テキサス州知事、州内の大学にTikTokへのアクセス禁止を指示

アボット州知事は12月6日、州政府機関に対し、政府が支給するすべてのデバイスで職員らがTikTokをダウンロードもしくは使用することを禁止するように指示し、理由はサイバーセキュリティー上の懸念があるためだとした。

｢TikTokはユーザーのデバイスから膨大なデータを収集する。そして、この慎重に扱うべきかもしれない情報の宝庫を中国政府に提供する｣とアボット州知事は指示の中で述べた。TikTokの親会社であるバイトダンス（ByteDance）は中国を拠点としている。

クリス・レイ（Chris Wray）FBI長官は12月、TikTokについて、国家の安全保障上の懸念があるとし、中国が同アプリを使い諜報活動目的でユーザーのデータを収集する可能性がある、と警告した。

テキサス大学ダラス校（University of Texas at Dallas）、テキサス大学アーリントン校（University of Texas at Arlington）、ヒューストン大学ダウンタウン校（University of Houston – Downtown）、テキサス州立大学（Texas State University）、ラマー大学（Lamar University）、テキサス大学サンアントニオ校（University of Texas at San Antonio）の担当者はInsiderに対し、大学支給のデバイスと講内の有線・無線ネットワークでのTikTokの使用を禁止したと述べた。

ヒューストン大学の広報担当者がInsiderに語ったところによると、アボット州知事の指示に従い、｢即座に｣大学が管理するすべてのTikTokアカウントを停止したが、構内の有線・無線ネットワークには何の変更も加えていないという。保有する2万台以上のデバイスのうち6台からTikTokを削除したと広報担当者は付け加えた。

A&Mの物理・天文学部はTikTokアカウントのプロフィール欄に｢今後投稿は行わない｣と記した。150万人のフォロワーには、 代わりにYouTubeチャンネルを案内している。同学部はこれまで定期的にTikTokに投稿しており、多くの動画が数百万回再生されていた。最後の投稿は、アボット州知事の指示が出される前日だった。

一方、テキサス州立大学とラマー大学の職員は、学校関連のアカウントは削除せずに、非公開にして、ロゴや連絡先といった学校のブランドはすべて削除するように指示されたという。

ラマー大学とテキサス大学ダラス校は生徒に対し、学生寮では引き続き、TikTokを使用して良いと伝えた。

テキサス州だけではない。アメリカの半数以上の州が、政府支給のデバイスでのTikTokを禁止した。アラバマ州のケイ・アイビー（Kay Ivey）知事、ニュージャージー州のフィル・マーフィー（Phil Murphy）知事、オハイオ州のマイク・デワイン（Mike DeWine）知事は、ここ数週でこの措置を講じた。他の州の大学でもTikTokをブロックするようになっている。

テキサス大学オースティン校は｢大学の機能をサポートするようなTikTokの正しい使い方｣、例えば法執行、調査、学術研究を例外とすることも検討するが、学長、テキサス大学システム（University of Texas System）の理事長、そして州知事の承認が必要になるだろうと述べた。

そしてもしも許可されたとしても、大学のWi-Fiや有線ネットワークからはアクセスできず、携帯電話サービスに接続されたデバイスが使えるだけになるだろう。

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