利上げを縮小も、インフレとの戦いの継続を示唆…「あと2回利上げ」米FRB議長

2023年2月1日、ワシントンDCで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見でのジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長。FRBは0.25%の利上げを行い、政策金利を4.50~4.75%のレンジにすると発表した。

2023年2月1日、ワシントンDCで開催された連邦公開市場委員会(FOMC)後に記者会見を行うジェローム・パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長。

Kevin Dietsch/Getty Images

  • アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は2月1日、0.25%の利上げを発表した。12月から連続して上げ幅が縮小されたことになる。
  • ジェローム・パウエルFRB議長は、金融引き締めは継続するとし、インフレ対策としての利上げは不十分であるよりも、やり過ぎるぐらいの方がよいとの考えを示した。
  • つまり、景気後退の懸念が続く中、アメリカ人は今年もさらなる引き締めに耐えることになる。

アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は、利上げを一時停止する前に、インフレとの戦いがうまくいっていることを確認したいと考えているようだ。

2023年2月1日、FRBは0.25%の利上げを発表した。利上げのペースは2022年12月の0.5%からさらに減速する。これは、アメリカがパンデミックから回復しつつあることが、インフレ率の鈍化(12月の前年比で6.5%の水準)や経済成長のデータに示されており、それにFRBが対応しているということであり、インフレ水準をパンデミック前の2%に戻そうというFRBの努力の現れでもある。

しかし、だからといってFRBが物価を抑えるための引き締めを終えたわけではなく、ジェローム・パウエル(Jerome Powell)FRB議長は記者会見で、インフレ対策としての利上げは不十分であるよりも、やり過ぎるぐらいの方がよいという考えを示し、次のように述べた。

「不十分なことしかせず、6カ月か12カ月後に、実はもう少しだったけれどうまくいかずにインフレが戻ってきたら、また元の状態に戻らなければならなくなる。そして今度はインフレ予想が揺らぐことを心配するというリスクを懸念している。もちろん、過剰に引き締める動機も願望もないが、やりすぎてインフレが予想より早く収まってきたと感じたら、それに対処する手段はある」

2022年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事録では、2023年の利下げが適切と考える参加者は1人もいなかったと記されている。パウエル議長はその考えを改めて示し、2023年中に「あと2回」利上げすることが正当だと述べた。

つまり、アメリカ人は今年もある程度、経済的苦痛を味わうことになりそうだ。それが景気後退につながるかどうかは、まだ分からない。Insiderが以前報じたように、利上げのような金融政策の成果を消費者が実感するまでには時間がかかることから、パウエル議長は利上げ幅を決定する際にそうした時間差を考慮に入れていると述べていた。

Popular

あわせて読みたい

BUSINESS INSIDER JAPAN PRESS RELEASE - 取材の依頼などはこちらから送付して下さい

広告のお問い合わせ・媒体資料のお申し込み