オクタヴィア・スペンサーが、パリウッド・リポーターのインタビューでギャラの交渉術について語った。
Barcroft Media / Getty Images
- オスカー女優のオクタヴィア・スペンサーが最近のインタビューで自身の報酬の交渉術について語っている。
- スペンサーは、ハリウッドの有色人種の女性の賃金平等を声高に主張している。
- 彼女は最初のオファー額は決して受け入れず、自分の価値を知っているため、ギャラを下げる交渉には応じないという。
ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム(Hollywood Walk of Fame)に星が刻まれ、ハリウッドの殿堂入りを果たしたばかりのオクタヴィア・スペンサー(Octavia Spencer)には20年にわたる長く多彩なキャリアがある。スペンサーは、『ドリーム』ではインスピレーションを与える役を演じ、『サンダーフォース‐正義のスーパーヒロインズ』ではコミカルな演技を見せ、そして『マー‐サイコパスの狂気の地下室』では恐ろしい女性を演じるなど幅広い役をこなしてきた。
プロデューサーなど映画関係の仕事に就きたいと考えていたスペンサーは10代の頃、ウーピー・ゴールドバーグ(Whoopi Goldberg)主演の映画『ロング・ウォーク・ホーム』の制作現場でインターンとしてキャリアをスタートさせた。その後、1996年にサミュエル・L・ジャクソン(Samuel L. Jackson)、マシュー・マコノヒー(Matthew McConaughey)が出演した『評決のとき』で女優としてデビューした。2012年には、『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』で主要人物の一人を演じ、アカデミー賞助演女優賞を受賞している。
しかし、これだけのキャリアのあるオスカー女優のスペンサーでも、今でもいくつかの映画で「安値で買い叩かれる」ことがあるという。ハリウッド・リポーター(The Hollywood Reporter)の最近のインタビューで、なぜこのようなことが起こるのか、さらに交渉の際に対処する3つの方法についてスペンサーが語っている。
1. 最初に提示された額よりも高い額を要求する
スペンサーは、相手の最初の申し出には決して応じないことから始めるという。「私はいつも報酬額が上がる」と言い、「相手が提示するよりも多くの報酬を受け取るべきだ」と付け加えた。スペンサーは以前、有色人種の女優や俳優のハリウッドでの待遇の格差に注意喚起をしたことがある。
スペンサーは2018年、2011年の映画『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』で共演したジェシカ・チャステイン(Jessica Chastain)と協力して、最初に提示されたギャラの5倍をもらうことに成功した。スペンサーはチャステインに比べてギャラが低かったという。彼女は当時、「ギャラの公平性について話し合うには、有色人種の女性をテーブルにつかせなければならない」と話している。
彼女の視点は、このテーマに対して真っ直ぐであり続けている。
「女性や有色人種の女性は常に遅れをとってきた。映画のキャスティングでは、白人男性や黒人男性にその資金を集中させる。彼らはすべてのドルを使い果たし、小銭しか持っていないときにあなたのところにやってくる」
2.自分の価値を知り、多くを求め過ぎないことも大切
スペンサーは自分の価値を知ることが大切だと強調し、ギャラをいくら要求すればいいかを知るべきだと述べている。もしあなたがデンゼル・ワシントン(Denzel Washington)でないのなら、デンゼル・ワシントンのような額を要求してはいけないのだ。
「『デンゼル・ワシントンが作っているものを作る必要がある』というわけではない。私はデンゼルのように興行収入を上げる機会はなかったのだから」
大手企業の採用担当役員も同じことを述べている。交渉の際に「市場調査」の数字を使うことは、給与交渉の仕組みを理解していないことを示すことになるというのだ。代わりに、要求された数字について、ビジネスケースを構築するのが最善の策なのだという。スペンサーのケースでは、ギャラを主張する際にはすでにかなりの実績があった。「私は白人と同じように尊敬され、同じ報酬をもらいたいのだ」 と彼女は述べた。
3. 何度も交渉を繰り返さない
またスペンサーは、「交渉は必要なものだが、時間を費やすのは好きではない。相手が納得するかしないかだ」と話している。あなたに見合った額を提示してくれないのであれば、交渉は必要だと認めつつ、「私は何度も交渉するような人間ではない。もし希望額にならないのなら、その額を受け入れてくれる人は他にたくさんいるだろう」と述べている。
スペンサーの言うことも一理ある。男性の俳優のギャラはオスカー受賞後に大きく跳ね上がることがあるが、女性の場合は上がり方は低いことが多く、有色人種のオスカー受賞女優の場合はさらに低くなることがあるのだ。
だが、スペンサーはそのようなことを認めない。
「もしあなたが、以前と同じものを提供するのであれば、それはあなたが気に留めていないか、あるいは人を安く見積もってもいいと思っているということだ」