Photo: ひさみつまゆみ
圧倒的な研修システムでエンジニアをイチから育成。アクセンチュアは福島から日本を変える
現在の日本にとって喫緊の課題である「地方創生」。多くの地方都市が、人口減少や少子高齢化、地場産業を支える中小企業における後継者不足など、さまざまな問題に直面しています。
「地方を活性化させることはこの国全体の未来につながる」
そんな思いから、会津の地で中小企業支援やスマートシティ化プロジェクトを推進している組織、それが『アクセンチュア・イノベーションセンター福島(AIF)』です。
AIFは、「会津若松市の産官学民連携を通じた会津地域のスマートシティ化と、日本のほかの地方へ展開することを通じた地方創生への貢献」や「先進デジタル技術の実証実験」といった役割を担う組織。海外メンバーも数多く在籍しており、会津地方という自然豊かな土地で、壮大な仕事に携われます。
今回は、AIFで地方創生・中小企業支援のプロジェクトに携わる大川原扶さん、西口はるかさんに、福島・会津という場所を選んだ理由から首都圏で働くこととの違い、そしてAIFで働くことで得られる経験やスキル、やりがいなどについて語っていただきました。
アクセンチュア、そして会津を選んだ理由
──大川原さんは経験者採用、西口さんは第二新卒採用、お二人とも別の企業を経験しての転職です。経歴と転職の理由を教えていただけますか。
大川原さん(以下、大川原):私はアクセンチュアが4社目となります。
新卒ではシステムエンジニアとしてキャリアをスタートしました。システム開発のイロハを学んできましたが、システムだけではなくモノづくりと関わっていきたいという思いと、ユーザーに近い立場でシステムを提供したいという思いから転職し、2社目、3社目は製造業の企業で社内SEとして経験を積みました。
前職の工場で自分が携わったシステム運用が落ち着いてきたころにふと「世の中にはまだまだシステム化したいにもかかわらず実現できていない企業が多くあるのではないか」と感じたんです。
そして、1社にとどまるのではなくシステム化を必要としている工場を、自分の知見を活かしてシステム化する、また私自身もさまざまな工場を経験しさらに知見を深める、そんな働き方へシフトしたいなと思いはじめました。
そんなに都合よく自分の希望を実現できる会社は見つからないだろうな、と思っていたところ、アクセンチュアでなら可能だと知りました。
製造業に一気通貫でシステム導入を行なっており、しかも地元会津に拠点があるということで、ここしかないなと、アクセンチュアへの転職を決めました。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島 大川原さん
西口さん(以下、西口):前職は新卒入社した人材紹介会社です。入社時からインドネシアに赴任して、営業職として働いていました。
2年ほど働いたときにコロナ禍がはじまりました。専門性がなく、替わりがきく人材から次々と解雇されるさまを目の当たりにして、特別なスキルがないままキャリアを重ねることに不安を覚えたんです。
一方で、ITの専門知識がある人は、どの企業からも引く手あまた。そこで日本に戻り、ITのスキルを身につけたいと考えて、アクセンチュアへ転職しました。
──ITの専門知識がつく仕事は数多くあると思いますが、アクセンチュアを選んだ理由はどこにあるのでしょうか。
西口:理由は大きく3つあります。1つは、未経験者に対するトレーニング体制がしっかりしていること。
次に、リモート勤務の制度と環境が整っており、プロジェクトの承認を得ればリモート勤務が可能であること。
そして、出産・育児というライフイベントで休職してもマイナスにならず、女性がキャリアを積みやすい環境であることです。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島 西口さん
──アクセンチュアは拠点ごとの採用も行なっています。福島県会津若松市に拠点を置く『アクセンチュア・イノベーションセンター福島(AIF)』を選んだ理由を教えていただけますか。
大川原:私は会津が地元なので、子育てのこともあり、地元で条件に合う仕事を探していました。
決め手になったのは、AIFで取り組んでいる「中小製造業生産性向上プロジェクト(Connected Manufacturing Enterprises=CMEs)」です。私が携わっていた製造業での知見が生かせると思い、AIFで働くことを決めました。
西口:私は、AIFではなくアクセンチュアに応募をしました。その後、AIFから面接案内が来たという経緯です。
そもそも、スマートシティに興味があり、関連するプロジェクトに携わりたいという思いがありました。AIFは、早くから会津若松市のスマートシティ化に取り組んでいます。そこが大きな魅力でした。
福島や会津には縁もゆかりもなかったのですが、実際に住みはじめてから、会津のことが好きになりましたね。
同じ市民目線。地域に根ざした仕事の「やりがい」
──大川原さんも西口さんも、AIFでのプロジェクトが大きな決め手になったとのことですが、現在、携わっているプロジェクトと役割についても教えてください。
大川原:先ほども話に出たプロジェクト「CMEs」にエンジニアとして参画しています。
CMEsは、アクセンチュアとSAPジャパン、会津産業ネットワークフォーラムが協働で開発した中小企業向けの業務システムの共通プラットフォーム。中小製造業の生産性向上を目標に、簡易的なMES(製造実行システム)と発注連携ポータルを搭載、業務を効率化・高度化します。
中小企業の生産性が低いといわれる要因には、個社分散、投資不足によるデジタル化の遅れがあります。前職で関わっていた中小企業もそうだったのですが、規模の小さな会社が自社でシステムを導入するのは、資金面での不足やITへの知識不足もあって容易ではありません。だったら、中小企業が集まり、共通化できる部分は相乗りでシステム導入すればいい。
また、CMEsを導入することで、事業計画の立案から実行、記録、そして分析・評価までの流れがデジタルによってシステム化され、さまざまなデータが見える化されます。そのデータを活用し生産性を向上させて、従業員の賃金アップ、そして産業自体の活性化による雇用創出へとつながることを目指しています。
私は、新機能の要件定義、設計書の作成、またお客様からの問い合わせに対してソリューションを提供するという役割で、プロジェクトメンバーと一緒にお客様と向き合いつつ、開発メンバーと機能を検討して、ほかのチームとも連携を図りながら仕事を進めています。
西口:私は、スマートシティ化を担う都市OS(共通基盤とAPIの標準化により既存の行政情報システムと連携できる、オープンかつ新しい行政管理システム)のプロジェクト「会津若松市スマートシティプロジェクト」に携わっています。
会津若松市ではデジタル田園都市国家構想が発表される前から、10年以上にわたり「会津若松市スマートシティプロジェクト」を実行し、都市OSを導入していました。
プロジェクトの目的は、市民のためにデータを活用した街づくりで、住みよい街を実現し、地域活性化につなげること。
具体的な取り組み例としてはまず、市民の皆さんの同意のもとで登録いただいたデータから、パーソナライズされた行政・地域情報を表示するポータルサイト『会津若松+(プラス)』の運営。
そこで、AIによる問い合わせ応答や申請書作成支援サービス、母子健康手帳の電子化、学校と家庭をつなぐ情報配信アプリケーション『あいづっこ+(プラス)』などと連携した市民サービスを提供し、場所や時間に囚われず、市民皆さんの暮らしを便利にする取り組みを行なっています。
そのほか、市民のデジタル防災「マイ ハザード」や「除雪車ナビ」など、「会津若松市スマートシティプロジェクト」では、さまざまな取り組みがなされています。
私が担当しているのは、エンジニアとして主にフロントエンド(ユーザーが実際に操作するアプリケーションの画面)の開発です。
──どちらも、会津若松市民の皆さんと深く関わるお仕事だと思います。やりがいはいかがですか。
大川原:お客様とじかにお付き合いすることに醍醐味を感じています。
私も前職を含めると10年以上、製造業に携わってきましたので、お客様の課題に共感できますし、知見があるので深い会話もできる。自分が培ってきたスキルを生かせる仕事だと実感しています。
西口:会津若松市スマートシティプロジェクトは、市民である私自身も利用者。当事者目線で考えられることは、この仕事の面白さです。
実際に会津若松で暮らしているからこそ気付くこと、感じることをアウトプットできるのはやりがいだと感じています。
──実際にアクセンチュアで働いて、どういった部分で成長できたと感じていますか。
大川原:CMEsはSAPのシステムをベースにしているのですが、前職ではSAP自体、触ったことがありませんでした。その部分がもっとも不安だったのですが、入社してみると、充実した研修体制が敷かれており、SAPに関しても広い基礎知識を身につけることができました。
これまでの会社と比べても、アクセンチュアの研修制度の完成度は高いです。学ぶ内容によって細かく講師や窓口が分かれており、質問をすれば社内の専門家がすぐに返してくれます。システマティックで母体が大きなアクセンチュアにしかできない研修だと感じました。
西口:私もトレーニングが充実しているところには感謝しています。
第二新卒の入社者は、新卒と一緒に研修を受けて、PowerPointやExcel資料の効率的なつくり方、ITやプログラミング、データベースの基礎などコンサルティングファームで働く人材として必要なスキルを学びます。営業出身で全くIT知識がなかったので、非常に助かりました。
プロジェクトに入ったあとも、そこで求められるスキルに応じて研修が準備されており、勤務時間を使って学べる体制が整っています。私もプロジェクトでAWS(Amazon Web Services)の資格が必要だったので、勤務時間内に勉強して受験し、無事、取得することができました。
プロジェクトに関係がない領域でも、定期的にさまざまなトレーニングが開催されているので、本人のやる気さえあれば、常に学び、成長できる環境が整っている印象です。
会津から全国へ。成功体験を広げていきたい
──ここからは、AIF、そして福島の魅力についてお伺いします。
大川原:実際のところ、仕事の進め方や研修体制、福利厚生などは東京のアクセンチュアとほぼ同じで、AIFだからといって特別なことはありません。スマートシティや先進デジタル技術の実証実験に関わるプロジェクトに興味があって、かつ、豊かな自然に囲まれた環境で働きたい人にはピッタリではないでしょうか。
西口:一方で、物価や生活費などの面では、東京と比較しても生活の質、満足度は高いと感じています。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島が入っているスマートシティAiCT。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島の様子。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島の様子。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島の様子。
──物価や生活費の話も出ましたが、会津若松市の暮らしやすさはいかがでしょうか。
西口:個人的には、プライベートが充実しています。
こちらに来てから、スノーボードをはじめました。AIFには、地元出身でウィンタースポーツに子どものころから親しんでいる、本格的な人も多いんです。みんな丁寧に教えてくれるので、初心者でもはじめやすかったですね。
車で40分も走ればゲレンデがあり、冬になると朝7時に家を出発して午前中はスノーボードざんまい。お昼からは別のことができるという、贅沢な週末を過ごしています。
もうひとつの魅力が、美味しいご飯と日本酒。会津若松は個人経営の居酒屋が多く、仕事終わりや週末に巡るのが楽しみのひとつです。地元の方はみんなフレンドリーで、そこで仲良くなった人たちで登山に行ったりしています。
豊かな自然に囲まれた会津若松の風景。
Photo:ひさみつまゆみ
冬にはスポーツを思い切り楽しめる。
Photo:ひさみつまゆみ
温もりのある会津の宿。
Photo:ひさみつまゆみ
会津若松でもっとも印象に残っているのが、『会津まつり』への参加です。メインイベントで、女優の綾瀬はるかさんも参加された『会津藩公行列』は総勢約500名で構成され、武者姿で練り歩きます。この行列にもAIFは参加させてもらうことができて、私も忍者役として楽しみました。
AIFのセンター長の言葉を借りると「横文字の外資系の会社ではなく、会津の一員としてのアクセンチュアになっていけるように、今後も積極的に地域の行事に参加して貢献していきたい」とのこと。私もそこを意識して頑張っています。
会津まつり「会津藩公行列」の様子。
アクセンチュア提供
会津まつり「会津藩公行列」の様子。
アクセンチュア提供
大川原:やはり、自然が近いことが魅力ですよね。子どもが2人いるので、休みの日は広い公園や雪山など、遊びに連れて行っています。夏は猪苗代湖も車で行ける距離ですし、アウトドアが好きな人にはオススメです。
──最後に、今後、AIFで実現したいことを聞かせてください。
大川原:CMEsのはじまりは会津若松ですが、今後、日本中の中小企業に広げていく予定です。その際、「これは会津からはじまったプロジェクト」だということをしっかりと示したい。
このプロジェクトで、全国の色々な中小企業を応援したいと思っている人がいれば、ぜひ一緒に働きたいですね。
西口:会津若松で導入した都市OSは、その知見を生かして、兵庫県神戸市、千葉県市原市、山口県下関市、宮崎県都農町、沖縄県浦添市などの8自治体に導入されています。
「自分の故郷にも導入したい」という気持ちを持ったメンバーも多く、これからもこの成功体験を全国に広げていきたいと思っています。
デジタルの力で、地方の個性を活かしながら社会課題の解決と魅力の向上を図ります。
そして、地方に都市の利便性を、都市に地方の豊かさを」を実現して、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指します。
(内閣官房デジタル田園都市国家構想実現会議事務局ホームページより)
これは、政府が掲げる「デジタル田園都市国家構想」が目指す姿です。
日本の未来は地方の活性化にかかっています。2011年8月、東日本大震災の復興支援及び地域産業の活性化を目的に設立されたAIFは、その先駆けともいえるでしょう。
会津という土地に根ざし、住民目線で課題に取り組むAIF。そのバックボーンには、東京のみならず、グローバルでアクセンチュアが培ってきたテクノロジーや課題解決メソッドが存在します。
コロナ禍以降、働く場所の自由度は大きく上がっています。豊かな自然とそこで育まれた食など、ワークライフバランスを求めて地方での暮らしを選ぶ方も増えてきました。
地方でも最先端の技術を活用して、暮らしや産業の発展に寄与できる。そして、その成功体験を全国へと波及させる。AIFで、そんなスケールの大きな仕事に携わってみてはどうでしょうか。
アクセンチュア・イノベーションセンター福島(AIF)でのキャリアにご関心をお持ちの方は下記リンクの募集要項よりご応募ください。
"lifehacker"より転載(2023年2月7日公開の記事)