大富豪ながら地元ネブラスカ州オマハで質素な生活を送り、「オマハの賢人」と呼ばれ敬愛されるウォーレン・バフェット。
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- 投資家のウォーレン・バフェットは、リンカーン大統領が作ったという犬に関するなぞなぞがお気に入りだ。
- そのなぞなぞの答えは、賢い投資判断に役立つと彼は提唱している。
- 投資の初心者にもベテランにも役に立つなぞなぞを紹介しよう。
投資家ならベテランも初心者も関係なく、一度はウォーレン・バフェットの助言を参考にしたことがあるだろう。
経済誌『フォーブス(Forbes)』によると、投資会社バークシャー・ハサウェイ(Berkshire Hathaway)のCEOであるバフェットの資産は960億ドル(約12兆円)と推定されている。
「オマハの賢人」と敬愛されるバフェットは、株の売買だけで世界の長者番付に名を連ねる、世界最強の投資家だ。
しかし、億万長者のアドバイスを見つけるのは簡単とは限らない。彼の逸話やインタビューを深掘りしなければ、珠玉のごとき知恵は見つからないものだ。
以前、CNBCの情報サイト「メイク・イット(Make It)」が彼のお気に入りのアドバイスの1つとして、リンカーン大統領の古いなぞなぞを引用したものを掲載した。本記事では、投資の世界における成功だけでなく、日常生活にも役立つ、その助言を紹介しよう。
犬のなぞなぞ
バフェットは最近の株主への年次レターでも、このなぞなぞが好きな理由を説明しているが、今までにも何度かそれに触れている。
1992年のバークシャー・ハサウェイの年次書簡でも、彼は「会計管理者は、リンカーン大統領のお気に入りのなぞなぞを忘れてはいけない」と、このなぞなぞを引用している。
株主への最近のレターでは、彼が初めてそのなぞなぞを読んだ時からずっと頭から離れないと言及している。
「犬の尻尾を1本の脚と呼んだ場合、犬の脚は何本になるか?」
リンカーン大統領はこう質問したという。
その答えが投資に役立つ理由とは
投資の大きな決断を下す際などに、このなぞなぞを覚えておくと良いとバフェットが言うのには理由がある。
このなぞなぞは、幻想と事実を区別することの大切さという、単純だが忘れがちなことを思い出させてくれる。
なぞなぞの正解は「4本」。
リンカーン大統領は次のように答えたと、バフェットは株主への年次レターで続ける。
「答えは4本。なぜなら、尻尾を脚と呼んだからといって脚になるわけではないから」
バフェットが伝えたかったのは、定義を変えても現実は変わらない。あまりにもうますぎる話には慎重に、むしろ懐疑的であるべきだというメッセージだ。
バフェットはその手紙で、銀行家やCEOは、経費や財政赤字、会社にとって不利になり得る情報を省略し、完全に透明ではない形で「収益」を開示することが多いことを指摘した。
「ひとつの情報だけに頼るのではなく、複数の情報を集めること」
与えられた情報に頼るだけではなく、主体的に情報を集めて自ら精査するべきだ、ということが、バフェットのメッセージから得られる重要なポイントだ。
専門家を信じるのは簡単だが、自分でも背景を調査してそれを客観的に本当に理解し、信用できるかどうか最終的に判断することが大切だ。