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スノーピークが8万円の高級・初心者向けテント発売へ。社長「数年後、100万円のテント作りたい」

テント

スノーピークが発表した新型のエントリーモデルのテント「ランドネスト」。

撮影:横山耕太郎

アウトドア大手・スノーピークは、2023年夏に発表する新型テント「ランドネスト」を発表した。同社がキャンプ初心者向けの入門用テントを発売するのは、2018年以来となる。

ランドネストは大人2人、子供2人が宿泊できるMサイズが、テントとタープのセットで8万300円(税込み)という高価格。

原材料の高騰を受け、スノーピークでは2023年1月に多くの商品で値上げを発表したばかりのタイミングだが、過去に発売した初心者向けモデルよりも、さらに高額なテントを投入する。

キャンプブームを追い風に、ワークマンが5000円以下の入門者向けテントを発表するなど価格競争が進むが、スノーピークの強気の値段設定が鮮明になっている。

スノーピークは1996年から2020年まで社長を務めていた山井太氏が、2022年9月に再び社長に就任。2022年11月の決算会見で山井太社長は、「キャンプ用品という本業が疎かになっている部分があった。さすがスノーピークと思われる商品を、原点に戻って提供し続ける」と発言するなど、高品質なキャンプ用品への原点回帰を進める姿勢を示している。

テント設置のしやすさを追求

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スノーピーク開発部の朝倉良太氏。入り口部分を高く設計している点をアピールする。

撮影:横山耕太郎

新型テントは、幕張メッセで開催された展示イベント「TOKYO OUTDOOR SHOW 2023」のスノーピークブースでお披露目された。

「新型テントは、初心者がつまずく点を解消したこと、設営がしやすいこと、居住性の良さが開発のポイントです」

集まったメディア関係者らを前に、スノーピーク企画開発本部企画課の朝倉良太氏はそう説明した。

テント

新型テントの色は、自然になじむことを意識した新色「フィールドアッシュ」。

撮影:横山耕太郎

具体的には、テントの骨組みを外に出したアウトフレーム構造を採用することで、設置の際に初心者がよく迷ってしまう工程をよりわりやすくした。

またペグを打ち込まなくても、フレームだけで自立する設計にして組み立てやすくしたほか、入口の部分を高さ1.6メートル確保し、4面にメッシュ部分を設けるなど過ごしやすさも重視したという。 

新型テントは2023年5月頃から順次発売し、アジア市場でも同時期から販売予定という。

エントリーモデルでも高額化

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骨組みを外に出すことで、設置のしやすさを追求したという。

撮影:横山耕太郎

高い性能をアピールするだけあって、その分、値段も高い。

スノーピークでは過去にもこうした初心者向けのエントリーモデルを発売している。2018年に発売した「ヴォールト」は、当時の発売価格は税抜き2万9800円(現在は税込み4万1800円)だったが、今回発表したランドネストはテント単体で2万円以上高い、税込み5万1700円(Mサイズ)。以前のエントリーモデルより高額化した。

「エントリーモデルであっても、安さではなく『スノーピークらしさ』を追求して開発しています。他社よりも高いとは思いますが、安いだけで機能性が低かったり、初心者にとっては扱いが難しかったりすることもある。

アフターサービスも含めて考えれば、値段以上の価値を感じてもらえると思っています」(前出の朝倉氏)

低価格の競合は「全く関係ない」

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ランドネスト(M)の内部。大人2人、子供2人が宿泊でき、4面にメッシュ生地がある。

撮影:横山耕太郎

ワークマンなどが格安テントを打ち出しているが、スノーピークは競合環境をどう捉えているのか?

2022年12月期第3四半期(2022年1月〜9月)決算の説明会に出席したスノーピークの山井太社長は、記者から「ワークマンなど新規参入の低価格商品の影響はあるのか?」と質問され、「テントで言えば3万円、4万円以上が我々のプライスマーケット。それ以外は全く関係ない」と一蹴した。

スノーピークでは「永久保証」制度を謳(うた)い、商品が故障や破損した場合には修理を受け付けており、こうした付加価値戦略でファンを育ててきた。

資料

エントリーモデルも販売を伸ばしている。

出典:スノーピーク決算説明資料

実際、2022年12月期第3四半期決算を見ると、エントリー商品の売り上げは12億4500万円から15億5300万円に伸びている。

原料高を受けて、続く値上げ

値上げ表

2023年1月から値上げに踏み切った。スノーピークのウェブサイトを撮影。

撮影:横山耕太郎

ただ、キャンプ業界も円安や原料高を強く受けており、アウトドアブランド各社は2022年に値上げを断行した。

スノーピークも2022年1月に300品目を値上げし、2023年1月6日からも再び値上げを実施。 値上げ幅は商品によって異なるが、エントリーモデルとしても人気のあるテント「アメニティドームM」が税込み4万6200円から5万2800円になるなど、約500品番を対象に値上げした。

テントなど20%程度値上げされた商品もあり、SNSでは値上げを嘆く声も散見された。

11月には、「将来的には100万円テント」発言も

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2022年7月、イベントに登壇した山井太社長。当時は会長。

提供:スノーピーク

スノーピークは2022年にアパレル事業を成長させてきた山井梨沙社長の退任を発表。梨沙氏の父で先代社長の山井太氏が社長に就任したが、山井太社長はスノーピークの原点である「高品質のキャンプ用品」への回帰も打ち出している。

2022年11月の決算発表の席で山井社長は、次のように意気込みを語った。

僕が社長をやっている時よりも、良くなっているところと悪くなっているところがある。良くなったところは、キャンプの力、体験価値を打ち出し、ビジネスが広がったこと。前社長が残してくれたことで、しっかり継続していきたい。

悪くなっている部分は、キャンプ用品という本業が少し疎かになっている部分があった。さすがスノーピークと思われるような商品・サービスを、原点に戻ってサプライ(提供)し続けることが我々の肝のところ。私が陣頭に立って進めたい」

またスノーピークが注目する中国市場戦略も念頭に、さらに「高額テント」を開発していく可能性にも触れた。

「スノーピークは1988年に今のビジネスに参入したが、当時は9800円の雨漏りするテントと、1万9800円の雨漏りするテントが並んでいた。スノーピークはそこに16万8000円で完全な品質のテントを出した会社。まさに今それをやらないといけない。

2024年か2025年には、半分冗談で半分本気ですが、100万円のテントを作りたい。それは中国戦略にもなると思っています。そういうプライスラインでお客様が満足できる商品を作れるのは、地球上でスノーピークという会社だけですから」

編集部より:初出時、ランドネストの発売時期を「2022年」としていましたが、正しくは「2023年」です。2023年1月17日11:4019:33

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