パタゴニアの定番商品の一つ、トレントシェルジャケット。
リサイクル素材で作られたこのレインウェアは、数あるパタゴニア製品のなかでも高い支持を集める人気アイテムだ。
山でも街でも快適なレインウェア
メンズ・トレントシェル 3L・ジャケット 2万3000円。もちろん、ウィメンズもある。
撮影:高橋真紀
トレントシェルは、登山やハイキングなどのアウトドアアクティビティに向けて作られた。
天候が変わりやすい山でも機能するスペックは、タウンユースでも重宝する。
耐久性撥水(DWR)加工によって水をしっかり弾いてくれる一方で、汗などの湿気を逃す透湿性も高い。
急な雨でも安心だし、ジメジメとした天気でも快適に過ごせるという訳だ。
他にも、ジャケット内にこもった熱や湿気を一気に放出できる脇下のジッパーや、腕を上げたときにもたつかない立体的な縫製など、細やかな気配りが散りばめられている。
撥水加工が環境汚染の原因に
市販されている多くのウィンドブレーカーやレインウェアの耐久性撥水加工には、「PFC」と呼ばれるフッ素化合物が使われている。
しかし、実はこの物質の中には、環境にも人体にも深刻な影響を与える可能性があるものも。
すでにニューヨークでは、フッ素化合物の一つ「PFAS」の衣料品への使用を禁止する法律が定められ、2023年12月31日より施行予定だ。
土や水、空気に流れ込んだPFCは、自然界や体内で分解されにくく、ほぼ永久に環境に残留すると言われていて、私たちは食べ物を通してそれを摂取することになる。
PFCフリーでも撥水加工はそのまま
パタゴニアには、「トレントシェル 3L」以外にも、透湿性や携帯性が異なる2種類のシェルがある。カラーバリエーションも豊富だ。
撮影:高橋真紀
2023年春シーズンからのトレントシェルジャケットは、ついにPFCフリーになった。もちろん、耐久性撥水加工はそのままだ。
パタゴニアでは、2024年までに全ての撥水加工アイテムをPFCフリーにすることを目指しており、2022年秋冬シーズンは、撥水性加工を採用したアイテムの78%がPFC不使用のアイテムだった。
洗濯機でOK。お手入れは意外と簡単
アップデートされたジャケットの内側には、こまめな洗濯を促すこんなプリントが。
撮影:高橋真紀
ちなみに、撥水加工されたアイテムと聞くと、洗濯すると機能が下がりそうなイメージだが、むしろその逆だ。
汗やほこりなど、目に見えない汚れを放置することも撥水性や透湿性が低下する原因になり、製品寿命を縮めてしまう。
そのため、長く使い続けるためには、登山などアウトドアで使用した後はもちろん、日常使いであってもこまめに洗濯することが重要なのだそう。
とはいえクリーニングに出す必要はなく、自宅の洗濯機で洗い、低温の乾燥機にかけるか自然乾燥するだけでよいのもありがたい。詳しいお手入れの方法は、こちらから確認できる。
SDGsが叫ばれるずっと前から、変わらずサスティナブルでエシカルなパタゴニア。時代をリードする姿勢は健在のようだ。