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2040年までに60歳以上人口が4億人に… 中国では「高齢者介護」が新たな課題に

中国の高齢者

Costfoto/Future Publishing via Getty Images

  • 中国では2040年までに高齢者数が4億人に達する見込みで、高齢化社会にどのように対応していくかが課題となっている。
  • 中国はまだ高齢者介護の経験が少ないと専門家らはInsiderに語っている。
  • 都市部における介護保険制度も試験導入されていて、これも1つの解決策だ。

2023年、中国は重大な局面を迎えた —— 1月17日、1960年代以来初めて人口が減少に転じたと発表した。

中国が取り組まなければならないのは、人口減少だけではない。急激な高齢化という大きな問題にも取り組まなければならない。

世界保健機関(WHO)では、2019年に2億5400万人だった中国の60歳以上の高齢者の数が2040年までに4億人を超えると見込んでいる。これは総人口の約3分の1にあたる。

「中国は1999年に高齢化社会になりました。2026年までに高齢社会に、2047年までには超高齢社会になるでしょう」とシンガポールにある南洋理工大学の公共政策・国際問題の助教サブリナ・ルク(Sabrina Luk)氏はInsiderに語った。

中国の高齢者の大半は自宅に留まり、子どもや孫に世話をしてもらうことになると見られている。

中国の高齢化問題に詳しいルク氏は、中国には年老いた親や親族を介護施設に入れることを恥と見なす風潮があると話している。親孝行は中国に深く根付いた価値で、多くの高齢者は自分の家で老いていきたいと考えているという。

慢性疾患や障害、認知症などで自宅での介護が難しくなると、介護施設に入らなければならなくなることもあるとルク氏は語った。

同氏によると、こうした問題を中国政府は少なくとも2006年から認識している。2016年以降、中国では上海や広州、成都といった15の都市で介護保険制度が試験導入されている。

保険適用の対象者や具体的な保険内容はそれぞれの都市が決めているとルク氏は話している。

ほとんどの都市では、働いている住民全員が負担しなければならない既存の保険プールから必要な資金を捻出しているため、人々は必ずしも長期的な介護を受けるために保険料を支払う必要はない。

ただ、こうした保険で賄われている施設は不足していて、施設によって受けられる介護の内容もバラバラだとルク氏は話している。

「ベッドが足りず、介護施設への入所を長く待たされる高齢者もいます。介護施設に入所していても、人手不足で適切な介護が受けられないこともあります」

介護施設で働くスタッフ向けの資格制度や標準化された研修も中国にはまだないと、ルク氏は指摘している。

オーストラリアにあるシドニー大学中国研究センターの責任者デビッド・グッドマン(David Goodman)氏は、充実した介護を受けられるかどうかは地方によって大きく異なり、裕福な州と貧しい州の間には激しい格差があるとInsiderに語っている。

「福祉に関することは全て、中央政府のやったことではないと覚えておかなければなりません。地方自治体、省、副省級市、県です。病院や学校は彼らの責任です」とグッドマン氏は話している。

シンガポール国立大学の公共政策学の准教授で『Journal of Infrastructure, Policy and Development』の編集者でもあるグウ・チンヤン(Gu Qingyang)氏は、中国は自らが課題に直面していること、その対応が遅れていることにようやく気付いたと話している。

「日本などの先進国に比べ、(中国は)10年ほど遅れていました。中国が一人っ子政策を撤廃したのはわずか6、7年前のことです」とチンヤン氏はInsiderに語った。

「もう5年早く手を打っていれば、状況は大きく違ったでしょう」

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