百貨店などではバレンタイン商戦が本格化しているが、今年はチョコの値段があがっている。
編集部撮影
2月14日のバレンタインを前に、チョコレートにも値上げの波が直撃していることがわかる調査が公表された。
輸入ブランドは33円アップの433円に
帝国データバンクによる「2023年シーズン『バレンタインチョコレート』価格調査」(2月7日発表)によると、1粒価格は昨年から約7%上昇。
2023年は135ブランドのうち80ブランドで値上げが判明し、平均価格は1粒390円に。前年の365円に比べると、7%(25円)の上昇となった。
このうち、国内ブランドは前年から18円アップの355円、ハイブランド品が多いフランスやベルギーなどインポート(輸入)ブランドは33円アップの433円だった。
インポートブランドの値上げ幅が大きい要因としては円安があるとみられる。
特に輸入チョコレートの値上げ幅が大きい。
帝国データバンク
円安と物価高がバレンタインを直撃
また、今年2月の約5500品目に及ぶ大規模な食品値上げラッシュの影響もある。
チョコの製造に欠かせないカカオ豆の価格は、昨年12月に比べ、円ベースで推定2割上昇した。
エネルギー価格の上昇に加え、海外からの輸入量も多く円安の影響を受けやすい砂糖、飼料代や電気・ガス代の上昇で取引価格が引き上げられた牛乳のほか、チョコを包むアルミ箔やセロハン、箱などの包装資材も値上がりした結果、チョコレートの値段が上がったと見られている。
カカオ豆、牛乳、砂糖など原材料の多くが値上げされた。
帝国データバンク
「個数を減らす」「形を変える」実質値上げも
一方、飲食店情報サイト大手のぐるなびが全国1000名の女性に対して行った「バレンタイン」調査では、購入金額について8割が「変わらない」と答えるなど、現状では消費者側の購買力に低下はみられない。
帝国データバンクによると、値ごろ感を維持するため個数を減らすケースや、チョコの成形をハートや丸形から方形に改めることでコスト削減に努めるなど、物価高や円安の影響は価格以外の面でも出ているという。