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- 今話題のChatGPTの影響で、AI関連銘柄の株にも注目が集まっている。
- エヌビディアやアンバレラといったAI技術を提供する企業の株は、ChatGPTの公開以降、盛んに取引されている。
- OpenAIが2022年11月30日にChatGPTを公開して以来、急騰した5つのAI関連銘柄を紹介する。
ChatGPTが大きな話題になっている。この波に乗って投資家もAI(人工知能)関連銘柄の株を盛んに取引したことで、これらの株価は有名無名にかかわらず急騰している。
OpenAIが開発したChatGPTは2022年11月30日に公開された。それ以来、株関連の記事や、解雇通知メール、さらにはデートアプリのメッセージなど、あらゆるテキストを生成する能力を発揮している。
このことは大きな話題となり、OpenAIはマイクロソフト(Microsoft)から100億ドル(約1兆3000億円)の投資を受ける予定とも報じられている。OpenAIは上場していないが、上場しているAI関連銘柄はこの波に乗っている。
ChatGPT公開前の11月29日以降に急騰した5つのAI銘柄を紹介する。
エヌビディア(Nvidia)
株価上昇率:23%
GPUの設計・製造で知られるエヌビディア(NVDA)は、AIの発展において欠かせない存在であり、同社のテクノロジーは自動運転車からロボットにいたるまでさまざまなAIの統合に利用されている。
ブルームバーグのデータによると、エヌビディアの株価上昇により、創業者でCEOのジェン・スン・フアン(Jensen Huang)の資産は今年になって約50億ドル(約6500億円)も増えている。
ウォール街も強気だ。シティグループのアナリストはChatGPTのブームにより、今後12カ月間でエヌビディアの売上は30億ドル(約3900億円)から110億ドル(約1兆4300億円)に増えると推計している。「エヌビディアはChatGPTで、潜在的に重要なコンピューティング需要を推進する力を得たと我々は考えている」とアナリストは述べている。
一方、バンク・オブ・アメリカ(Bank of America)のアナリストは、ジェネレーティブAI(生成AI)の成長によりトップに躍り出るのはエヌビディアだと述べ、ウェルズ・ファーゴ(Wells Fargo)は、エヌビディアの新たなチップは、ChatGPTなどのAIツールからのさらなるコンピューティング需要により、ますます収益を伸ばすだろうと述べている。
アンバレラ(Ambarella)
株価上昇率:26%
アンバレラ(AMBA)もAI市場に製品を提供する半導体メーカーだ。自動車のエンターテインメント・コンソールからスマートフォンまで、あらゆるものに使用される半導体を設計している。
また、複数のCPUを1つのロジックボードにまとめ、AIコンピューティングを実現するSoC(システムオンチップ)の製造も行っている。
同社のチップは自動運転車にも搭載されている。1月にはドイツの自動車部品大手、コンチネンタル(Continental)と提携し、自動運転用のソフトとハードのシステムを共同開発することになった。
モービルアイ(Mobileye)
株価上昇率:39%
モービルアイ(MBLY)はインテル(Intel)からスピンオフ(分離独立)し、チップやカメラなどの自動運転技術や運転支援システムの開発に注力している。顧客にはフォルクスワーゲン(Volkswagen)、フォード(Ford)、GMなどが名を連ねている。「スーパービジョン」というほぼ完全な運転支援機能を提供するほか、レベル4の自動運転システムを実現できる車載SoCも開発している。
同社は1月26日に行われた2022年第4四半期の決算報告で、売上高が市場予想を上回り、2023年の収益見通しを上方修正したことを明らかにした。アムノン・シャシュア(Amnon Shashua)CEOは、2030年までに170億ドル(約2兆2000億円)相当の収入を見込んでいると強調した。
「スーパービジョンは、2023年以降も非常に大きな成長ドライバーになると期待している」と、彼は決算報告会で語った。
C3エーアイ(C3.ai)
株価上昇率:61%
C3エーアイ(AI)は、生成AIの製品群を提供するソフトウェア企業だ。ChatGPTが成功したことで同社の株価も急騰している。同社の製品にChatGPTを統合するというニュースにより、株価は1月31日だけでおよそ28%急騰した。
「『C3ジェネレーティブAIプロダクトスウィート』は、Open AI、グーグル(Google)、学術界による最新のAI機能と、ChatGPTやGPT-3などの最先端のモデルを、C3エーアイのエンタープライズAI製品に統合したものだ」と同社は1月31日のプレスリリースで述べている。
アルテリックス(Alteryx)
株価上昇率:28%
アルテリックス(AYX)はデータアナリティクスのソフトウェアでよく知られているが、自動化の促進にも注力している。グーグルやメタ(Meta)といった同業他社に比べると規模は小さいが、AIの統合を専門としている。
同社は2月9日に四半期決算を発表する予定だ。