TikTokでは学ぶべき価値のある助言も見つかる(画像はイメージ)。
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- 最近、筆者はお金の管理法を学ぶ上でTikTokを大いに頼っている。だが、果たして、それが必ずしも賢いやり方なのだろうかと思った。
- 情報の発信元について調べ、自分自身の状況に合ったアドバイスを取り入れるべきだと、ファイナンシャルプランナーは言う。
- 動画を数回見て、何らかの宣伝が潜んでいないか確認し、自分の許容範囲を超えるリスクは取らないようにしよう。
私はさまざまな目的のもと、複数のソーシャルメディアで多くの時間を過ごす。最新のニュースをチェックするため、業界のプロたちとつながるため、純粋に娯楽のためなど、用途によって使い分けている。
最近はTikTokをよく利用しているが、それは上記の目的に加えて、キッチンで実験するのが好きな人から、お金について話すのが好きな人まで、あらゆるタイプの人たちから新しいことを学ぶためでもある。
そこで資産管理のコツや斬新な節約術を学び、最終的に暗号資産への投資を決めるキッカケになった動画もあった。だが、最高の資産管理アドバイスをTikTokから得ていると人に話すと、呆れた顔や疑わしげな顔をされる。確かに、TikTokにアップされているアドバイスがすべて従い倣うべきものというわけではないが、掘り下げて学ぶ価値のある助言も見つかるのだ。
それなら、どの助言に耳を傾けてどれを無視すればいいのか? 認定ファイナンシャルプランナーやアドバイザーに意見を求める以外に、まず自分でできる4つのステップを専門家の勧めと共に紹介する。
1. 情報の発信元を調べる
私がソーシャルメディアで得たうち、最高かつ最も実践的なアドバイスは、自らの個人的な経験をシェアしている人たちのものだ。しかし、お金の運用に乗り出したくなる話を聞いたり、FP技能士を名乗る人の資格を確認したいと思ったら、少し時間をかけて調べてみることをファイナンシャルプランナーのマイク・スン氏は勧める。
「ソーシャルメディアのおかげで誰もが観客を集めて意見を発信できるようになったことはエンパワーメントにつながる。だが、それは同時に、何の障害もなく専門家を自称できてしまうということでもある」とスン氏は言う。「情報発信者とその人の行動の動機を理解することで、提供される情報の背景がわかる。彼らは信頼できる資格や免許を持っているのだろうか?」
米国金融規制機構(FINRA)のブローカーチェック(Broker Check)を使えば、認定資格を持つ投資アドバイザーやブローカーに関する詳細な情報を得られる。また、CFPボード(CFP Board)のウェブサイトに行けば認定ファイナンシャルプランナーを名乗る人物が掲載されているかを確認できる。
2. 自分に合ったアドバイスを取り入れる
ソーシャルメディアには見切れないほどの情報が溢れている。なので、たとえば「確定拠出年金を始めるべきなのか?」や「今月新たにクレジットカードを作るならどれがベストか?」など、資産管理のアドバイスに関する動画を見るときには、その助言があなた自身のお金のニーズや現在の計画に合ったものかどうかを必ず考えよう。
たとえそれが評判の良い専門家のアドバイスでも、自分自身に当てはまるものかどうかを確認すべきだと、ファイナンシャルプランナーのジャスティン・モリス氏は指摘する。
「賢いアドバイスに聞こえるし、10万人のフォロワーを持つインフルエンサーの言葉だからといって、それがあなたの状況に合っているとは限らない。その分野のプロに確認しよう」とモリス氏は言う。「ソーシャルメディアは、アイデアを得るにはとてもよい場所だ。しかし、それを実践して成功をつかむためには、プロの助言を活かすのがベストだろう」
3. 意図を探る
ソーシャルメディアには宣伝がこっそり埋め込まれている投稿も多い。極めて巧妙に隠されていて、知らずのうちに月額9.99ドルかかるようなものに登録させられてしまう場合もありうる。ファイナンシャルプランナーのマックス・モリツ氏は、実際に行動を起こす前に必ず動画や記事を複数回見返すことを勧める。
「残念ながら、『お金のアドバイス』の中には商品の購入や有料プランの登録を促すものもある。私の経験上、動画や記事を見直すことで、それが純粋なアドバイスなのか商品の宣伝なのかを判断しやすくなる」とモリツ氏は言う。
4. 自分のリスク許容度を知る
ソーシャルメディアで目にするヒントやアドバイスをお金の管理に役立てるには、すでに自分で立てた計画にその情報を加える形で利用するのが一番だとも言える。ファイナンシャルプランナーのラスト・ゴゼ氏は、資産管理計画を立てることで自分にとってリスクを取れる範囲が明確になると言う。
「SNSで推奨されるような投機的な投資も、計画のコアの部分が軌道に乗っていれば、ポートフォリオの一部としていい働きをしてくれるかもしれない」と、ゴゼ氏は語る。
「自分が取れるリスクを理解しておけば、損失が出ても持ちこたえられるし、信頼できるファイナンシャルプランナーの助けを求めてもいいだろう。自分の家計状況をしっかり把握するのに役立つツールは、ネット上でも無料で手に入る」