無料のメールマガジンに登録

平日17時にBusiness Insider Japanのメルマガをお届け。利用規約を確認


大卒高収入のアメリカ人男性は、労働時間を減らし始めた…「静かな退職」ではなく、公然と

全米経済研究所の新たなレポートによると、大卒で高給取りの男性が、労働時間の短縮をリードしていることが明らかになった。

全米経済研究所の新たなレポートによると、大卒で高給取りの男性が、労働時間の短縮をリードしていることが明らかになった。

Catherine Falls Commercial/Getty Images

  • 大卒で年収10万ドル以上の男性は、労働時間の短縮に拍車をかけている。
  • 彼らは、アメリカ全体の労働時間の短縮をリードしている層だ。
  • 大卒でない男性は、社会的・経済的な将来性を見い出せずに退職している。

全米経済研究所(NBER)が公開した新たなレポートによると、アメリカでは大卒で年収10万ドル(約1300万円)以上の男性が、労働時間の短縮をリードしていることが分かった。

レポートを共同執筆した経済学者のヨンソク・シン(Yongseok Shin)は、通常、高給取りの男性は同世代の他の男性よりも労働時間が長いことが多いとInsiderに語っている。つまり、他の労働者をリードする状態を保ちながら、より多くの労働時間を短縮できたということだ。

「高学歴で勤勉な高給取りは、よりよいワークライフバランスのために労働時間を減らしているようだ。これこそが『静かな退職』の核心になっている」とシンは言う。

しかし、アメリカでは、何百万人もの男性が完全に離職して全体の労働時間が著しく減少している。それは労働市場が逼迫する一因にもなっており、労働力不足が恒常化している。

アメリカ人男性は仕事との関係性を見直すようになっている。これは所得階層、教育レベル、仕事の種類を問わず当てはまることが調査によって明らかになっているが、ボストン連邦準備銀行の調査では、この傾向は主に白人男性に当てはまると指摘している。

「労働参加率の低下は、グレート・リセッション以降に見られるようになった傾向だ」とNBERのレポートに記されている。

「労働時間の短縮は、パンデミックによって誘発された新たな現象だが、それが定着する可能性が高いことを示す証拠もある」

アメリカ人男性は収入レベルによって、仕事を減らすか、辞めるかしている

ボストン連銀が2022年12月に発表したレポートで25歳から54歳までの「プライムエイジ(働き盛り)」のアメリカ人男性の約9人に1人が、まったく働いていないことが明らかになった。これは70年前の50人に1人とは対照的だ。

この数字に拍車をかけているのは、大卒でない男性だという。その理由の1つは給与だ。彼らの相対収入(平均収入と比較した数値)は、インフレを考慮すると1980年以降、30%減少している。

さらに大卒でない男性は、他の労働者よりも収入が低下すると、退職したり、仕事を探すのをやめたりする傾向が強いという。仕事は社会的地位の反映であり、給与が上がらないということはその地位や結婚適性に悪い影響を与えると多くの男性が感じているとボストン連銀は結論付けている。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み