Courtesy of Sade Kelly
以下は、ジョージア州アトランタ在住のタイムマネジメント・コーチ、セイド・ケリー(29)のインタビューに基づく聞き書きだ。掲載にあたって文章量を調整し、文意を明確にするために編集した。
私は6年間、広告会社の重役を務めてきました。そこでは数々のマーケティングキャンペーンを指揮し、複数の大規模なチームを統括し、常連クライアントに対応してきました。仕事で学んだそのようなスキルを私は自分の人生にも活かすことにしたのです。
2017年に私は副業として、自己啓発とウェルネスをテーマにしたブログを始めました。その後、友人たちから副業について相談されたことをきっかけに、2020年4月から、もう一つの副業としてタイムマネジメント・コーチも始めました。
パンデミック中は、在宅勤務のおかげで、それまで通勤に費やしていた時間を副業に使うことができました。週に4時間ほどは顧客へのコーチングに使い、それ以外の時間ではインスタグラム(Instagram)やフェイスブック(Facebook)で自分のコーチング・サービスの宣伝を行うようになったのです。
コーチングで少なくともフルタイムの仕事の1カ月分くらい稼げるようになったら、3カ月分の生活費を確保したうえでフルタイムの仕事を辞めるつもりでした。そして、2020年9月に晴れて目標を達成して会社に退職届けを出したのです。
ここでは、副業とフルタイムの本業を両立させるコツを紹介します。
1. 副業の理想像を思い描き、熱意を持てる事業を選ぶ
副業はとても辛くなることがあります。私にも副業を辞めたいと思った時が何度かありました。くたくたに疲れてしまったのです。
その時に助けになったのは、タイムマネジメントを改善したこと、そして、この副業は私が情熱を注げるものだという確信でした。
副業は、自分が深く熱意を傾けられるものでなければ、長続きしないでしょう。
その次に、やることの優先順位をつける必要があります。腰を下ろして、副業を始めるために必要な段取りを書き出してみましょう。
もし何もアイデアが湧かなければ、リサーチから始めましょう。ブロガーとしての副業のために、私はブログに関するポッドキャストを大量に聴き、ソーシャルメディアでブロガーらをフォローし、ブロガーらと人脈を築くためにコンタクトをとりました。
2. 一日のうちで副業に費やせる時間を現実的に考える
自分の時間を俯瞰することも大切なことです。日中の時間は、自分が思っている以上に使い方をコントロールできるものです。
ただし、現実的になる必要はあります。起床時刻は何時にするのが現実的だろうか、身支度にはどれくらいの時間が必要だろうか、といったことです。
フルタイムの仕事をできるだけ効率良くこなすには、一日の中で何を犠牲にする必要があるでしょうか。
パンデミック以前、私は通勤に片道約1時間をかけていました。
帰宅後はゆっくりしたかったので、その時間も確保していました。そうすると、副業に費やせるのは夜の4時間くらいしかないと分かったのです。
3. 日中の仕事中は計画的に時間を使う。疲れが副業の妨げにならないように休憩もとる
まだフルタイム勤務の傍らに副業をしていた頃、私は日中の仕事のスケジュールを可能な限り綿密に立てていました。プロジェクトに取り組む時間とミーティングを行う時間の割り当てを決めていたのです。プロジェクトを一日の早いうちに切り上げられるよう、時間を細かく区切っていました。
仕事は、重要度に応じて優先順位をつけることが大切です。仕事中のエネルギーと時間を管理できなければ、帰宅後は疲れ果てて何もする気が湧かなくなってしまうからです。
ランチタイム中にも休憩をとらずに働けば、当然、夕方には燃え尽きることになるでしょう。
4. 1日最低30分は副業に費やす。その時間も1日のスケジュールの中に確保しておく
仕事から帰ったら、夫と顔を合わせて夕食をとっていました。ただ、私は自分にルールを課しました。「毎晩、最低30分は副業に使う」ことです。
そうしなければ、その夜を楽しんではいけないと自分に言い聞かせていました。極端に聞こえるかもしれませんが、自制心を鍛え、得られる喜びを副業の後にとっておく必要があったのです。
その30分の時間枠を超過して、副業のブログ執筆に2時間を費やすこともよくありました。そして副業の後に、自分の時間を楽しんだのです。
一日のタスクを非常に限られたものに絞り込んで、確実にこなす必要があります。
何をするにしても、予定表を用意するのがよいでしょう。何事も事前に時間配分を可視化しておくのです。
副業に専念するための時間を設定しておくことは非常に重要です。それを私は「マイ・オフィスアワー」と呼んでいます。
5. マルチタスクを避け、1つのタスクに短時間で集中する
私は、タスクを1つ選び、それだけに集中することにしています。
これは「ポモドーロ・テクニック」と言って、タスクに集中的に取り組み、短い休憩を挟み、それから次のタスクを再開するものです。
自分の時間に区切りをつけることで、どんなことだろうと限られた時間内でできることに気づくことができました。
時間が限られると、集中力を極限まで高めなければならないので、むしろ能率が上がるのでしょう。時間が余っていると、何事も先延ばしにしてしまうものです。
自分のスケジュールを自分で完璧にコントロールできると、最高の気分になりますよ。
自分がどれだけ変われるのか、ということは自分でも分からないものです。私がタイムマネジメント・コーチとして最もやりがいを感じるのは、クライアントが一貫したスケジュールを数カ月間維持できたと言ってくれた時です。彼らが有意義に感じることに取り組めるよう、時間の自由を見つける手伝いをするのが、私の喜びなのです。