岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」の“これじゃない感”。なぜ日本では「子どもを産み育てたい」と思えないのか

おとぎの国のニッポン

Lesley Photograph/Shutterstock

「今年のもう一つの大きな挑戦は少子化対策です。昨年の出生数は80万人を割り込みました。少子化の問題はこれ以上放置できない、待ったなしの課題です。(中略)小倉大臣の下、異次元の少子化対策に挑戦し、若い世代からようやく政府が本気になったと思っていただける構造を実現するべく、大胆に検討を進めてもらいます」

今年1月4日の年頭記者会見で、岸田首相はそう発言した。これを受けて政府は「異次元の少子化対策」の実現に向け、3月末をめどに少子化対策をとりまとめるとしている。

しかし1月19日に開かれた初会合で、

  1. 児童手当を中心とした経済支援策の充実
  2. 学童保育や一時預かり、産後ケアなどのサービス拡充
  3. 子育てしやすい働き方改革

が主要議題に据えられたと報じられ、「異次元」対策の目玉が児童手当の拡充であるらしいということが分かると、ネット上やメディアで、これが本当に「異次元」と呼ぶにふさわしいものか?という疑問の声を数多く目にするようになった。

「この10年が最後のチャンス」なのか?

ここへきてさまざまな政治家が少子化問題について発言するようになっているが、例えば、自民党の茂木幹事長の「この10年が少子化反転できる最後のチャンス」という言葉に対しては、「最初のチャンスから最後のチャンスまでの間に何をやってきたのか」「何度目の『最後のチャンス』なの?」といったツッコミをあちこちで目にした。私自身、「何を根拠に、あと10年も猶予があるというのだろう?」という疑問を感じた。

茂木氏の発言に関連して大拡散されていたツイートの一つは、「やす」さんという方のものだ。彼は人口動態のグラフを示しつつ、「残念ながら最後の10年のチャンスはとっくに終わりました」「第2次ベビーブーマーの45歳-55歳の女性たちが出産可能であった2003-2013年がラストチャンスだった」という指摘をしている。

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