撮影:Business Insider Japan
今年も2月3日の節分に合わせ、恵方巻の販売商戦が過熱している。
ただ、イベントとして盛り上がりをみせる一方で、近年では売れ残りによる食品廃棄(フードロス)問題や、過度な販売競争によって社員・アルバイトへの販売・購入ノルマなどが課されている問題などが指摘されている。
セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの大手コンビニ3社に今年の対応を聞いた。
ラインナップは充実。各社「予約販売」を前提
コンビニ各社の恵方巻ラインナップ。
各社へのヒアリングをもとに編集部が作成。
各社の恵方巻のラインナップは豊富だ。
どのコンビニも有名飲食店の監修や高級食材を使った「高価格商品」と、リーズナブルな値段の通常商品を用意している点は共通している。
そんな中、ローソンでは、余剰在庫や規格外となって廃棄されてしまう可能性のあった食品を使った、アップサイクル恵方巻「もったいない!海老カツ恵方巻」を関東甲信越地区限定で販売した(現在は予約受付終了)。恵方巻の販売によって、フードロスを削減しようという取り組みだ。
ローソンによると「もったいない!海老カツ恵方巻は、数量を上回るご注文をいただいたため、予約を終了いたしました」という。
恵方巻の販売形式。「予約販売」が基本路線だ。
各社へのヒアリングをもとに編集部が作成。
フードロス問題を考える上で注目したいのが、商品の「販売形式」。
ローソンは「原則予約制」。セブンイレブンは有名店監修の2品を予約限定で販売。他商品については「事前予約と各店舗のニーズに合わせ、店頭での販売」とハイブリッドのスタイルだ。ファミリーマートは予約特典をつける形での販売と、各社「予約」を前提とした考え方になっている。
なお、2月1日の段階では、各社の予約は既に終了している。
廃棄量は「非公開」。ノルマは「課していない」
年々厳しい目にさらされているフードロス問題だが、実際のところ、例年どの程度廃棄されてしまっているのか。3社に問い合わせてみたものの、残念ながら各社からは「具体的な廃棄量の数字については公開できない」との回答があった。
ただ、フードロス対策については、上述した通り各社「予約販売」を強化する流れになっており、各社とも多かれ少なかれ問題意識は持っていることが伺える。セブンイレブンからは、「予約強化等を通じて、ほぼ売り切りの状況となっております」と一定の効果を上げているとの回答もあった。
また、度々指摘されている社員やアルバイトへの「ノルマ」についての認識を問うと、各社「ノルマは課していない」と回答している。