小売業者は、ジレニアル世代の可処分所得を求めて争っている。
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- 「ジレニアル世代」とは、ミレニアル世代とZ世代の間の消費者層だ。
- ジレニアル世代の48%は両親と暮らしており、彼らは住宅ローンや家賃を支払っていない。
- それによって巨大な購買力があり、小売業者はジレニアル世代を取り込もうと考えている。
パワフルな少数の世代に注目が集まり、小売業者は彼らの可処分所得をめぐる争いを始めている。
「ジレニアル世代」または「ゼニアル世代」と呼ばれるおよそ3000万人は、1990年から2000年に生まれたミレニアル世代とZ世代の中間の世代だ。金融関連の出版社PYMNTSの最新の報告によると、ジレニアル世代がその年長者や年少者と異なるのは、購買力だ。
PYMNTSでは、ジレニアル世代のおよそ3分の1にあたる1100万人は家族とともに暮らしているとみている。アメリカ国勢調査局のデータではさらに高く、18歳から29歳のおよそ48%が両親と一緒に暮らしている。
つまり、この若い消費者層の大半は、家賃や住宅ローンを支払っていないことになる。安定的な収入とインターネット環境で育ったこともあり、ジレニアル世代は可処分所得の高い賢い買い物客になっている。
そして彼らは、ラグジュアリーな商品にお金をかける。モルガンスタンレーのアナリストは、両親とともに暮らしている若い消費者層は、食料品などの生活必需品を節約しているため、ラグジュアリーブームに拍車をかけていると述べている。
アナリストはこのトレンドを「業界にとって根本的にポジティブだ」と表現している。
マネジメントコンサルティング企業Bain&Companyの最新の報告によると、前の世代より3年から5年早くラグジュアリーな商品を購入し始めるこの世代によって、ラグジュアリーマーケットは2023年に21%成長すると予測されている。実際、ミレニアル世代とZ世代は、2019年にラグジュアリーマーケットの消費者のうち44%を占めていたが、2025年までに70%になると、QuartzはBain & Companyのデータを引用して報じている。
そして、小売業者はジレニアル世代の購買意欲を引きつけようと取り組みを始めている。
ナイキのジョン・ドナホー(John Donahoe)CEOは先日、若い消費者は最も革新的な商品やグローバルなブランドを求めているため、同社が彼らに注力していることをCNBCに明かした。
フィニッシュライン(Finish Line)などのスニーカーショップチェーンを所有するJDスポーツは、通常は110ドルで販売されているZ世代の定番商品であるエアフォース1が200万足以上売れ、若い消費者層がホリデーシーズンの売上を20%も押し上げたと語った。
ロイターによると、「消費者の購買力は以前よりも強い」とJDスポーツのレジス・シュルツ(Régis Schultz)CEOは語った。
「彼らは、光熱費も家賃も住宅ローンも支払う必要がない」