ホームセンターでは、盗難防止のために電動工具の棚の多くに鍵をかけている。
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- 全米小売業協会によると、小売店での盗難は業界にとって約950億ドルの損失につながっているという。
- 4つの小売業者の店舗を訪れ、各店舗がどのような盗難防止策を講じているのかを見てきた。
- スパイダーラップや施錠された商品棚、防犯カメラなどが設置されていた。
全米小売業協会(National Retail Federation)によると、小売店での盗難によって、945億ドル(約12兆2700億円)相当の被害が出ているという
盗品をオンラインで転売していた男からサンフランシスコ警察が押収した20万ドル(約2600万円)相当の商品の一部。
San Francisco Police Department via AP
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盗難防止の専門家によると、小売店での組織的な犯罪が急増し、業界の問題を悪化させている
2022年3月16日、サフォーク郡地方検事レイモンド・ティアニー(Raymond Tierney)は、ニューヨーク州イースト・ハンプトンにあるバレンシアガ(Balenciaga)から数千ドル相当の女性用ハンドバッグを盗んだニュージャージー州に住む4人を起訴したことを明らかにした。
James Carbone/Newsday RM via Getty Images
ウォルマート(Walmart)のダグ・マクミロン(Doug McMillon)CEOを初めとする全国の大手小売企業の経営陣は、盗難が減らない場合は、店舗の閉鎖や価格の上昇を招くと警鐘を鳴らしている
ウォルマートのダグ・マクミロンCEO。
REUTERS/Jonathan Ernst
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我々はアメリカ中西部の大型店舗を数店舗訪問し、小売業者の盗難対策への取り組みを見てきた
ウォルマートはケンタッキー州ルイビルの店舗で、医薬品と美容の通路にカメラを設置している。
Ben Tobin
ウォルマートは、ケンタッキー州ルイビルの店舗の駐車場に、移動式監視カメラ「ロットコップ(lot cop)」を設置し、万引き犯を追い払おうとしている
ウォルマートでは駐車場にもカメラを設置して盗難の抑止に努めている。
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店内でも盗難の監視をしており、「防犯カメラ稼働中」「盗難が減れば価格を低く抑えられる」と客に注意を促す貼り紙があった
ウォルマートでは、美容・医薬品の通路に防犯カメラを設置し、盗難を抑止している。
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他の小売業者と同様、ウォルマートでは、美容品や電子機器など多くの商品は施錠されたガラスケースに入っており、購入したい場合、客は従業員に商品を取り出してもらう必要がある
ウォルマートでは多くの美容アイテムを施錠したガラスの扉で管理している。
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さらに、多くの商品はプラスチックの箱に入れられロックされていて、会計時に取り外す必要がある
ウォルマートでは一部の商品をプラスチックの箱に入れている。
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ウォルマートでは、店内の商品にスパイダーラップをかけ、商品が抜き取られるとアラームが鳴るようになっている
ウォルマートでは、多くの商品にスパイダーラップをかけ、盗難時にはアラームが鳴るようになっている。
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ウィスコンシン州マディソン近郊のディスカウント百貨店ターゲット(Target)でもスパイダーラップが使われていた
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棚に補充する前に、商品に取り付けるスパイダーラップがカートに入れられていた
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ターゲットのゲーム売り場では商品に紐をつけている。買い物客は商品を見ることができるが、購入する時にはスタッフの助けが必要となる
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ターゲットでは、ほとんどのパーソナルケア用品はそのまま棚に並んでいたが、緊急避妊薬のプランB(Plan B)はセキュリティボックスに入れられていた
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ターゲットの美容コーナーでセキュリティのためにRFタグが着けられていた他の商品は、つけまつげとネイルチップだけだった
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ターゲットは、ゲートキーパー・システムズ(Gatekeeper Systems)社製のカート回収システムでショッピングカートを守っている
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毎年推定200万個のショッピングカートが盗まれており、小売業者は推定8億ドル(約1037億円)の損害を被っている
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ウィスコンシン州マディソンにあるホームセンター、ホーム・デポ(Home Depot)では、正面入り口を監視している複数の防犯カメラのうち、1台は買い物客に自分たちが撮影されていることを知らせていた
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家庭用の電気ヒューズは、一度に何個も引き抜けないよう、回して取り外さなければいけない棚に吊り下げられていた
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ホーム・デポでは、高価格帯の電動工具が鍵のかけられたケージに入っていたが、試しに使ってみることができるかどうかは示されていなかった
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ホーム・デポでは、商品の入ったケージは南京錠で鍵がかけられており、店員自らが商品をレジに運ぶようにしている
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ホーム・デポではケージに入った一部のバッテリーパックにもRFタグが取り付けられていた
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だが、セキュリティタグの使われ方は店舗によって少しばらつきがあった
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ホーム・デポではこの釘打ち機のように商品に鍵をかけたり、実機ではない物を陳列したりしていた
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ケンタッキー州ルイビルにある住宅リフォーム・生活家電チェーンのロウズ(Lowe's)では、展示されている電動工具をスイスのパタコ(Pataco)社製の小型アラームで保護していた
ロウズでは、展示している電動工具を盗まれないよう、パタコのアラームを使用している。
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この店舗ではブロワーなど他の商品については、盗難防止対策をあまり強化しておらず、従来からある鍵をかける方法で安全を確保していた
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またロウズの店舗では電動工具を中心に、多くの商品を鍵のかかったケージの中に入れていた
ロウズでは、電動工具の多くはケージの中に入れられている。
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2023年から購入時に店側が起動しないと電動工具が使えない対策を取るとロウズは発表している
ロウズでは、電動工具を守るためにさまざまな工夫をしている。
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さらにロウズでは電動工具売り場の通路の数カ所に監視カメラを設置していた
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