近年、ギグエコノミーはブームになっている。
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- 2000人のフリーランサーを対象にした調査で、回答者の半数以上が退職後の生活のために一定額を貯蓄しなければならないというプレッシャーを感じていることが明らかになった。
- Talkerが報じたところによると、平均的なフリーランサーは仕事を引退するために少なくとも35万ドル(約4500万円)の貯蓄が必要だと見込んでいるという。
- あるギグワーカーは金融の知識と投資が引退の時期を見極める鍵になるとInsiderに語っている。
ギグエコノミー(オンライン上のプラットフォーム等を通じて単発もしくは短期の労働が行われるれる市場)で働く人やフリーランサーの多くは、仕事のスケジュールを自由に決め、自分がボスとなって働くことができる反面、健康保険や退職金の面で損をしている場合が少なくない。それでも、多くの人が退職するために努力をしている。
ウーバー(Uber)やドアダッシュ(DoorDash)といったアプリの台頭や、パンデミック時にリモートワークへの柔軟性が向上したため、近年はギグエコノミーがブームになっている。Insiderのマディソン・ホフ(Madison Hoff)とジェイコブ・ジンクラ(Jacob Zinkula)のレポートによると、2022年には過去最高の数のアメリカ人が従来の9時から5時のオフィスワークではなく、フリーランスの仕事を選ぶようになったという。
2000人のギグワーカーを対象にした市場調査機関、ワンポール(OnePoll)の調査では、回答者の75%が現在の仕事は退職後の目標達成に役立つと感じており、54%は退職前に一定の額を貯蓄しておかなければならないプレッシャーを感じているとTalkerは報じている。
「フリーランスが提供するあらゆる特典と同時に課題もある。健康保険、退職金、生命保険について自分で考えなければならないということだ」とこの調査を依頼したエバリー(Everly)のチーフ・イノベーション・オフィサーであるカルナ・トラウトマン(Karna Trautman)は述べている。
「適切な生命保険を選ぶのだったら、支払額が柔軟で、死亡保障が総支出の5倍から10倍となる手頃な現金積み立て型の保険を検討するといいだろう」と彼女は続けた。
Talkerによると、平均的なフリーランサーは58歳までに退職する計画を立てており、退職金として少なくとも35万ドル(約4500万円)が必要だと予測している。
37歳のギグワーカー、マシュー・ヒル(Matthew Hil)は、いつか引退する日のために、9時から5時の仕事をする同世代の人たちよりももっと経済的な知識を身につけなければならないというプレッシャーを感じているとInsiderに語っている。
ヒルはウーバーのドライバー、ドアッシュの配達人、そしてコンテンツクリエイターになる前は大学、専門学校、工場での仕事を試してみたが、自分で仕事のスケジュールを決めて、大企業に縛られない方がいいと気付いたという。
「自分の時間を使って何をしたいか決められるようになったら、自分のビジネスを学び、成長させるためにできることがある。私は常に投資先を探していて、色々なチャンスに巡り合えるようになった」
しかしヒルは、ギグワークからタイミングよく引退することは、金融の知識のある人だけが達成できることで、不規則な仕事をしているだけではそのマイルストーンに到達するには十分ではないと話している。彼は貯蓄の目標を達成するために、賢く投資をすることを提案している。
「自分で予算を立て、手持ちの資金で戦略を立てるのが本当に得意であれば、(ギグエコノミーは)素晴らしいものになるだろう」とヒルは話している。