撮影:苫米地結子
コーヒーの淹れ方に自信がない。
あらゆる媒体で淹れ方を調べ実践しているが、どうしても苦みが濃く出過ぎてしまい、味に奥行きのない「ただの苦いコーヒー」になってしまう。
ただ先日、コーヒー専門店を取材する機会があったので、数人のバリスタに相談してみたところ、みんな口を揃えて『CAFECの「アバカコーヒーフィルター」で淹れるといい』と言っていた。
早速購入してみた
CAFEC「アバカ 扇形 コーヒーフィルター101」税込407円
撮影:苫米地結子
こちらが噂の「アバカコーヒーフィルター」。
私は扇型の1〜2杯用を購入したが、円錐型や2〜4杯用のものなどもある。
果たして本当に美味しくなるのか
撮影:苫米地結子
一湯目を注いだ瞬間、粉の色がペーパーフィルターの隅々にまで染まった。コーヒーの粉がペーパーフィルターにしっかり浸透しているのが見た目からもよく分かる。
見た目はいつものコーヒーと変わりない……が、いざ飲んでみると苦味が明らかに軽減されている!
水道水を沸かして注いだはずなのに、まるで軟水のミネラルウォーターで作ったかのような、クリアでまろやかな味わいだ。
ペーパーフィルターを変えるだけでこんなに味わいが変化するものなのかと驚いた。
心なしか抽出スピードもいつもより2秒くらい早い気がする。
クリアな味わいになる秘密
撮影:苫米地結子
このペーパーフィルター、実は「アバカ」という天然素材を使用している。
CAFECのオンラインショップ内の説明によれば、「アバカ(マニラ麻)は、木材の4倍の強度を持ち、針葉樹の半分の細さのパルプ(繊維)が得られる為、通液性が良くしなやかで丈夫であることが特長」なんだそう。
元々使っていたペーパーフィルターと比較すると、ぼこぼことした溝が目立つ。
溝があることでコーヒーの微粉が溜まりにくく、目詰まりを防ぐことができるため、スムーズな抽出が叶うのだそう。
クリアな味わいに仕上がったのは、この溝が細かい微粉や不純物をキャッチしてくれたおかげなのかもしれない。
ちなみにコーヒー上級者の人向けには、「アバカプラス」という商品もあるようだ。
こちらは浅煎り用、中深煎り用、深煎り用と焙煎度合いに応じた専用フィルターで、ハンドドリップに自信のある人にはうってつけかもしれない。
価格はやや高め
撮影:苫米地結子
一枚あたりの値段を計算すると、カリタのペーパーフィルターが1.59円なのに対し、こちらは4.07円。
価格は一般的なペーパーフィルターに比べて一枚あたり3円ほど高い。
個人的には、ペーパーフィルターを変えるだけでコーヒーの味をグレードアップできるのであれば、高価な器具を買い揃えるよりもお得だと思う。
持続可能な資源として注目
乾燥中のアバカ(マニラ麻)。
N8Allen/ShutterStock
アバカは、苗を植えるとわずか3年ほどで収穫ができ、一度植えたら何度でも収穫できるため、持続可能な資源として注目されている。
元々フィリピンでは森林資源の大量伐採が続いており、早急に資源を取り戻すためにアバカが植えられたのだそう。
環境にもコーヒー好きにも嬉しいアバカ製のペーパーフィルター。ハンドドリップ好きならぜひ一度試してみてはいかがだろうか。