超加工食品には、ソフトドリンク、パン、菓子、シリアル、加工肉、インスタント食品などが含まれる。
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- 超加工食品を多く食べる人はがんになりやすいことが、最新の研究でわかった。
- 食事に含まれる超加工食品の量が10%増えるごとに、がんのリスクが2%上がるという。
- 超加工食品には、菓子、加工肉、インスタント食品などが含まれる。
最新の研究によると、超加工食品を多く食べる人はがんになりやすい。
この研究はイギリスの平均年齢58歳の被験者約20万人を対象に10年にわたって行われた。研究者は超加工食品を食べる量と34種類のがんについて分析している。
超加工食品には、ソフトドリンク、工場で大量生産されるパン、菓子類、シリアル、加工肉、インスタント食品が含まれる。
イギリス心臓病支援基金によると、一般的に超加工食品には「5種類以上の原料と、防腐剤、乳化剤、甘味料、人工着色料、人工香料などの工業物質が含まれている」という。
これは、アメリカやイギリスなどの人々の食事で大部分を占める超加工食品と、特定の病気のリスク増加に関連性を見つけた最新の研究で、超加工食品を最も多く食べる男性は29%も結腸がんや大腸がんにかかりやすいとした2022年のアメリカの研究に続くものだ。
イギリスでの研究を行った研究者は、超加工食品を多く食べる中年は、一般的にがんや脳腫瘍、卵巣がんなどの特定の病気になるリスクが大きく上がると結論づけた。
被験者の食事に超加工食品が10%増えるごとに、がんのリスクが2%、卵巣がんのリスクは19%も上がるという。
がんで死亡する確率も超加工食品を食べる量が増えるほど高くなる。超加工食品が10%増えるごとに、死亡リスクは6%、乳がんでの死亡リスクは16%、卵巣がんの死亡リスクは30%も上がる。
eClinicalMedicineに論文を発表した著者のキアラ・チャン(Kiara Chang)博士はプレスリリースで「イギリスの平均的な人は、日常的なエネルギー摂取量の半分以上を超加工食品から摂取している」と述べた。
「超加工食品はあらゆる場所にあり、消費を促すために、低価格と魅力的な包装で販売されている。超加工食品から人々を守るために、我々の食環境を早急に改善する必要があることが示された」
「超加工食品とがんに関するさらなる研究が必要」と専門家は述べた
今回の研究には関わっていないが、イギリスのロンドン大学キングス・カレッジの栄養学者のトム・サンダース(Tom Sanders)名誉教授は、超加工食品を多く食べる人とそうでない人の違いには、喫煙、肥満、運動の有無など統計的に有意な差が多くあり、研究でそれらを考慮することは「統計的にはほぼ不可能」だと話した。
「この種の研究は、さらなる調査が必要な新しいリスクファクターを見つけるために有効だ」と、彼は話した。
「だが、超加工食品の定義は漠然としており、因果関係の確立することには問題がある」
イギリス栄養財団(British Nutrition Foundation)の栄養科学者で、今回の研究には関わっていないサイモン・スティンソン(Simon Steenson)博士は「食事において超加工食品の割合が高いことは、全体的に栄養面で貧しいことのマーカーとなる可能性がある」と述べた。
貧しい食事は「エネルギー、飽和脂肪酸、塩分、砂糖が多く、果物、野菜、食物繊維、必須栄養素が少なく、健康に悪影響をもたらすことで知られる」と彼は述べた。
「超加工食品のコンセプトに関する問題は、このカテゴリーには食物繊維や必須ビタミンやミネラルを含む全粒粉パンや、食物繊維は多いが糖分が少ないシリアルなど、重要な栄養素を供給する一般的な食品も含まれていることだ」
これらの食事は、健康的でバランスのとれた食事の一環として重要で、栄養のある食事の基本を作る手頃な選択肢を提供できると彼は話している。