
つまり、冬場に顔は熱くて頭はぼーっとするのに、足元は寒いといった現象にもってこいのアイテムということだ。
4年間、本体の掃除をする時以外24時間365日稼働させているが、冷えや部屋の中での温度差がかなり改善されたと感じている。
1920年代のアメリカで、もともとプロペラ飛行機の技術者だった創業者が開発しただけあって、ボルネードのサーキュレーターが生み出す空気の流れはかなりパワフルだ。
置く場所と向きがポイント
撮影:野田翔
サーキュレーターを使う上で実は大切なのは、置く場所と向きだ。
中部電力が運営するサイトが分かりやすかったが、暖房の場合、エアコンから「遠く」の「床」に置き、「真上(天井)」に向けるのが一番暖房効率が上がるそうだ。
暖かい空気は上に向かうため、部屋の奥から天井に向けて気流を作り出すことで、部屋中を暖気がぐるぐると回る。
実際にそうしているが、足元を暖かい風が吹き抜けていくのが分かる。
設定温度を2度下げられる
Butsaya / ShutterStock
冷えが改善するだけでなく、設定温度を2度ほど下げられるのもオススメしたいポイントだ。
ダイキン工業の実験によると鉄筋コンクリート構造の6畳の部屋で空気をかき混ぜると、足元の温度が2度上がったらしい。
実際に僕も、サーキュレーターを導入してから設定温度を2〜3度下げて生活するようになった。今の設定温度は22度だ。
環境省によると、エアコンの設定温度は1度下げるだけで消費電力を10%削減できるという。2度なら20%だ。エアコンにかかる電気代がその分減ると考えると、かなり有難い。
なお、ボルネード・サーキュレーターの電気代は1時間で0.4円程度なので、ずっと付けっ放しにしても1カ月300円未満だ。
残念なところ:ちょっと音が大きい
パワー調整は、強・弱のみ。入れ始めの3分くらいは強で気流を作り、その後はずっと弱で回し続ける。
撮影:野田翔
扇風機のような静かさを期待すると、音量はちょっと気になるかもしれない。
買った当初は、弱運転で冷蔵庫の「ブーン」くらいの音だったが、4年使っている今、弱でも常に「ブオー」という音が鳴っている。
なお、現在は10畳まで対応できるジュニアサイズでアンティークグリーンのものがないようで、ホワイト一択だ。
24畳まで対応できる一つ上のモデルには、グリーンもある。
地球にも植物にも優しい
撮影:野田翔
省エネになるということは電気代も削減されるだけでなく、CO2削減にも効果が期待できるということだ。
日本の電気は7割超が化石燃料による火力発電でまかなわれているため、減らせるところは減らして地球に優しくありたい。
ちなみに、空気を回すと植物の蒸散作用が促される。僕は冬場、部屋に多くの観葉植物を取り込んでいるので、植物にも優しいのが嬉しい。
ボルネードのサーキュレーターは自分の体、お財布、地球、それぞれの負担を減らす。ぜひオススメしたい。