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3歳の息子へ「小遣い」制度を導入した結果、いろいろ失敗するのだが…選択することを学び始めている

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ただお金を与えるだけでは金融教育にはならない。

SbytovaMN/Getty Images

  • 子どもは早い段階でお金に関する習慣を身に付けるので、我が家では3歳の息子に週3ドルの小遣いを与えている。
  • 家族の一員として家の手伝いは当然のものなので、小遣いと手伝いは結びつけないことにした。
  • 便利なツールを活用し、お金で欲しい物を手に入れるまでの過程が見えるようにしている。

私は、子どもにお金の概念を教える方法を説いたさまざまな本を読み、どれも子どもがかなり幼いうちからお金のことを教え始めることを勧めていることに衝撃を受けた。彼らはお金に関する習慣は7〜9歳くらいで形成されると指摘し、子どもにお金に慣れさせる手段として小遣い制度を取り入れることを勧めていた。

大人には、小遣いとは賛否の分かれる問題だ。多くの人は小遣い制度を支持し、自分の子どもに小遣いを与えている。しかし反対派からは、子どもが小遣いをもらって当然だと思い込み、自分でお金を稼ぐことの価値を学ぼうとしない人間になってしまうという主張をよく聞く。

我が家では、小遣い制度を通して3歳の息子がお金に触れ、もらったお金をどう使うか自分で判断する機会を与えることができている。私たち親が見守る中でお金に慣れ親しむことで、彼は自分で選択するということを学び、少額のお金でたくさんの失敗をし、我々の多くが大人になるまで経験しなかった大切な学びを幼いうちから経験することができている。

小遣いの与え方

小遣い制度の形には、通常3通りある。

  • 家の手伝いと結びつけ、毎週、課された家事が完了したら与える。
  • 日頃の行いや家事の成果に関わらず与える。
  • 無条件で与える小遣いにプラスして、手伝いをしたら報酬としてさらに小遣いを与える。

我が家の小遣い制度は、家事や日頃の行いとは結びつけていない。息子には毎週日曜日に3ドル(年齢と同じ金額)を与え、すぐに使ってもいいし、子ども用にデザインされた「ベンジ・バンク(Benji Bank)」という貯金箱に入れて、短期の目標のためにとっておいてもいいと伝えている。私たちが小遣いを家の手伝いと結びつけなかったのは、報酬をもらわなくても最後まで手伝いができる子になって欲しいからだ。大人は家事をしても報酬をもらうことはないし、息子には家族の一員として家の手伝いをすることは当然だということを学んで欲しいと願っている。

確実にお金について学ばせる

ただお金を与えるだけでは金融教育にはならない。そこで私たちはセミナーに参加し、子どもに金融リテラシーを学ばせる方法を勉強し、子どもが小遣いをどう管理するか、親として指示を出すのではなく、どう導くかを学んだ。毎週3ドルの小遣いを与える時、我が家では同時にそのお金の使い方について選択肢を与えている。今のところ、おもちゃの車など安価な物を買うのに使うか、もしくはいずれもっと大きな本当に欲しい物を買う時のためにとっておくかの2択だ。

買い物に行くと、私たちは敢えておもちゃ売り場を通り、その中のどれか欲しい物を買うためにお金をとっておくかと息子に聞く。もし彼が「うん」と答えたら、家に帰り、その商品の絵と、値段と同じ数の円を描いて貯金表を作成する。その目標に向けて小遣いを貯めていく過程では、お金が増えるごとにその表にスタンプを押し、一家で共有する貯金チャート(Family Money Ladder)も使い、まるでハシゴを登っていくかのように目印を上に移動させ、ゴールに近づいている進歩が目に見えるようにしている。

欲しかった物を買える金額のお金が貯まったら、まだ本当に買う意志があるかどうか息子に確認する。もし欲しいと言ったらすぐに買いに行き、辛抱強くお金を貯めて本当に欲しかったものを手に入れることができた息子を褒めてあげるようにしている。その後、念願の物を買うことができてどう感じたか息子に聞き、自分が本当に欲しかった物を手に入れるために貯金をすることの素晴らしさをもう一度伝えている。貯金はポジティブで楽しいことなんだということを知ってもらうことが大切なのだ。

成功へ向けた今後のプラン

あと1カ月ほどしたら、私たちは息子に与えている「使う」か「貯める」の選択肢に「寄付する」を追加しようと考えている。決して強制するものではないが、彼にさまざまな寄付の形があることを教え、自分の貯金目標の達成を目指しつつ、小遣いの一部を寄付することに彼が興味を持つかどうかを見てみたいのだ。現在は数え易いように1ドル紙幣で小遣いを与えているが、彼が4歳になったら1ドル分は25セント硬貨4枚で与え、違った方法で小遣いを分ける選択肢も教えてあげたいと思っている。

我が家では小遣いに現金を使うため、銀行でまとめて大量の1ドル紙幣を引き出している。そうすることで、小遣い日を過ぎてしまったり、現金をかき集めるストレスを避けることができる。また、毎週必ず日曜日に、決まった額の小遣いを与えるようにしている。貯金や寄付を強要されて腹を立て、自分のお金が“没収”されないように隠してしまう子どももいるということも学んだ。

最後に、私たちは子どもに失敗させるようにしている。間違った選択肢だと分かっている場合でも、息子に選択肢を与え、彼の選んだ決断をサポートする。そして必ず、彼が決めた選択から何を学んだか、自分なりの結論が出せたかどうか、後で聞いてあげるように心がけている。

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