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風越学園、神山まるごと高専…成功した実業家はなぜ「教育」へ向かうのか【入山章栄・音声付】

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CHUTTERSNAP/Unsplash

今週も、早稲田大学ビジネススクールの入山章栄先生が経営理論を思考の軸にしてイシューを語ります。参考にするのは先生の著書『世界標準の経営理論』。ただし、本連載はこの本がなくても平易に読み通せます。

【音声版の試聴はこちら】(再生時間:9分28秒)※クリックすると音声が流れます


成功した起業家が教育事業に進出するわけ

こんにちは、入山章栄です。

最近、成功した起業家が、第2、第3の事業として教育分野を選ぶことが増えています。これは一体なぜなのか。今回はこの件について考えてみましょう。


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BIJ編集部・常盤

ここのところ、Sansanの寺田親弘さんが「神山まるごと高専」をつくったり、元楽天の本城慎之介さんが「軽井沢風越学園」をつくったりと、実業界の方が教育についてアクションをとられることが多いですよね。

海外でもマーク・ザッカーバーグ夫妻の財団が教育にお金を出したり、ジェフ・ベゾスが幼稚園をつくったりしています。入山先生もこの連載で何度か「神山まるごと高専」について触れていますが、なぜ成功した起業家は教育事業に進出するのでしょうか?


「神山まるごと高専」は日本中から飛び抜けた才能を持った子どもたちを集めようとしているユニークな学校です。いま、日本中からいろんな起業家が訪れて授業をしています。実は光栄なことに、起業家ではないですが私もその一人に選んでいただいておりまして、先日そのプロモーションのイベントで寺田さんと一緒に登壇したばかりです。

寺田さんは100億円を目標にしたファンドをつくり、その運用益で「神山まるごと高専」の事業を半永久的に回していこうとしています。

「軽井沢風越学園」はそこまでのご縁はないのですが、同校の理事の山崎繭加さんは、非公式ではありますが、僕のゼミの実質的な一期生なんです。たまにこの学校の話もうかがっています。


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

そうなんですか。先生も両校にご縁があるんですね。


いま軽井沢風越学園も神山まるごと高専も、ものすごい人気校になっています。風越は、もう簡単には入れないほどです。子どもを風越に入れるために、わざわざ軽井沢に引っ越す親御さんもいると聞きます。

ではなぜいま、起業家がこぞって学校をつくるのか。それはやはり、「世の中をよくするためには教育が一番重要だと思っているから」でしょう。

起業家の中には、「世の中に何かインパクトを与えたい」という思いの強い人が多い。そこで日本をよくするにはどうしたらいいだろうかと考えると、やはり最終的には教育なんですよね。これからの未来をつくるのは子どもですから、子どもにインパクトを与えるのが一番重要と考えるわけです。これは僕も同じ意見です。

だから成功した起業家は、次の事業として教育分野を選ぶのだと思います。別にいまの文科省の下にある既存の教育システムが絶対に悪いと言う気はありませんが、システムが古くなっているのに、それを変えにくいのが問題だと思います。

いまの文科省教育に欠けているもの


ayuko-tokiwa

BIJ編集部・常盤

起業家の方々から見ると、いまの文科省の教育には何が欠けているのでしょう?


それは大事なポイントですね。

教育に関心のある人はいろいろな議論をしていますが、例えば一般的な公教育ではあまり教えないけれど、「神山まるごと高専」で重視しているのが、テクノロジーとデザインです。

寺田さんは「世の中を変えるのは起業家だ」という思いが強く、起業家を輩出することを目指している。これからはプログラミング経由のものづくりの時代であり、そのためには全体の発想が必要だから、テクノロジーだけでなく、デザインを学ぶ必要があるという考えです。

風越は風越でまた別の考えがあります。同校では小学校1年から中学3年までの子どもが一緒に行動する、タテの班のようなものをつくり、その中で人間性を養っていこうとしている。これも既存の教育システムではなかなか難しい。

それから僕は先日、乙武洋匡さんと、慶應義塾大学の中室牧子さん、それからリクルート時代にスタディサプリをつくり、現在は発達障害の方のための教育事業であるLITALICOの副社長をしている山口文洋さんの4人で食事をしたんです。

そのとき僕以外の3人が口をそろえて言っていたのがこれでした。

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