Courtesy of LTK
クリエイターに特化したショッピングプラットフォームLTKは、ソーシャルメディアがオンラインと店舗でのショッピングの仕方に変化をもたらしていることを明らかにした。
2023年1月に同社が発表した「クリエイター主導型ショッピングの現状(The State of Creator-Guided Shopping)」と題したレポートによると、Z世代がソーシャルメディアをきっかけに買い物をする機会が増えるなか、動画コンテンツは静的コンテンツよりも売り上げを伸ばしており、クリエイターやマーケターはこのフォーマットに注力するようになっていることを示している。
33ページから成るこのレポートには、LTKが2022年12月にアメリカ在住の1018人を対象に実施した世代別・世帯収入別のオンライン調査や、LTKが独自に同プラットフォーム上のブランド、クリエイター、買い物客と協力して分析した結果が掲載されている。
LTKのブランドパートナーシップ戦略・インサイト担当ディレクターのアリー・アンダーソン(Ally Anderson)はInsiderの取材に答え、2023年はクリエイターが消費者の購買行動のあらゆる面で影響を及ぼすだろうと予想する。
「この大きく強固なトピックをめぐってはいろいろな議論がありますが、そのメッセージは、クリエイターがブランドや小売業者の柱となるべきであり、今後もそれは変わらないということです」(アンダーソン)
以降では、LTKのレポートから2023年に注目すべき6つの重要なポイントを紹介する。
1. ショート動画コンテンツが急増
営業ツールとして、動画コンテンツは静的コンテンツを凌駕しつつある。LTKの調査によると、流通取引総額(GMV)という指標において、動画コンテンツの前年比成長率は静的コンテンツの3倍を示している。また、回答者の66%が静止画よりも動画の視聴を好むこと、57%がソーシャルメディアでインフルエンサーの動画を視聴していることが分かった。
LTKのプラットフォームを利用するマーケターは、特にショート動画に注力しており、ブランドとクリエイターのコラボレーションによるショート動画施策は、2022年には前年比5倍にもなっている。
2. Z世代に会いたければZ世代がいる場所に行かなければならない
同調査によると、オンラインで買い物をしたことがあるZ世代は実に100%で、うち79%がソーシャルメディアを使って買い物をしたことがあるという。その際には、クリエイターやそのコンテンツから何らかのヒントやおすすめ、お買い得情報を得たいと考えている。
ショッピングの目的で最もよく使うプラットフォームはインスタグラム(Instagram)であり、ティックトック(TikTok)、ユーチューブ(YouTube)と続く。
前出のアンダーソンはZ世代のインフルエンサーについて、次のように話す。
「ブランド企業は、Z世代と仕事をすることを一過性の戦略として考えるべきでありません。『コンテンツを通じてあらゆるタイミングで消費者にインスピレーションをもたらすにはどうするか』を考えるべきです」
3. 消費者はクリエイターが推奨する商品を店頭で購入している
インフルエンサーは、オンラインだけでなく店頭でおすすめ商品を購入するように消費者を誘導している。ミレニアル世代の42%、Z世代の44%が、クリエイターが推奨する商品を購入するために店舗に行ったことがあると回答している。
アンダーソンによると、この事実は、クリエイターのオンライン投稿がオンラインとオフラインの両方での購買につながっていて、ブランドにとって効率的なマーケティングチャネルになり得ることを示しているという。
4. Z世代とミレニアル世代は、お気に入りのインフルエンサーのように買い物をしたいと考えている
Z世代とミレニアル世代は、購買を決定する際に最も説得力があるきっかけとしてインフルエンサーのコンテンツ、ブランドのコンテンツ、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の順でランク付けしている。
アンダーソンは、ブランドのソーシャルメディアチャンネルだけでなく、現実の生活の中で触れる広告や店内のPOPにおいてもインフルエンサーのコンテンツがさらに重視されるようになるだろうと話す。
5. Z世代とミレニアル世代はクリエイターが発する商品情報を信頼している
同調査によると、Z世代とミレニアル世代は、商品情報やおすすめ商品を検索する際、ブランドサイトよりもTikTokやInstagramを重視している。
つまり、ブランドがこうした若年層にリーチするには、インフルエンサーを通じてどのように商品情報を伝えるかを考えなければならないということだ。
6. マーケティング全体の意思決定にクリエイターデータが活用されるようになる
クリエイターのデータは、商品選択、在庫確保、長期的な消費者の感情の測定などブランドの意思決定に影響を及ぼしている。そのため、ブランドは商品レベルのデータ、トレンドレポート、ブランドインパクトレポート、ベンチマーキングを通じて、クリエイターのデータをより詳細に追跡するようになるとLTKはレポートに記している。