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- やる気が出ない時や気分が落ち込んでいる時は、短時間でもセルフケアをすると良いかもしれない。
- 15分でいいから深呼吸をしたり、友人に電話をかけたり、ペットに寄り添ったり、自然の中で過ごすなどしてみよう。
- 時間を作ってからだを動かしたり、日記をつけるのも良さそうだ。
今日は受信箱に届いた大量のメールに返信するより、スナック菓子を抱えてソファでだらだらしたい気分? 心配はいらない。誰にでも何もする気になれない時はあるものだ。
実は多くの人が"先延ばし"に悩む理由の1つがこれだと、Psychplusの精神科医ファイサル・タイ(Faisal Tai)氏は話している。
そういう日は、手軽なセルフケアが気分転換になるかもしれない。
セルフケアとは、自分のからだと心をいたわることだ。自身の暮らしを向上させたり、気分を良くする"何か"をするために時間を取ることだ —— 1日中何も食べていない自分のために料理を作るのもその1つだ。
ただ、セルフケアのために多くの時間を犠牲にする必要はない。15分以下で今すぐトライできる、セルフケアの方法をいくつか紹介しよう。
1. 外の空気を吸う
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頭をすっきりさせたり、思考を切り替えたい時は、環境を変えるべく外に出てみよう。2021年のレビューによると、自然に囲まれることとメンタルヘルスや脳機能の改善には関連があることをこれまでの研究は示している。
「自宅の裏庭でも田舎の小道でも、自然に囲まれて時間を過ごすことで集中力やマインドセットがリセットされます」と臨床心理士でRelief Mental Healthの臨床研修の責任者エリン・テラダ(Erin Terada)氏は話している。
散歩に出かけたり、運動を組み合わせてもいい。気が乗らなければシンプルに15分、裏庭やベランダに出て新鮮な空気を取り込もう。
2. 感謝の日記を始める
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日記は物事を楽観的に考えたり、気分の落ち込みや不安を和らげる助けにもなる。気が滅入る、何かに集中することができないと感じているなら、2、3分でいいから"感謝の日記"を書いてみよう。
「今日、自分がありがたいと思ったことは? 」といったシンプルな質問に答える形で書き始めてもいい。
そうすることで、これまで自分が当たり前だと思っていたことの価値に改めて気づいたり、これまで見過ごしていたことに目が向くようになるかもしれないと、テラダ氏は話している。
こうした感謝の気持ちは、幸福度や自己肯定感を上げる可能性がある。
ある研究では、週に1度ちょっとした感謝の手紙を書くことが健康増進につながると分かった。
3. お茶を飲む
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自分のための時間が必要? お茶を入れてみよう。
さまざまな種類があるお茶は、リラックスしたり、疲れを和らげる助けになるだろう。
また、緑茶やウーロン茶、紅茶など、アミノ酸の一種「L-テアニン」を含むお茶はわたしたちの気分を高める助けにもなりそうだ。
ただ、お茶にはストレスホルモンを増加させるカフェインも含まれている。けだるさよりも緊張を感じていて、リラックスしたい時は、カモミールティーなど、カフェインが含まれていないお茶を選ぶといい。
お気に入りのマグカップに好きなお茶を入れて、静かな場所で飲むことは"癒しの儀式"になるだろう。
4. おやつを食べる
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最後に何かを口にしてからしばらく時間が経っているなら、気分を上げるちょっとしたおやつを食べてみるのもいい。
例えば:
- バナナ、ターキーラップ:バナナやターキーにはセロトニンが含まれている。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれ、精神の安定につながる。
- ケールやホウレンソウのサラダといった葉物野菜:葉物野菜には抗酸化物質が豊富に含まれている。抗酸化物質はうつ症状の改善につながる。
- ヨーグルトやケフィア、キムチといった発酵食品:発酵食品は腸に「良い」バクテリアを運んでくれる。こうしたバクテリアは脳と腸のつながりを通じてわたしたちの気分に影響を与えてくれそうだ。
参考:ストレスによるやけ食いを避けたいなら、まずは自分がネガティブな感情を晴らすために食べようとしているのではなく、本当に空腹かどうか確かめよう。約37%の人はのどの渇きを空腹と勘違いすることがあると研究は示唆している。何か食べる前に水を飲んでみるのも良さそうだ。
5. からだを動かす
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運動ができる人は、からだを少し動かしてみるのも気分や活力を上げる助けになりそうだ。
ジムに行く時間がなくても大丈夫だ。1~5分程度の運動でも、疲れることなく集中力を高めるといったメリットが得られそうだ。
15分以下でできる簡単なエクササイズとしては例えば:
- スクワットや腕立て伏せといった筋トレ
- 軽いストレッチ、ヨガ
- 階段の上り下り
- 自宅でできる簡単なワークアウト(YouTubeで紹介されているワークアウトなどを参考にしてもいい)
- 家の周りを軽く散歩(部屋の中を歩き回るだけでもいい)
6. 音楽を聴く
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「音楽を聴くと気持ちが良い方向へ変わるでしょう」とカリフォルニア大学アーバイン校の心理科学教授でCompass Therapyの臨床部門の責任者ジェシカ・ボレリ(Jessica Borelli)氏は話している。
音楽は気分の落ち込みやストレスを軽減したり、リラックスにつながると研究は示唆している。何もする気が起きない時は、ちょっとした音楽を聴くことで元気になれるかもしれない。
ボレリ氏は好きな映画のサウンドトラックや高校時代に好きだった曲など、個人的なつながりのある曲を選ぶといいとアドバイスしている。
からだも少し動かしてみたいと思えば、立ち上がって音楽を聴きながら踊るのもいいだろう。
7. 友達と話す
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友人や家族と親しい関係にある人は、幸福度が高い傾向にあると研究は示唆している。
気分が落ち込んだり、孤独を感じた時は、親しい友人や家族に連絡すると物事を新しい視点で捉えられるようになるかもしれない。
短時間の電話やビデオチャットもいいし、ボレリ氏は少し時間を取って手紙を書くのもいいと話している。その日にあったことを書いてもいいし、相手に感謝の気持ちを伝えてもいい。
自分にとって相手がどのくらい大切な存在なのか、手書きの手紙で伝えれば、相手をより近くに感じられるだろう。
8. ペットをかわいがる
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セルフケアを実践するのに、必ずしも人間の親友に連絡する必要はない。
これまでの研究で、ペットと戯れることも孤独感を軽減し、気分を高めることにつながると分かっている。もふもふのお友達にしばらくかまっていなかったなら、少しの間かわいがってみるのもいいだろう。
犬とおもちゃを使って遊んでもいいし、ねこをなでながらまったりするのもいい。一緒に時間を過ごすことで「幸せホルモン」のオキシトシンが増し、元気がもらえそうだ。ペットとの絆を深めることは、ペットにとってもいいことだ。
9. 深呼吸をする
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手軽に頭をすっきりさせたいなら、ボックス・ブリージングといった呼吸のエクササイズをやってみるようテラダ氏はアドバイスしている。
ボックス・ブリージングは16秒でできる簡単な呼吸法だ:
- 4秒、ゆっくり吸って
- 4秒、息を止めて
- 4秒、ゆっくりと息を吐いたら
- 4秒、再び息を止めるだけだ
ため息をつくのも、気持ちを落ち着かせるいい方法だ。ため息はからだをリラックスさせることにつながるからだ。鼻から手短に2度吸ったら、口からふーっとゆっくりじっくり息を吐こう。これを3回繰り返すといい。
参考:呼吸のエクササイズは数分でできるので、ストレスを感じた時にその都度やってもいいし、普段から日々のルーティンに組み込んでもいい。
10. 笑う
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笑いはコルチゾールといったストレスホルモンを減らす一方で、セロトニンやオキシトシン、ドーパミンといった幸せホルモンを脳内に放出する。
緊張や退屈を感じたり、何だかやる気が起きない時は、自分が笑ってしまう何かをやってみよう。TikTokでかわいいペットの動画を見てもいいし、流行りのおもしろ動画を見てもいいし、お笑い番組を見てもいい。
ちょっとした笑いがその日1日のやる気につながるだろう。