カリフォルニア州マウンテンビューにあるグーグル本社。
Tayfun Coskun/Anadolu Agency via Getty Images
- 2月6日、グーグルの親会社アルファベットの株価は荒い値動きとなった。人工知能に関する競争が激化しているためだ。
- サンダー・ピチャイCEOは同社のブログで、AIチャットボット「Bard」を発表した。
- その数分後、マイクロソフトは2月7日のChatGPTを開発するOpenAI絡みのイベントを告知した。
グーグル(Google)の親会社、アルファベット(Alphabet)の株式は2023年2月6日に荒い値動きとなった。ChatGPTの台頭で、人工知能(AI)に関する競争が激化しているためだ。
アルファベットのサンダー・ピチャイ(Sundar Pichai)CEOが、「Bard」と名付けられらた同社独自のチャットボットについて、まずはテスター向けの早期アクセス版を公開し、その後数週間で一般に公開されるとブログで発表すると、株価は動き始めた。
「Bardは、世界の幅広い知識と、我々の大規模言語モデルのパワー、知性、創造力との融合を目指す」とピチャイは記している。
Bardはグーグルの、会話アプリ用言語モデル(Language Model for Dialogue Applications:LaMDA)を搭載している。ピチャイによると、少ない計算能力で、サービスはより広範囲に、より多くのユーザーが利用できるようになるという。
アルファベット株はすぐに安値から回復し、日中の損失を大幅に縮小、104ドル(約1万3600円)へと近付き、プラス圏目前に見えた。
だがその数分後、ChatGPTを開発するOpenAIに出資するマイクロソフト(Microsoft)が、2月7日に行うイベントについて詳細を伝えた。
本社で対面イベントを行うとの招待状は先ごろ配布されていたが、2月6日に公式に発表した。開始は午後1時(アメリカ東部標準時)で、ChatGPTを取り上げると見られ、マイクロソフトのサティア・ナデラ(Satya Nadella)CEOは、「エキサイティングなプロジェクトの進捗を共有する」と約束していた。
すると、アルファベット株は突如、再び2%安の102.83ドル(約1万3500円)まで下落し、Bardの発表で得た利益のほとんどを失った。
ChatGPTの成功と人気の興奮がここ数週間、人工知能関連銘柄への関心に拍車をかけている。
ChatGPT側は、さまざまな業務に対応できる能力を見せ付けている。例えば株の記事、レイオフを通告するメール、デーティングアプリのメッセージまでも書いている。
この急速な成功を、アルファベットの一部の部門では、自社の検索ビジネスにとって脅威となる可能性を懸念していると報じられている。
「すぐに、検索でAIを使った機能を目にすることになるだろう。複雑な情報や多様な視点を分かりやすい形に抽出する機能だ。これで、全体像をすばやく把握し、ウェブからより多くのことを学べるようになる。例えば、ピアノとギターが弾ける人のブログから新たな視点を求めたり、初心者が始める手順といった関連の話題を掘り下げたりすることだ」とピチャイは記した。
その後、アルファベット株は2月7日の終値で107.64ドル(約1万4085円)まで上昇した。